第19話《変化》
投稿遅れました。いつもの事となってきた最終日投稿。
ちゃんといつか20日位に投稿出来るようにします。
‥‥‥あれから二年、特に何もかも起こらず‥‥‥とはいかなかったが、なんとか今を過ごしている。
そして━━━俺は今は二人の少女と向き合っていた。
片方は『剣聖』シーラ。もう片方は━━━『賢者』である、リリア・エーデルワイス・ミストレイタ。
彼女とはこの二年の間で知り合い、それからの付き合いとなっている。
「さて‥‥‥準備はいいな?」
それに二人は頷き、戦闘態勢に入る。
━━━これは最近‥‥‥っていってもそこそこ前からやっている一対二の決闘だ。
「それじゃ、フェルナ。合図を頼む」
「うんわかった。それじゃあいくよ‥‥‥始め!」
俺は詠唱を始めるリリアを見て魔法を発動する。
「《剣製》━━━(ウェポンバースト)!」
一瞬にて生成された剣群が発射され、二人に襲いかかる。
「(斬魔の剣)、ハアッッ!!」
「《多重詠唱》━━━(フレイムランス)、(ロックブラスト)、(アイスウォール)!」
━━━が、難なく撃墜される。
「やっぱ一筋縄ではいかないよな‥‥‥《多重詠唱》━━━十連、(サンダーブラスト)」
魔法を放ち、その動きに合わせて駆ける。
「(瞬雷)、(統魔)」
自身にバフをかけ、村雨を構える。
「(シャドウゾーン)。‥‥‥(雷切)ッ!」
暗闇を生み出し━━━一閃。
「なっ━━━!?(ブレイドガード)!」
「遅いッ!」
シーラが防御するのよりも先に俺の刀が届くが━━━
「(テレポート)ッ!」
瞬間、目の前からシーラが消え、リリアの近くに現れる。
‥‥‥これだから賢者は厄介なんだよ。
━━━空間魔法。滅多に扱うものが現れないこの魔法だが、賢者だけは問答無用で習得出来る。
他人を転移させたりなど用途は様々だ。
「やっぱそれずるくないか?いやそもそも2対1の時点で俺が不利なんだが」
「仕方ないでしょう。普通に一対一だと負けるもの」
改めて俺は意識を集中させ、脚に力を込める。
「それじゃ━━━いくぜ!」
俺とシーラが同時に距離を詰め、そのまま剣戟に持ち込む。
剣がぶつかり合う。それを何度も重ねていると‥‥‥
「(フレイムアロー)」
シーラの後ろからフレイムアローが放たれ、俺に向かってくる。
俺は冷静にシーラの動きを見据え、隙を狙う。
「‥‥‥ここだ!」
攻撃の間を突き、魔力を通した脚で矢を蹴りつける。
脚に痛みが走るが、気にせずに攻撃を続ける。
「(ウェポンバッシュ)!」
「グッ‥‥‥!」
空中で回避ができず、剣で受けるがアーツの効果で弾き飛ばされる。
その時、前方に大きな魔力反応を感じ、目を凝らすと━━━
「荒れ狂え、生命の源よ。迸れ、大海の奔流よ。全てを飲み込み、仇なす敵を打砕け!(メイルシュトローム)ッッ!!」
巨大な津波とも思える水の嵐が襲いかかってきた。
‥‥‥正直これはマズイ。前喰らったときは一瞬で意識を持ってかれたんだよな‥‥‥。
まあ、対策は取ってるんだが。
「七剣魔法━━━第二刃、(レーヴァテイン)」
焔の魔剣が水を喰らい━━━爆発する。
事前にこのことを予想していた俺は目の前に剣群の壁を創り、爆風から身を隠していた。
「‥‥‥さあ、どうなる?」
警戒を切らさず、付近に意識を向ける。
「‥‥‥(剣聖・解放)」
「‥‥‥(賢者・解放)」
と、囁くような声が聞こえ、途端に空気が重くなり、世界が魔力で満ち溢れた。
「ここからが本番ってワケか。いいぜ。そのほうが面白い!」
「(ヴァーミリオン・アップ)、八連、(アイスマシンガン)、三十連、(サンダーブラスト)遅延・カウントスリー」
肉体に雷と炎を纏い、背後に大量の魔法を展開する。
「‥‥‥いつ見ても可笑しい量の魔法ね。まあ‥‥‥斬ればいいんだけど」
「いや脳筋思考止めろよ!?ってわけで(瞬間加速)!」
一瞬で距離を詰め、剣を振るう。
‥‥‥これが効かないのは分かってるが‥‥‥これどうやって倒せばいいんだろ?
ガキィッ!っと剣撃の音がなり、腕に思いっきり負担がかかる。
てか重いんだけど!?
ステアップ系かよこの形態!?
しかも賢者もいるんだろ?なら‥‥‥一瞬で勝負を仕掛けないといけないんだが━━━対応されてない攻撃ってあったか‥‥‥?
