第10話《入学》
ルビが振れることにやっと気付きました。おかげで使いたい魔法とかスキルとかが実装出来ます。
あと、設定(職業)を更新しました。
では、本編をどうぞ。
‥‥‥結局あのあとゲームした。勉強全くやってねえよ!?
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と、言うわけでやって参りました入学試験。
俺はこの国の王都に向かい、試験会場でもある━━━王立基礎教育学校の中にいた。全容としては、校舎は前世の学校と比べてもあまり大きな違いはない‥‥‥材質は違うが。あとは、舗装された所がある。そこは、レンガのような見た目の校舎と比べると、このスペースははるかに広く‥‥‥校庭かそれに近い何かだろう。
俺が周囲の風景を見渡していると、入り口周辺がざわざわと騒ぎ出していた。何かあるのだろうか?
「お、おお‥‥‥あれが今代の《剣聖》か‥‥‥一目見ただけでもわかる。あれは俺達とは格が違うな‥‥‥」
「ああ、全くもってその通りだ。それに‥‥‥あの美貌!あれでまだ十二なんだから驚くぜ」
俺が喧騒の近くにいくと、男子が話していた。
《剣聖》、か。それに美人‥‥‥見てみたいが、それよりも急がないとな。試験まであまり時間がない。
そうして少し小走りになり、少しだけ時間を残して試験をする教室に辿り着く。
そこから少しすると、スーツ姿の教師が入って来た。
「生徒諸君、揃っているな?ただ今より、一次試験を開始する。制限時間は二時間、終わった奴らは退出し、二次試験の会場に向かっても良い。以上だ!では‥‥‥始め!」
開始の合図を聞いた俺は、眼前の問題用紙に集中する。
問1:この世界において最初に魔王を討伐した初代勇者、及びに聖女の名を答えよ。
これは‥‥‥初代勇者はリュー・カンナギで、聖女は‥‥‥レイラ・ライトクラウス、だったかな?
この二人は数百年位前の人物だ。リュー・カンナギ‥‥‥日本人っぽい名前だな。俺と同類‥‥‥じゃないな。もし転生者だとしたら、名前が日本人名ではないだろう。だとしたら‥‥‥テンプレを考えると召喚?もしくは日本っぽい国があるのか?
いや、今はそんなこと考えてる場合じゃないな。それよりも試験だ。
問2:六つの神の名と、それぞれの権能を答えよ。
これは覚えている。創造神アルテリアラで権能は創造、破壊神ディルクリアで権能は破壊、叡智神グリアーデで権能は叡智‥‥‥というか、神の名前がそのまま権能でもあるんだよな。
はい次。
問3:この国を含め、この大陸にある五つの大国を答えよ。
サービス問題ありがとうございます!
問4:この国の初代国王を答えよ。
初代国王の名前はアールナート・シャインライト。
この人物は武勇によって成り上がった人物らしく、今でも研究がされている人物の一人だ。
‥‥‥特に何事も無く二時間。一時間位前から退出する人が出てきたが、俺は何回も見直しをし、抜けや読みミスをなくすようにした。
「そこまで!諸君らは退出し、速やかに二次試験の会場に向かえ」
‥‥‥ふぅ、ようやく終わったか。さて、急がないとな。二次試験は実技だったか?なら余裕だろ。
ああ、そうだ。ウォーミングアップも兼ねて俺が出せる最速で行かせて貰おうか!
