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ホワイトポインセチア(お互いの家族2)


私たちは、海の見える一軒の海鮮料理屋に入った。



深澤は


「蓉子ちゃん、魚で苦手なものあるの?」



私は、無いよと言う代わりに首を振った。





すると、どうだろう昼間っから食べきれないほどのお料理が並べられた。




生きのいいこともあり、これぞ、究極の魚の味だと思った。



アコウ、イサギの煮付けにまだ動いているイカのお刺身には 吃驚した。


こんな濃厚な岩牡蠣の美味しさは、きっと忘れられないだろうと思うほど感激した。





ここで妙なことがあった。


私は主人の食べ残しを一切食べたことがない。


食べられない。



しかし、何故か?



深澤が「蓉子ちゃん、これ、食べてみて。旨いぞ!!」



そう言われる度に、2人の持った箸は、あちらこちらと交差し合うのでした。






その後、私たちは帰路に着いたが、


ワイパーは役に立たないまでの嵐に遭ったのは峠に差し掛かった頃だった。




この分だと危険運転で事故が起きても不思議でない状況だ。




深澤は、車を峠から側道へと滑らせた。



その道は、旧道で車一台通りゃしない道だ。



深澤は車を脇に停車させた。




「暫く様子を見よう!このままだと事故りそうだな」



雨音で、深澤の その言葉すら聞き取れないほどだった。


ラジオの周波数を合わせても‥天気予報も聴けない。




この年、ゲリラ雨なる突然の豪雨に各地で災害が頻繁に起きていた。




「大丈夫だよ、通り雨みたいなものだから‥」



深澤の話す声が聞こえなく



「えっ?何?」


すると、深澤は



私に負い被さるように私の耳元に囁いた。



「雨が通りすぎるのを待とうって言ったんだよ」




そして‥



そして、いきなり唇を重ねてきた。



深澤との接吻は 初めてのこと。



体が硬直していくのが分かる。



その内に‥



呼吸が苦しくなり



深澤の激しさに



全身が蕩けそうになり 力が入らない。






(もう、もう、止めて。帰れなくなる。これ以上、私を奪わないで!!)



そう思いながら意識が遠退くほど 快楽に酔いしれる私がいた。



(ダメだ。このままでは溺れてしまう)





私は深澤に背を向けた。





「ごめんよ」




「本当は、わが家だって幸せ家族を演じているだけ。主人の借金で‥、今の生活は火の車なの」




私は泣きながら、封印していた全てのものを吐き出してしまった。




「でも、やり直そうとしても、そう思えば思うほど裏切りが許せなくて‥」






深澤が頷くだけで、私の話を静かに聞いてくれた。





「もう泣くな!!蓉子は僕が守るから!!泣くな!!」



深澤は私の泪を手で拭き、その大きな手で私の頬を包み、



今度は優しく労るようにキスをした。



唇に、そして瞼に。





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