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カッパ・イート・マン ~EAT AND KILL~  作者: 藤宮きな


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10/14

第10回 「第二波、襲来」

暴走したカッパ・イート・マンは、武装した少女の手によって鎮圧された。





それから数時間後——。

静止したカッパ・イート・マンの体から蒸気が立ち上っている。


「で?俺らはこいつをどうしたらいい?さっきの姉ちゃんはなんでトドメ刺さなかったんだ」

「彼女にも、この人と似た特徴を見つけました。彼らはもしかすると仲間…あるいは出自に何かしらの共通点があるのかもしれません」


カッパ・イート・マンの後頭部を見つめながらマスミは話す。


「仲間っつったってよ、あいつも俺らの味方してくれたってわけでもなかったし」

「もし彼らがカッパ(奴ら)と敵対しているのなら、いい協力関係を結べるかもしれない。あくまで、憶測ですが…」


横たわったカッパ・イート・マンの隣で会話する萩原とマスミ。2人の周囲にある草木が揺れ始める。


「なんか…近づいてくる気配がしねえか?」

「ええ、あたりが騒がしいですね」


物陰からぞろぞろと、カッパたちが群れをなして出現した。


「…っくそ、このタイミングで追い討ちかよ」

「まずい。さっきの戦いで体力を消耗しすぎました。囲まれてて逃げ場もない。萩原さん、どうしたら…!」

「んなこた言ったって!戦うしかねえだろが!」










//////////////////////


一方、栄高校から数メートル離れた先、三島と松隈。


携帯の振動に気づき、三島は電話に出る。


「はい、三島アツコ」

{いきなりすまねえな三島、今大丈夫か?}

「堂島。…問題ない。生憎これといった進展はない。何かあった?」

{ああ、さっき“大穴”の調査が終わって一度署に戻ってきたところだ。そこで興味深いものを見つけた。一度データを送る」


携帯が再び振動し、三島は堂島から送られてきたデータファイルに目を通す。


『時空の歪みにより生じた大穴の調査記録』


{大穴付近で見つかった一台のノートパソコンから拾ってきたもんだ。ボロボロだったんでほとんどのデータが復旧できなかったんだが、かろうじてこのファイルだけ取り出せた。一度目を通してくれ}


三島は下まで画面をスクロールした後、思わず声をこぼす。


「…!これは…」

{ああ、九条ジュウイチモンの名前がある。俺らが追ってる2つの事件、そのどちらにもこの男が関わってるってことだ。九条息子はお前に、奴はそっち以外にも各所に拠点を置いている、とも言っていた。ちょっと厄介なことになりそうだぜ}

「“時空の歪み”というワードも気になるわね」

{突如現れた大穴、大量発生した未確認生物(カッパ)に続いてこの言葉…今更もう大した驚きはねえな}

「わかった。こちらも九条教授の動きには引き続き警戒しておく」




三島が電話を終え松隈の方を見やると、彼は顔面蒼白で落ち着きのない様子をしていた。


「み、三島警部!辺りの様子が、妙です」

「ようやくお出ましか」


辺りを見渡すと2人を囲むようにしてカッパが群れをなしていた。



「こ、こいつらが、例の!」


周囲に人影はなく、カッパたちは皆2人を獲物とし今にも飛びかかる勢いだ。


「松隈、さがれ。見せてもらおうかしらね、九条教授と我々の《《信頼関係》》を」


三島は、腕に装着した機械を慣れたような手つきで操作し姿勢を構える。


『ユーザー認証システム起動…クリア』

『武装点検…クリア』

『アクセス権限確認…クリア』

「武装を展開する」

『承認』



“超強化武装展開機《ちょうきょうかぶそうてんかいき》”。

九条開発、失われた古代技術(ロストテクノロジー)を応用したその武装機は、腕から展開され三島の全身を覆う。


三島は武装と共に展開された銃器を構えカッパの群れへと向けた。


「貴様らに、処罰を与える」











//////////////////////


森の奥、カッパの群れと乱闘する萩原とマスミ。

先の戦闘で体力を消耗した2人はカッパたちの数に押され劣勢の状態だ。


「はぁ…はぁ…くそったれが」

「次から次と…キリがないです!」


息を切らしながら会話を飛ばす2人。自身の血とカッパの返り血が混じり全身にこびりついている。手足はボロボロだ。


——もう後がない。そう思った時、2人の背後に影が忍び寄る。





「うるせえなァ…人の眠りを邪魔しやがってよォ」

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