小話7
「ん、あ〜〜…ちょっと休憩させてくれ…」
「了解しました、お疲れ様です」
山のようにあった書類を片づけ軍隊長は背伸びをする
俺は苦笑しながら紅茶を持っていった
窓を開け外の景色を眺めながら飲んでいた
「カフェティ、カフェティ」
しばらくするとベズが小声で話しかけてきた
どうしたのかと思い、耳を傾けると
「軍隊長が…っ」
指差された先を見る
軍隊長は変わらず景色を眺めているように見えたが、その顔は柔らかく微笑んでいた
昔から知ってる俺でも、あんな顔は見たことがない
だからか部屋に居た全員が固まってしまっていた
「何あの顔…!」
「初めて見るんだが、カフェティ!」
「何か知らないか⁉︎」
そう言われても、と思いつつ何を見ているのか気になり気づかれないよう静かに窓の外を見てみる
薬草畑の手入れをしているだろうミヤさんが居た
よく見れば手にハサミのような物を持っているので草刈り中なのかもしれない
もしかして…
視線の先に居たミヤさん
それを見つめる軍隊長の顔
一つの可能性に辿り着き妙に納得してしまった
窓から離れると一斉に小声で詰め寄られる
「…春がきた、ということですよ」
「「??」」
俺が広めて良いことではないと濁して言った
軍隊長は、ずっと一人で抱え込んでいる
そんな彼が、ようやく安らげる場所を見つけたのかと思う
「良かったですね、軍隊長」
小さい声で呟いた言葉は彼には届かない
気づいたと同時に自分の胸に感じた痛みには気づかないフリで