「(瞬雷)、(天駆)、(瞬間加速)━━━━そしてお披露目だ。(ヴァーミリオン・アップ)、(統魔)」
瞬間、俺の身体に雷が迸り、全能感に包まれる。一歩足を踏み出し━━━轟音が鳴り響く。世界が赤く染まっている。一瞬、腕を見ると、炎と雷が絡み合って━━━そこで目を外し、二歩目を踏み込む。
轟音がまた鳴った。そして俺は加速する。空を駆け、僅か数秒で目的地であろう所に辿り着く。
その場は静寂に包まれていた。いや、俺が静寂を作り出したのだろう。まあ、空から炎と雷を纏った人間が降りてくるんだから、当然っちゃ当然だが。
「あ━。二次試験の会場はここでよろしいでしょうか?」
「あっ、ああ。その通りだ。お前で最後か?」
「ええ。俺が部屋から退出した時にはもう誰も居ませんでした。ただ‥‥‥ここまでの移動時間が大体二十秒なので、俺の方が先に着いた可能性もありますね」
「そうか。分かった。それでは、後十分後に二次試験を始める!各自準備を進めておけ!」
周囲の人の気が引き締まるのを確認し、俺も準備を始める。
‥‥‥とりあえず武器はどうするかな。まずは二刀流をメインに立ち回るから‥‥‥適当に鉄剣でも創っておいて、緊急時用のナイフとダガーを四本ずつ、後は‥‥‥そうだ。《模倣》の応用で面白いことが出来るんだった。よし、やってみるか!
「《模倣》━━━レイズ・チェスター」
俺は衣服だけを模倣し、それを着る。これこそが、俺の編み出した方法。今まで俺は模倣をするときに、全体的な改変をしていたが、ふと、部分的な模倣も可能なんじゃないかと考え、実行したら‥‥‥うまくいった。
あと、実はかなり前にこの技術をしていた。ストレージの模倣は覚えているかな?これも部分的な模倣だったことに気がついたのは、部分的な模倣━━━めんどくさいから部分模倣とするか。それを習得して一ヶ月くらい経っていたな。
‥‥‥よし、準備完了。
それと同時に、試験官が口を開く。
「では、二次試験を開始する!二次試験の内容は‥‥‥一対一の決闘だ。あと、決闘中は特殊なフィールドが展開される。この中では体力はゼロにはならないため、思う存分戦うように。なお、この二次試験の結果は、入学にはあまり関係はないが、校内ランキングの参考にさせて貰う。対戦相手はくじ引きで決める。いいな!」
説明が終わり、くじ引きが始まる。俺の番号は‥‥‥163番。さて、呼ばれるまで待つとしようかね。
「163番!24番!出番だ。こっちに来い!」
‥‥‥どうやら俺の出番がやってきたようだな。さあ、相手のステータスを確認させて貰うか。えっ、卑怯?別にいいだろ。情報アドバンテージはかなり大きい。なら、それを得ないのはもったいない。
さて、《真理の魔眼・鑑定》
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N:シーラ・メイラーズ・ブレイドネス
J:剣聖
LV32
ステータス
HP【12046】
MP【2240】
STR【2104】
INT【970】
VIT【1400】
MIND【960】
DEX【1947】
AGI【1859】
《スキル》
《剣術LV7》
《魔刃LV4》
《体術LV4》
《心眼LV2》
《剣聖》
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‥‥‥驚いた。まさかこの年齢でここまでのステータスを持つのはほぼ無いようなものだ。俺という例外は置いておくが、間違いなく同年代で最強だろう。
‥‥‥だからこそ惜しい。俺の全力には届かないから、ほぼ俺が勝つだろう。だが━━━今回は少し舐めプをしようじゃないか。さっきやった部分模倣━━━それで俺のレベル20のステータスを模倣する。が、流石にスキルレベルは模倣出来ない。それをやったら俺に勝ち目が無くなってしまう。
レベル20の時のステータスの勝率は予想だが、六割か、予想より格上なら三割といったところだろうか。
そして俺はシーラ・メイラーズ・ブレイドネスの前に立つ。
「準備はいいな?剣聖」
「ええ、いつでもどうぞ。私は‥‥‥貴方程度には負けない」
「ハッ、思い上がりも甚だしいな。残念だが‥‥‥俺の方が上だ!」
煽る。向こうの戦意を掻き立て、全力で来させるように━━━そして、俺は笑みを浮かべた。
「ふむ、これも一興。では、存分に戦え!では━━━試合開始!」
俺は様子見にナイフを二本投げつける。シーラはそれを難なく切り伏せ━━━接近してくる。
バックステップで少しでも距離を取り、抜剣の時間を得る。取り敢えずは剣一本。
振りかぶられた刃に対して俺は剣を振り━━━弾き返す。
ガキィン!と、鉄がぶつかる音がなり、俺は弾いた勢いそのままに返しの一撃を叩き込む。だが、容易く避けられ、向こうもまた反撃を仕掛けてくる。
「セァッ!」
上段からの袈裟斬り━━━ここであえて防御せずに回避。
そのまま追撃を仕掛けてくるが━━━狙いは剣の腹、そこ目掛けて回し蹴り!
