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第6章 魔石の力2

 ニールがその場を離れてから数分たたないうちに、ペガサスの足止めを命令されていたマキノが合流した。張り詰めた空気を全く読まずにレインとクランに手を振る。


「いたいた! いやぁ、帰る方向分からなくなってちょっと手間取っちゃった! てへ!」


おちゃめに舌を出しながら歩いてきたマキノは、眉間にしわを寄せているレインに尋ねた。


「そんなに怖い顔して……。まさか、俺がいなくてそんなに寂しかったのか!」


ピリピリした空気の中、1人口に手を当てて喜ぶマキノの周りだけ花が飛んでいるかのようだ。マキノは嬉しそうにレインの肩をバシバシと叩きながら言う。


「そんなに心配すんなって。俺は不死身だからな、そんなに心配されてなくても俺は絶対戻ってくるって! レインの好意だけはありがたく受け取っておくよ」


「お前の頭はお花畑か?」


あまりにも場違いな雰囲気のマキノに、クランが我慢しきれず睨みつける。そんなクランに対し、マキノは不満げに親指を立てて自分の頭を指した。


「俺の頭は地毛だ」


「マキノ、俺はお前の頭に生えてるものを訊いてるんじゃないぞ」


「じゃあ何だ? 脳みそか?」


マキノが真顔で言うと、レインがため息をついた。


「マキノ、部下にお前のバカさしか伝わってないぞ」


額に手を当てて呆れるレインをクランが見た。


「ニールをどうするつもりです?」


レインは額に手を当てたまま、小さく息をついて答える。


「ニールがラシャルブレイヴに報告し、私がこの任務から外されれば、私はイアンを追えなくなるどころか殺すチャンスも失ってしまう。今はニールの好きにさせるしかない」


レインはやがて顔を上げ、部下全員に目線を移した。


「少しでもニールに動きがあれば私に報告しろ。いいな」


全員が同時に敬礼する中、レインはマキノを見た。


「お前はただニールにつきまとっていろ。目障りだと言われても私がいいと言うまでずっとだ。とにかくニールから目を離すな。単純作業はお前の得意分野だろう?」


マキノを見上げてレインが笑うと、マキノは親指を立てた。


「分かってんじゃんレイン! さっすが俺の友!」


「お前の上官だバカ!」


クランがマキノの頭を叩くと、マキノは振り返って怪しげな笑みを浮かべる。


「とか言って、クラン少佐、実はレインの事がす――」


「どうしたマキノ! 腹が痛いって? あー、そりゃあ大変だ! 俺の荷物の中に胃薬が入ってるから分けてやるよー。ほら、行くぞ!」


クランが大声でそう言いながらマキノを無理矢理引っ張っていくのを見ていたレインは、大きくため息をつく。


「すまん。ああ見えていざという時は頼れるやつらだ。失望しないでやってくれ」


「もちろん承知の上です」


と、笑顔で応える部下に、レインは微笑んだ。

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