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ドルティス

<ドルティス>


それが、アリシアにとって悲しい結末が確定している街の名である。


ジュゼ=ファートとファリ=ファールの血縁上の父親である豪商<ドルティアウ>が、金にあかせて買い取った後に、自分の名にちなんで改名された、そういう意味では比較的新しい街であった。


一説によるとドルティアウはこの街に十人の<妾>を住まわせていたとも言われているものの、事実かどうかは定かではない。


と言うか、実際にはそれよりも多くの妾を住まわせていた、あるいは、何人もの街の女性を妾として新たに囲ったという話もあって、ドルティアウがいかに強欲であったかを示す逸話でさえあった。


もっとも、街を丸ごと買い取るなどという派手な行いが当時の王の反感を買い、結果としてそれが後の凋落を招いたとも言われている。


それによってジュゼ=ファートとファリ=ファールは遠く離れた辺境の村へと落ち延び、そこで主人公と出逢うことになる。というのが、<設定>である。


いずれにせよ、ここで幼い頃の二人と出逢い、交流を図るというのが今回のイベントだ。本来ならば、親の愛情に飢えた幼い子供達と出逢ってその寂しさをほんの一時(いっとき)だが癒すという、心温まるほのぼのとしたエピソードのはずだった。


しかし、それが果たして本当に<心温まるほのぼのとしたエピソード>で済むのか、まったく予測はつかない。


アリシアと縁の深いナニーニとコデットがこうして召還されたということは、つまり、『そういうこと』なのではないのか?


そんな不穏な予感を覚えつつも、アリシアはドルティスの街へと足を踏み入れた。


昼をやや過ぎたばかりの街は多くの人々が行き交い、活気に溢れていた。ドルティアウが商売のためのあれこれを個の街に導入したことで賑わっているという面も実はある。


彼は非常に強欲で品性に欠ける人物ではあったものの、確かに商才については大変なものを持っていて、ただ運のよさで成功したわけじゃないのも分かる人物であった。


ゆえに、あくまで<商人>としては尊敬する者も少なくないのだとか。


反面、人間性という点では俗物を極めていて、<ロクデナシ>という評がもっともしっくり来るだろう。


さりとて、街の多くの人間にとっては彼のそういう部分はあまり関係なく、自分達が豊かになれるのであればということで、直接関わりさえなければ、さほど気にしていないのも事実。


もっとも、彼は人の妻だろうと婚約者がいる娘だろうとお構いなしに金で女性を召し上げたそうなので、その辺りで恨んでいる者も、一部ではあるもののいるのだそうだ。



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