「オラァッ!」
ガァン!
軌道をズラし、回し蹴りの回転を生かした回転斬りを放つ。
「くっ!?」
チッ、ガードされたか。なら今度は━━━!
「(アイスマシンガン)、(統魔)、(アイスブラスト)!」
軽く魔法で様子見。どう対処するかでこっからの戦法を調整しないといけなくなるが‥‥‥どうだ?
「‥‥‥(斬魔の剣)」
魔法に向かって剣を振る姿‥‥‥ああ━━━。そういうタイプね。こいつ魔法無効型かよ‥‥‥いや、斬らないと意味は無いようだが、曲がりにも剣聖。手数がないと意味がないな。
‥‥‥よし!もうちょい頑張ってみるかね!
「さあ、そろそろギアを上げていくぜ!(瞬雷)、(ヴァーミリオン・アップ)ッ!!」
「なっ━━━。これまで本気じゃなかったの!?」
「‥‥‥いや?俺はいつだって本気さ。ただ‥‥‥全力を出すだけだ!」
二刀流を解禁、姿勢を低くし、全速力で突っ込む。右の剣で切り上げ、一回転して左で横薙ぎを放つ。二回とも防がれ、体勢が崩れた所に攻撃を喰らいそうになるが━━━すぐさま右の剣を振り下ろし、弾く。
余裕を持たす為に一旦離脱、思考を纏める。
‥‥‥はぁー、ふぅ。よし、落ち着いた。とりあえず今の対峙で分かったことは、シーラはカウンター、アタックの両方のうち、片方を得意とする訳じゃなく、両方を等しく扱えるタイプだ。そして、やはり技量が高い。油断したら一瞬でやられる。
‥‥‥魔力が減ってきたか。継戦可能時間は‥‥‥あと300秒。5分でケリをつける‥‥‥ハッ。やってやろうじゃねえか。
‥‥‥方法はある。なら、最適解を見つけ、動くのみ━━━ッ!
「《百重詠唱》(アイスマシンガン)、連続して‥‥‥《百重詠唱》(サンダーバースト)」
背後に魔法陣と雷の塊を出現させ━━━
「━━━射出。(瞬間加速)」
視界が二色に染まり、俺はその中を駆け抜ける。魔力を確認、残量は一割。戦闘可能時間は32秒。
━━━一気に勝負を決めよう。
高速で接近し、二本の剣を振るう。俺の魔法に対処しようとしていたシーラは俺の攻撃に反応している余裕はないが━━━途端、魔法を防御することをやめ、俺の剣を防ぐ。
少なからず魔法が被弾しているが、俺の攻撃の方がダメージが大きいと判断してのことだろう。
━━━ぐっ、やっぱり魔法に当たるのは辛いな。シーラに魔法が命中しているのなら、俺も等しく魔法に当たっているということだ。だが、ここで立ち止まったりしたらダメだ。シーラはその一瞬の隙を突いてくる。
━━━残り25秒。魔法の雨を切り抜け、更に剣を振るい続ける。速く、もっと速く。攻撃の間隔を詰めろ。反撃を許すな。
━━━残り20秒。繰り出された斬撃の数は百を超えた。だが、まだ一発も当たっていない。そのことごとくを防がれる。
━━━残り15秒。どうやら今の俺じゃ勝てないらしい。だが━━━まだ負けていない!
