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第27話《黒皇龍戦・2》

―――手強い。

高いレベル、高い知能、高いスペック‥‥‥全てが揃ってると言っても過言ではない。

少ないとも俺―――フィーレン・エイプレイはそう感じた。


「―――よし、作戦を伝える」


「‥‥‥それは?」


声を上げた俺に呼応したレインがそう言った。

それに対して俺は言葉を紡ぐ。


「やることは単純、俺の切り札をぶつける。だから、フィーはアイギスで防御、二人でグランバルツのヘイトを集めてくれ」


「―――了解した。その依頼、確かに承った」


キリッとした表情で、ソーマは応えた。


「‥‥‥うん、わかったよ。あまり力になれてないのは残念だけど―――、私の全力で相手をするよ」


少し悲しげに、でも目に闘志を燃やしてレインは頷いた。


「‥‥‥」


フィーはなにも言わない。俺達は同じ存在だから、言わずとも何をすべきなのかは分かる。


「―――さあ、戦況を動かしていこうか!」


俺が叫んだのを合図に、全員がアイギスの中から飛び出した。


グランバルツに駆けていく二人を尻目に、世界にある魔力を集約し、俺の最強の魔法を発動させる。


「七剣魔法―――第一刃、(エクスカリバー)!」


手の中に生まれた光の塊が形を成し、聖剣へと昇華する。

それを振りかぶり―――振り下ろす。


剣先から伸びた光が空を裂き、その刃をグランバルツに届かせる。


正面から放たれたその一撃を視認したであろうグランバルツは、口を開き―――ブレスを吐いた。


「―――ッ、グゥッ」


火力が足りないのか、腕に物凄い負担がかかる。

そのダメージを抑え、両手で握っていた剣から左手を放し―――次の詠唱を始める。


「―――七剣魔法、第、二刃ッ!(レーヴァテイン)ッ!」


左手に獄炎の刃を精製し、エクスカリバーを消滅させる。


拮抗していた光の奔流が消えたことで俺に向かうブレスが眼前へと迫り―――俺はそのまま剣を振り抜き、ブレスに叩きつけた。


焔がブレスを飲み込み、喰らい尽くし、その全てを消滅させる。


「―――隙あり、だ!」


俺がブレスを防いでいる間に接近した二人がそれぞれの武器を抜き、がら空きの胴体に攻撃を入れ始める。


『グオォォゥァッ!』


けたたましい咆哮と共に、旋回で無理矢理二人を弾き飛ばし―――爪で追い討ちを仕掛ける。


「―――それは予測済みだよ。(アイギス・オーバーガーディアン)!」


ギャリギャリと壁を削る音。

上から叩きつけられた爪は地面から生えた結晶で受け止められた。


「フィー、爪をあの場所で固定しろ、あの邪魔な爪―――断ち切らせてもらうぜ」


「―――うん、了解。零の理、(凍結世界)」


瞬間、世界が凍り付き、グランバルツの動きを停止させきった。ただ―――ピシピシと軋む音。

どうやら、そこまで止めれるわけではないようだ。


「なら―――高速で移動して全力でぶった切る。(瞬間加速)‥‥‥七剣束―――二式、三・四ノ型、(デュランデッド・ムラサメ)」


一歩目で空を駆け、二歩目で突撃。七剣を束ね新たに生み出された魔法を振るい―――グランバルツの、その腕を断ち切る。


『ガァァァッッ!?』


赤い血を吹き出し、両腕を捥がれた龍は悲鳴を上げる。


「もいっちょ接続して―――七剣束、二式。五・六ノ型、(クラウ・ソラス・ミストルティン)」


あらゆる装甲を貫通する十二の光剣が生み出され、俺の背後に並ぶ。


「反撃の余裕なんて与えねぇ―――掃射ッ!」


