37「ハーレムなのです」
授業も終わってお昼の時間。私は大勢のクラスメイトと弁当をつつきながら、笑談にふける。授業の間? 何故か護身術の講師させられたけどそのくらいだわね。
今日も今日とて、私は女の子に囲まれているのです。驚いたことに私に近づいてくる人たちはみんな、どういうわけかアヘンと話すのにもあまり抵抗が無い……。
一人の友人としては嬉しいけれど、なんかアヘンと同ジャンルに分類されている気がして複雑な気分。共通点傷だらけな所と長い髪ってぐらいよ……まさかね。
「バルカ……さん。あの、肩に毛虫が」
「いないから大丈夫よ」
また何か見えているのねこの子。まあ気にしている様子ないけど、周りの人たちは。アリーシュだけね、首を傾げているの。阿片の副作用もうみんな知っているのかしら。
「そもそもここ室内よ」
「あっ、そっそうですね……」
「バルカ様普通に毛虫付いておりますわよ!?」
「幻覚じゃなかったんかい!」
私は自分でも驚く位の早さで毛虫をつかみ取ると、換気のために開けてある窓に向けて思い切りストレートに投げた。
毛虫はジェットの如き早さで窓を通り抜け、落ちていった。
……私、いつの間に毛虫触れるようになっていたのかしら? 自分でも驚きだわしかし。
というかどこから入ってきたのよこれ。
「お姉様モテモテだねー、羨ましいよー」
「うっさいラスト」
ニヤニヤ笑みを浮かべながらラストが煽ってくる。そうねモテモテね、女の子にね。
別にさー、グループ作っているって訳じゃないのにさー。何故か校内で私のことを『学校内の国女様』って影ながら呼んでいるらしいしさー。
もう嫌になるわアタシ。
「そういえばバルカ様、シェリー様から告白されたんですよね?」
「シェリー……? ああ、あの娘ね」
確か婚約を破棄して私に告白してきたよく分からない女の子。
普通に可愛い感じの女子だったけど、何故私に惚れたのかしら。
「勿論振ったわよ、私同性愛者じゃないし」
私の言葉に、「いがーい」とばかりに声を上げる女性達。何故だおい、何故だ。いや確かにね、第3皇女っていう立場の娘が私の所に転がり込んできたら色々と便利よ?
でもね、よく考えてみて。同性だから。あり得ないから。
「あの子、仲直り出来たのかしらねぇ……」
「バルカ・ド・モンテクルズはいるか!?」
私がシェリー……だっけ? の心配をしていると、不意に私の名前を呼ばれた。その声の方向を、モーゼの奇跡みたいに私の周りに居た女子生徒達が開けると、はてさてそいつは、どうもかなりのご立腹。
づかづかと私の方に歩いてくる少年。ふむ、バランスの良い筋肉の付き方だな。将来性はあるが、まあ一兵士として生涯を終えるだろうな、という感じの少年。
「私ですが、何か用でございましょうなのでしょうか?」
あらやだ久しぶりに姫言葉使ったから変になっているわ。
私の取り巻き達から悪意ある視線をぶつけられているけれど、そんなの意に介さず、少年は私を指差した。不敬罪でとっ捕まえるぞこんにゃろう。
「貴様に決闘を申し込む!」




