小話9
「え……これ食べられるんですか?」
寒さが和らぎ始めたある日
第一軍の遠征にまたついていくことになった
夜ご飯の準備を手伝ってくれているカスタノさんとリラさんが食材を見て目を丸くしている
「やっぱりこっちでは食べられてないんですね
ラハニスも怪訝な顔をしてたので」
「そうですね…家畜も食べないので育ててる人も居ません」
お米を見ながらリラさんが言うとカスタノさんも頷いていた
ちなみに栗に対しても同じ反応
「焼こうとすれば爆発するから危ないって聞いてる」
「…それは確かに危ないですね…」
二人とも不安そうな顔で手伝ってくれた
私は栗を鍋に入れて煮込んでいる
カスタノさんに炊き方を伝えて、ご飯はお任せする
今回は栗ご飯を作ろうと思ってる
「栗が入った料理って美味しいんですけど食べられてないのはもったいないですね」
「……ミヤさんって本当にいろんな料理知ってますよね
最近はパンとかお菓子とか色んなもの作ってますし」
「まぁ、好きなものだけって感じですけど」
「でもおかげで献立が増えた」
カスタノさんは料理が苦手だけど頑張っているようだった
今でもカレーの頻度が高いけど、それでも減ってきてるらしい
カフェティさんが通りすがりに教えてくれた
努力の証だ、と三人で彼を誉めると嬉しそうに照れていた
そんな話をしながら栗ご飯を作り、それだけでは足りないから魚を焼く
「……今日の飯、見たことないな」
「白い……中に黄色い何かが……」
そんなことを言いつつも全員一口食べると目の色を変えた
美味い、とおかわりしてくれる人続出で見慣れた光景なのに小さく笑ってしまう
「この料理は何て名前だ?」
「栗ご飯」
「クリ、ゴハン?」
「これとこれで作ったの」
アステリの問いに、そう言って調理前のお米と栗を見せると全員が目を丸くしていた
リラさんとカスタノさんが言っていた通り、お米は不味いと流通していなくて栗も危険な木の実だと伝え聞いているらしい
炊いて手に持てる大きさに丸めれば軽食にもなることを伝えると納得していた
「こんなに美味しいものだったんですね
ミヤさん、ぜひギルドに登録してください」
「だな、遠征や訓練で持っていけるなら楽になる」
「また美味しいもの食べれるって、みんな喜びますよ!」
みんなが嬉しそうに話してて私も嬉しくなった
ギルド登録はもう少し先にしようかと思っていたけど早めようかと思った