世界に後押しされた剣群は空を切り裂きながら加速し、グランバルツの肉体に到達する。

だが―――


『グオォォォァァッ!!!』


咆哮。声が衝撃波となり、世界を揺らす。


「グゥッ‥‥‥!マジかよ‥‥‥ッ!」


そこそこの距離をとっていたはずの俺ですら吹き飛ばされてしまいそうなほどの重圧と衝撃。

そして―――俺の放った剣はその肉体を穿つことなく消滅する。


―――魔力の塊に干渉してくるか‥‥‥それに、ただの声で勢いを殺しやがった‥‥‥。


「だが―――そう何度も使えねぇだろ‥‥‥!七剣魔法、第七刃(草薙)!」


一本の刀を精製し、俺はその剣を突き立てる。

―――草薙は純粋な斬撃剣であるのと同時に、神器としての用法も存在する。

それによって‥‥‥本来なら数分かかる詠唱を短縮させる。


「―――みんな、無事か?」


「‥‥‥辛うじてな。あの咆哮で少なくないダメージを負った」


「‥‥‥私もー。流石に至近距離でアレを貰うのはキッツいねぇ‥‥‥」


ソーマとレインは限界が近い‥‥‥か。


「イフ、あと何本残ってる?」


『―――残量、58本です』


‥‥‥かなりの本数が持ってかれたか。

なら、仕方ない―――いや、これは俺が決着をつけたいからか。俺の感情の問題なんだ。こいつらに頼る事無く終わらせたい。そんな俺の考えがある。


「―――お前らの出番はおしまいだ。異論はないな?」


俺のその一言に否定せず、頷いてくれる三人。


「ありがとな。んじゃ―――お疲れさま」


『お疲れ様。あとは―――任せた』


―――俺から生まれた存在なんだ。なんとなくではあるが俺の気持ちに気づいてるんだろう。だからこそ、任せてくれた。なら―――それに応えるのが筋ってもんだろう!


光の粒子となって消滅した三人を見届け、グランバルツに向き合う。


「さて‥‥‥正直、この魔法を使用するとは一切考えていなかったが‥‥‥見せてやるよ。ここから十分間だけは―――俺が最強だ!」


世界に満ちた魔力を収束させ、七剣魔法最後の一本を創り出す。


「七剣魔法―――()()()。(ダインズソーマ)」


黒と白の二振りが眼前に出現し、俺はそれを掴んだ。

瞬間、圧倒的な魔力が俺を包み、全身に活力が漲る。

その効果は俺の全ステータスの倍加。俺の所持する七剣魔法の性質付与の二点だけだ。

だが―――それだけで最強足りえる。


「シッ―――」


何もない空間を一振り。鋭い風切り音とともに、凄まじい剣風が吹き荒れる。


―――感覚は上々、あとは‥‥‥全力で叩きのめすだけだ。


俺の持つ魔力に威圧されたのかさっきから一切動かないグランバルツに向かって駆ける。


俺が動いたのを視認したからか、グランバルツは再起動を果たしたかのように動き出し―――その尻尾を薙ぐ。

その圧倒的な質量を前に、俺は―――


「ふぅ―――舐めん、なァッ!!」


下げた双刃を交差させて振り上げる。振り上げられた刃は尻尾の肉に食い込み、刀身が埋まり―――そこで勢いが止まる。

薙ぎ払いが完全に止まり、目の前にいいる龍から息が漏れるのが聞こえる。


剣に最大限の魔力と膂力を込め、刀身に魔力を流す。

瞬間、肉が焼き焦げる音と匂いと共に、光が漏れる。

俺は、そのまま剣を振り抜き―――一切の抵抗を許さず、その尻尾を断ち切った。


だが―――これを予見していたのか、グランバルツの口内から炎が漏れ、魔力が集まっているのが見えた。


「―――ッ、(アイギス・オーバーガーディアン)ッ!!」


吐き出される光の本流と結晶の盾が衝突し、殺しきれない熱が身を焦がす。


―――読み負けた。だが‥‥‥まだ終わりじゃねぇ‥‥‥!