一旦バフを解除し、魔力を残す。そして連撃を止め、風を纏わせた一撃を放って十数メートル弾き飛ばす。
準備は出来た。いくぜ!
「《模倣》━━━『心は決して潰えない。幾千、幾万を越え心は無限。誰一人交わることのない世界が確かにあった。幻想を生き抜く勇者、敗北を許されない英雄、未来を変える賢者、祈りを捧げる聖女、今を謳歌する学生。その全てがここに。たとえ偽者だとしても━━━俺達は共に在るッ!!』━━━━━━━━━━《偽体・無限の可能性》ッ!!」
世界が侵食され、創り替えられる。昼間であった空は夜空になり、俺の後ろには無数のカードが現れる。
その中の一枚に触れ━━━
「事前に情報は得ているとはいえ‥‥‥こうして会うのは不思議なものだ。で、あれが敵のようだな」
「ああ、そうだ。それと━━━頼りにしてるぜ!」
「ふっ、任された!」
黒髪青目の青年が現れ、シーラの方に向かっていく。その男は白と黒の二本の剣を持っている。その銘はシュヴァルツ・ヴァイス。そして名は━━━ソーマ。
おっと、見てる場合じゃないな。俺も行かないと。
「《模倣》━━━《連断縮地》」
俺の身体が物理法則を越えて加速し、ソーマを抜いて抜刀を届かせる。シーラが防御したのは見えたが━━━手応えは一切感じていない。だって━━━俺の剣はシーラの剣を砕いたのだから。
「今だ!ソーマ!」
「了解した!《黒白の龍撃》!」
無防備となった彼女に龍のアギトを模した黒と白の一撃が命中する。その一撃は戦闘を終了させるには十分な火力を持っていて━━━俺の世界が終わりを告げる。
「今回はありがとうな!ソーマ!じゃあ━━━また今度!」
「うむ。私も楽しいひとときを過ごせた。こちらこそ感謝を。蓮」
そして、ソーマが光の粒子となった。
「‥‥‥そこまで!それでは、163番と24番は退場してくれ。試験結果は一週間以内に自宅に送られる」
「了解です」
一方、シーラは何も言わなかった。まあ、俺に何か思うことがあるのだろう。
「‥‥‥ねぇ。」
どうやら話しかけてきたようだな。
「ああ、なんだ?」
「どうして━━━どうしてそんなにも強いの?」
「決まってんだろ。俺があんたよりも努力していただけだ。ただ一つ言うとするならば━━━俺も反則技を使った。だからこの結果には納得なんてしてねぇよ」
そう、あの技━━━《偽体・無限の可能性》は俺という人間の全てを表す技だが━━━俺の中ではチート技だ。魔力がある限りゲームアバターとしての俺を召喚出来るのはふざけている。
「どこが納得していないのよッッ!!私に勝ったくせして!」
シーラの顔には激情━━━怒りが読み取れる。
だが━━━それでも俺は言う。
「俺は俺だけの力でお前を倒せなかった。だから納得していない。ただそれだけだ。ああ、そうだ━━━次は完勝する。それまで首を洗って待っていろ」
俺は逃げるようにそこから立ち去った。
《解説》
《偽体・無限の可能性》
主人公の奥義。本来なら、この魔法は成立することがないが、《模倣》を使用することによって使用可能になった。
主人公曰くチート。その内容とは、主人公がやっていた全てのゲーム、読んでいる小説のなかで、ステータスが設定され、なおかつ知っているキャラであれば召喚出来るという技。その中でも《模倣》により発動されているため、自分のキャラであれば魔力消費量が少ない。
元ネタはどこぞの弓使いが使う無限のアレ。
《ソーマ》
主人公のキャラの内の一人。黒と白の二色を基調とした装備をしている。高身長で見た目は普通にイケメン。爆発しろ。
武器はシュヴァルツ・ヴァイス。黒と白の双剣で、サブ武器として二丁拳銃を持っている。




