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もう一人の……。

12話 もう一人の……。


〘アレは僕じゃないよ〙

「でも、あんなこと出来るのってアナタしか」

〘居るだろネネコ、この町にはもう一人〙

「もう一人……あの老人」

〘ああドクターだ〙

「でも、ちょっと面白いパフォーマンスだったかしら。あの農高の家畜被害をのぞいてわ」

〘そうか? まあなぁしかし、ネネコまだ会えないのか? 僕は寂しい〙

「まだ忙しいのよ。もう少し辛抱しなさい。あっ五森、佐藤診療所に電話して。じゃ堂島君」


 秘書の五森レイは町長室の電話の受話器を渡した。


「お久しぶりですドクター佐藤」

〘毎度言っておるだろう。佐藤はいらん。しかし、めずらしいのぉネネコちゃん。デートならいつでも〙

「相変わらずね。マリリンは元気かしら? あまりあの娘は外に出さないでよ。目立つ娘だから。それと、昨日の怪物の件なんだけど」

〘怪物? ああ今朝ニュースで見た〙

「あれ、ドクターのいたずらかしら?」

〘なんでわしが、あんな物を? わしはもうアッチの方は手を引いてるぞ、あんな何も得にならんことはせん〙

「そう、ドクターじゃないのね。わかったわ。もし何かあったら助けてね」

〘何かって何じゃ?〙

「何かは、何かよ」

〘ネネコちゃんの頼みだからの……〙

「忙しいとこごめんなさい。また」



 谷ネネコ町長は秘書に受話器を返し。


「ドクターじやなかったわ。あっ五森、会見用のスーツ出しておいて」


 やった。マリリンと二度目のデートだ。 

 やはりあの写真集に「歴代最強女子アナ写真集」もつけたのが幸を通したのか。


 今日は愛車で診療所に。

やはりマリリンはいつものかっこうだ。ブラの色が青になった。

 コレには何か意味が? 赤から青。まあいいか。


 黒いキャップ黒いポロシャツに黒いサングラスの男が、まだ暗い早朝診療所からマリリンを乗せ愛車というポルシェを走らせた。


 マリリンと日の出を見るために九十九里海岸に来た。さすがに寒いので日の出を見たらクルマに戻り温まった。

 マリリンが持ってきたポットには熱い青汁が。

 コレはマリリンの好みなのか?

 私は昨日のハードな仕事と今日のデートのウキウキ感で眠れなかったせいか、クルマの中のあたたかさでウトウトと。


 気がついたら10時をまわっていた。

 隣を見るとマリリンがいない。

 窓の外によりかかるマリリンのお尻が見えた。 

 私もクルマから降りてマリリンの横に。


「おはよー。グリュッウ!」

 

 と、よく聞くマリリンの意味不明の口ぐせを。

が! またしても、なぜ?


               つづく


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