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非道にして非情

ジョッシュとファの援護を得て、アリシアは攻撃に集中する。


<魔術>などというものはそもそも本来の彼女の戦い方ではないので、正直、完全には使いこなせない。使いこなせるようになるまでには、さらに経験を積む必要があったが、今は当然、そこまでの余裕もない。ならば、魔術についてはジョッシュとファに任せ、自身は最も得意とする格闘術で挑むだけだ。


<格闘術>と言っても、アリシアのそれは、<武道>や<武術>のそれではなく、戦場において確実に敵を無力化するためのものであり、非道にして非情なものである。


「フッ!!」


戦っている最中に拾った石を口に含み、弾丸のように放つ。


至近距離であれば顔に向けて空気を放つだけでも効果があるが、これなら数メートル離れていても、威嚇や陽動だけでなく、実際にダメージを与えられる。


しかも<魔術>ではないので、ラウルには察知されにくい。まぶたの上に石礫を受け、


「くっ!? 貴様ぁ!!」


ラウルの怒りはさらに燃え上がる。


激しく渦を巻く魔力が放たれ、アリシアが躱したところの地面がごぞりと抉れる。


空間断裂でこそないものの、その威力はジョッシュの空間断裂と遜色のないものだった。


もっとも、ジョッシュのそれは、空間そのものを断裂させることで対象を破壊するというものなので、対象の硬度や強度に関係なく破壊できるのに対し、ラウルのそれは、あくまで高い破壊力で物体を粉砕しているだけという違いはあるが。


しかし、この威力であれば、盾であろうと鎧であろうと容易く破壊できるだろうから、実質的には十分なものだろう。


もちろん、アリシアとてまともに食らえばただでは済まない。


とは言え、戦闘ヘリに搭載された三十ミリの重機関砲さえ恐れず立ち向かうアリシアを怯ませることはできないが。


「があっ! ぐああっっ!!」


まるで獣のような声を上げつつ、ラウルは次々と魔術を放った。


アリシアだけでなく、ジョッシュとファにも向けて。


けれどそれらはことごとくジョッシュによって掻き消される。かと思えば、ジョッシュの空間断裂魔術がラウルに襲いかかる。


ラウルも身を捻って躱してみせるものの、彼のローブは見る間にボロボロになっていく。


魔術師用のローブは、魔力を操る際の補助を目的として術式が編み込まれている。


ラウルほどの術者ともなればさすがに気休め程度のものとは言え、ギリギリの戦いをする時などでは、その僅かな差が命運を分けたりすることもあるだろう。


また、アリシアが革鎧に魔力を帯びさせて強化していたのと同じく、ラウルもローブに防御の一部を任せていたのだが、それも削り取られていったということだ。



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