刀身に魔力を収束し、今度は絶対切断の理を解放する。

そして、自分の周辺を剣で球状に切り裂き―――アイギスを解除する。


すると、瞬きするよりも早く光の奔流が襲い掛かる。が―――それが俺に届くことはない。

目の前の空間に光が吸い込まれている。正確には、俺が剣で展開した断絶空間の中にだ。


空間そのものを切り裂き、一切の干渉を禁止する。この技法を用いて、俺は一連の攻撃を防ぎ切った。


「正直‥‥‥自分の肉体を囮にしてくるとは思わなかったよ。おかげで負けかけた。やっぱ舐めプって悪い文化だろ。ってわけで‥‥‥こっからはガチだ」


世界が悲鳴を上げる。さっきまでとは比較にならないほどの魔力が、俺に纏わりつく。


「(瞬雷)、(ヴァーミリオン・ブレイズ)、(ダークウェア)、(統魔)、(錬気解放)」


全身を駆け巡る黒と緋。魔力の粒子が雷となってバチバチと弾ける。気の塊が蒸気として肉体から漏れる。まったく似合わない色が混じり、俺の全てがここで解放された。


‥‥‥目の前の龍の腕を失った部分から魔力が溢れ出る。そして―――切り飛ばした腕が蘇った。


「―――シッ!」


―――踏み込みと同時に息を吐き、加速と同時に剣を振りぬく。

刃が鱗を貫き、肉を抉る。


それに臆せず振るわれた爪が襲いかかり―――もう一本の剣で切り飛ばそうとする。


だがそれは―――拮抗した。


「マジ‥‥‥ッかよ」


クソッ‥‥‥流石に想定外何だがな‥‥‥。


少なくとも常時デュランダルと同じ切れ味‥‥‥っていうか概念を持っているはずなんだがな。


「まぁ、んなこと考えている暇がありゃ―――殴るんだがな。イフ、上空に転移。同時にアイギス・オーバーガーディアンを起動」


『―――了解しました』


宣言を受理されたのと同時に、左腕にかかっていた負担が消滅する。

正面には結晶が展開され、俺はそれを足場にして跳躍する。


魔力を収束、今度はクラウ・ソラスを起動―――!


二十二本の剣群が背後に浮かび、俺はその剣身をさらに後ろに展開した魔法陣の中に突っ込む。


「―――(ウェポンバースト)」


掃射。魔法によって加速された剣が突き刺さる。


『ギャルルォ‥‥‥』


声の覇気がなくなっている。弱々しい声が響き、俺は―――それを好機と見た。


「イフ―――今できる限りの最大の強化をかけろ」


『―――《無限の可能性(アンリミテッド・イフ)》の維持量を除いた全魔力を消費します。これを行った場合の残り時間は―――一分です』


「‥‥‥上々。そんだけあれば―――充分だ!」


『―――実行します。カウント・60、スタートしました』


その声を聞き届けた直後、俺は加速する。

強化された身体能力を生かし接近、連撃を叩き込む。


「ふぅ―――(氷結世界)」


連撃と同時に魔法を放ち、グランバルツの動きを止める。


―――音が聞こえない。だが―――それはきっと、悪いものではないのだろう。


「―――ッ、(氷結世界)!」


過剰なまでの氷で世界を包み、さらに動きを止める。


ミシリ‥‥‥ミシリ‥‥‥氷が割れるのが見える。

時間はもうない。だが―――次で決める!


「切り裂け世界、穿て龍!今ここに零の刃は解放される!ダインズソーマ―――最大出力!」


―――二刀は束ねられ、一刀へと圧縮される。存在を高められたその刃は、更に権能を束ねることでその究極の一太刀へと変化する。


「終わりだ‥‥‥終焉へと導け1!最大開放―――ダインズッ、ソーマァッッ!!!」















眼の前を極光が包み込む。限界まで高められたその一撃によって―――黒皇龍グランバルツは消滅した。


―――はい、滅茶苦茶サボってました。申し訳ありません。

ってわけでまずは解説。

《権能》:今話にて登場した単語。意味としては七剣魔法が持つ性質のこと。特に深い意味はない。どちらかというと自己暗示のような意味合いがある。


そして、ここからが本題です。

本作についてですが、これとあと一話をもって打ち切りとさせていただきます。

別に飽きたとかではなく、別のところに理由があります。

まず、この作品は一応私がま真面目に書いた処女作という立ち位置にあります。そのため、序盤の書き方とか納得いかなかったり、設定はある程度は考えられてたけど大雑把だったりい行き当たりばったりだったりと、一回書き直したいって思いが高まっていったわけです。それがリメイクなわけですが(現在削除済み)。

そのため、ちゃんと書き直したいっていうのと―――もっと経験を積んで自分の納得のいくものを作りたいっていうのが主な理由です。別の理由も一応あって、今書いているこの作品とは別に書いてみたい作品があったため、というのが別の理由です。


正直自分勝手ではありますが、それでもこれが一番納得がいくと考えたためこのような結論となりました。

あと一話も見ていただければと思います。

見ていただき、本当にありがとうございました。

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