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海の民と南海の風  作者: うにまる


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第十六話

 リーグとリーナは慣れた感じで砂浜を歩き木が生えている場所に向かった。桟橋にいた男性もついてきてリーグに滞在予定などを聞いていた。


「今回はちょっと状況の確認もしないとまずそうなんだ。滞在は二日か三日を考えてるんだけど流動的かなー。ヘルムさんたちのパーティの調子は?」


「うちか?……まぁ変わらんなぁ。魔石は結構でるんだけど管理が面倒だし……流石に切身ばっかりは飽きる。たまに貝柱が出て酒のツマミだな」


 ヘルムと呼ばれた男性は調子とは違う話を始めた。


「そっかー、王国だとお肉とかも落ちるらしいけど……ここはトンガリの切身だもんね。貝柱って事はパールは集まった?」


 リーグは慣れた感じで話をスルーしてパールの在庫数を確認した。


「パールはいつも通りかなぁ。他のパーティも似た感じだ。でもあれだ、夏本番が近いからトンガリが増えてて正直なところ亀裂の外でもたまに襲ってくる」


 リーグの質問にいつもの返しをヘルムはした。もともと予定していた収穫は得ているのでヘルムとしても今回の遠征は十分に見込み通りだった。


「ここに来るまでの航路でも小集団は多かったかな。で、もう直ぐ戻るでしょ? 迎えの船って予定どうなってるのか気になってるけど知ってる?」


「迎えの船?……もうそんな季節か。ていうかリーグのその口調だと迎えの船に問題ありそうに聞こえるんだが……何か問題が起きてるのか?」


「そこが分からないんだ。リーナの話だとリフールにゼナさんとデンさんがいないみたい。でもさ……先導の話が俺のところに来てないんだよね」


「マジかよ……マジやばいやつじゃん」


「だよねー。ここに二日の滞在だったらリフールで準備期間は四日は取れるから状況を聞いてリフールで船の手配をしようと思ってるよ」


「分かった。ネガに話してリーダを集めてもらう。いつもの木の下に拠点作るだろ? そっちに集まるように手配してくる」


 ヘルムはリーグに冒険者パーティのリーダを集めると話し駆け出した。


「あっ……木箱を持っていってくれればいいのに」


「渡し忘れたのリーグでしょ? いつもの場所に来てくれるみたいだし拠点作っちゃいましょ。私は焼いた魚とエビが食べたいかな」


 リーナは軽く突っ込み拠点用の荷物を持って先を歩き始めた。


「ずっと生身か湯通しだったから焼くの良いね」


 リーグはリーナを追って足早に歩き始めた。まだテントなど野営用の道具は小型帆船に残っているので手早く作業する事にした。


 野営拠点を設置したリーグは小型帆船に戻り手早くスピアと網袋を持って海に飛び込んだ。水中探査を発動して暗礁を確認した。


 行く場所を決めると探知に切り替えて周囲の警戒も行った。先ほどトンガリが出てきてると情報を得たからである。海中だと対処が面倒な相手だった。


 暗礁でエビを四匹と中型の根魚を仕留めると海から出て野営拠点に向かった。


「エビが四匹獲れたよー」


 拠点のローチェアで編み物をしていたリーナが顔を上げ「お疲れ〜」と返事を返し立ち上がった。置いてあった木箱がないので無事に渡せたようだった。


「夕食の後に顔を出すってベルクさんが言ってたよ。オガミさんのパーティは亀裂に入ってるみたいで戻ったら声かけてくれるみたいだった」


 加熱魔道具に鍋を置いてお湯を沸かす準備をしたリーナが話を進めた。


「雰囲気的にどうだった?」


 集めてあった木切れを組んでリーグは焚き火を熾した。魚をザクザクと切身に変えリーナに渡した。エビも殻を剥いて身を皿にならべ殻をリーナに渡す。


「んー、まぁいつも通り? 船が来れば良いだけだからねー」


 リーナの返事は想定の範囲だった。リーグは荷物から着替えを出して木陰で全身丸洗いをして水分を飛ばして着替えた。


 荷物からヘキサタープを取り出して設置しロープを一本だけ木に繋いだ。ロープに脱いだ服を吊るしてた。タープの下にドームテントを組み立て設置した。


「よし! これで野営拠点は完成だ」


 リーグは焚き火を確認し木切れを足して熾火の生産を始めた。荷物から鉄串を取り出してエビや魚の身を挿し込んで焼く準備を始めた。


 風に漂って美味しそうなスープの匂いがしてきた。焚き火を確認して鉄串を地面に挿して焼き始めた。夕陽の色が周囲を染めてきたので灯光魔道具を起動した。


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