「燃え盛れ、緋色の獄炎よ。照らせ、黒き極光よ。(インフェルノエンド)ッ!」
ほら来た。
「チッ‥‥‥(アイギス)ッ!」
透明な結晶が一面に展開され、獄炎を防ぐ。
‥‥‥この後どうするかだが‥‥‥方法は無いわけではない。
だがなぁ‥‥‥これやると俺の隠し事がな‥‥‥。
あーもうこうやって考えるのが面倒くせぇ!
ここいらで一発やっちゃいますか!
「‥‥‥三連、(ダークアロー)。(ダークウェア)」
今まで封印していた闇魔法を解禁する。
闇の矢が空を走り、闇の衣が全身を包む。
「ちょっ‥‥‥なんで闇魔法を‥‥‥」
「そんな質問は後にして貰おうか。‥‥‥行くぞ」
強化された肉体は今までの速度を越えて剣を振るう。
その一撃は━━━シーラの剣を打ち砕く。
「‥‥‥嘘!?」
悪いな━━━と呟き、軽く蹴り飛ばす。
「ついでに‥‥‥お前もな!」
リリアに接近し、同じく軽く蹴り飛ばす。
「えっと‥‥‥終了!」
気の抜けた合図で勝負が終わる。
「‥‥‥だるかった。ってわけでお疲れ様」
「ええ、お疲れ様」
「うん、お疲れ様。あと‥‥‥さっきのアレ、なに?」
アレ‥‥‥まあアレだな。闇魔法ですね分かります。
「アレって闇魔法のことで‥‥‥いいんだよな?」
「そう。なんでそんなの覚えてる?」
「‥‥‥部分的な説明より全部説明した方がいいな。それじゃ‥‥‥来い、フェリアス」
魔力を通し、線を繋げる。
「‥‥‥お呼びでしょうか?」
「紹介するぞ。コイツは俺の従者であるフェリアス・ブラッドエンド。シーラとフェルナは‥‥‥見たことあるだろ?」
「ッッ‥‥‥あの時の魔族!?」
「なんで‥‥‥フィーレンくんが倒したんじゃないの?」
シーラからは若干の殺意。フェルナからは戸惑いを感じた。
「それなんだがな‥‥‥二年前、二人に話したことには嘘があったんだよ。本当は倒したあと、殺さずに味方にした‥‥‥ってことだ。まあ信用はされないだろうがな」
二人は黙り込み、リリアが口を開く。
「‥‥‥大体の事情はわかった。それにしても二年前にそんなことがあったんだ」
「‥‥‥それじゃ、先に闇魔法についてだが・・・なんとなく察しているだろうけど、フェリアスから教わった」
「やっぱり。‥‥‥今度私にも教えて」
「ああ、いいぞ。時間があったら俺の家に連れて行くから、そのときに伝えてくれ。‥‥‥で、二人とも、大丈夫か?」
そこそこ長い間固まっていたため不安に思い、声をかける。
「うん‥‥‥うん、大丈夫。その‥‥‥フェリアスさんはもう敵じゃないんでしょ?ならいいかな」
「私は‥‥‥納得がいかないけど、フィーレンがちゃんと抑えててくれるんでしょ?ならこれ以上とやかく言わないわ」
‥‥‥これは予想してなかったな。
正直もっと否定されるもんだと思ってたんだが‥‥‥。
「‥‥‥マスター」
「ああ。‥‥‥皆、フェリアスを認めてくれるのか?」
「「「うん(ええ)」」」
「‥‥‥ありがとう」
心が暖まる。今の俺は━━━光に満ちていた。
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「それじゃ、なんか質問あるか?」
その後、調子を取り戻した俺は、さっきまでのことで質問があるか聞いていた。
「それじゃあ‥‥‥なんで黙ってたのかな?」
フェルナからそう言われ、
「なんで‥‥‥か。まあ主に国から黙るように言われてたからだな。あと‥‥‥お前らとは敵対したくなかったからな」
皆は首をかしげるが‥‥‥
「俺は俺のことを知らないヤツから見たら魔族を従えているっていう特大の爆弾を抱えているんだ。暴走したら殺すしかないだろう?」
「‥‥‥」
「まあそんな気にすんな。そんなことはないからな」
その後は雑談に話が変わり、興味は薄れていった。
「‥‥‥それじゃ、今日はこの辺にしておこうか。じゃ、また明日」
「うん、また明日」
「‥‥‥また」
「ええ、それじゃあね」
日が暮れ、やることもなくなった俺たちはここで別れ、それぞれ家に帰る。
‥‥‥正直、フェリアスのことは話さなくてもよかったと思う。だけど━━━なんか嘘をつきたくないって思ったんだよな‥‥‥。
多分、これは良いことなんだろう。この気持ち、この思いはこれからも心に残しておきたい‥‥‥。そう、思った。
次話では主人公とフェリアスのステータスの公開と、リリアについて書く予定です。
今回も見ていただき、ありがとうございました!




