第28話《お疲れ様》
―――終わったんだな。
解除された世界の中で俺は思考する。
目の前にはさっきまでの激戦が嘘だと思えるようなくらい戦闘痕がなく、強大な魔力の気配も感じない。
「―――つっっかれたぁぁ~」
魔力は底をつき、スタミナも限界を迎えている。
だが―――そんなものは感じられないと思えるほどすがすがしい気分だ。
そうして少し横になっていると、次第に疲れが取れていく。
「‥‥‥よし、こんぐらいあれば戻れるだろ」
ピョン、っと立ち上がり、フェルナのいる屋敷へ戻る。
あいつが、待っているはずだから。
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目の前にはフェルナがいる屋敷。そして―――正面にはガリウスさんがいる。
「―――どうも」
「―――ああ」
俺は笑みを浮かべ、ガリウスさんに話しかける。
「んじゃ―――これで条件達成、ってことでいいですよね?」
「ああ―――だが、正直今のこの状況が現実には思えんよ。あの龍は―――それだけの力を持っていた」
―――そりゃそうだ。あの図体に威圧感。普通の戦士じゃ勝てないはずだろう。ただ―――俺はチートクラスの大魔法を持っていたから勝っただけだ。
「‥‥‥ええ、それには俺も同感です」
「‥‥‥すまない、君にはまだやることがあるんだったな」
そう言って道を開けるガリウスさん。俺はその先を歩き、屋敷の入り口にて、その少女を見つける。
「―――ただいま、フェルナ」
「―――うん、お帰り。フィーレン君。それと―――お疲れ様」
この一言が聞きたいと思っていたんだ。彼女の笑顔が眩しくて、だから俺はあれに挑もうと思えた。彼女と未来に進みたいから、俺の全てをかけた。
「―――ありがとな、フェルナ。今の俺にとっては、最高の言葉だよ」
そう言って、笑みを浮かべ―――途端、意識が黒に染まる。
―――どうやら無茶をしたみたいだ。
そうして、俺は前に倒れ―――
「‥‥‥もう、ホントに頑張ったんだね。こんなになるまで頑張らなくてもよかったのに‥‥‥
。でもありがとう。そして―――本当にお疲れ様でした」
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―――これは、ゲームの世界で何も知らない俺が紡ぐ物語。本来と変わった世界で他の転生者達が阿鼻叫喚に陥る物語の―――その前日譚である。
―――本作を見ていただいた皆様に感謝を。
本当にありがとうございました。




