表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
74/94

第71話 学生プレイクラブへの入会


ウルルス高専から歩いて5分程の学園通り駅のホームで、ケン=マッケンジーとハイド=ノワールは大型魔動車(市電)に乗り込む。

あまり目立ちたくなかった2人は、学校を出て直ぐに校章バッチを外している。

この世界では、ほとんどの学校に制服がない。

2人の服装は、いつも着ている学校に通う普段着だから、顔見知りでもなければウルルス高専生とは気付かれないだろう。

車両側面にある赤いロングシートに2人は並んで腰掛ける。

乗客の数は少なく、その中に知り合いがいないのを確認すると、ハイドはケンに小声で話しかける。


「ケンの後のサブメンバーは、今度3年になる生徒の中から選ぼうと思っている。もう候補は2人までに絞っているが、2年生に生徒会の手伝いをさせる訳にはいかない。悪いが3年の後期の最後まで、生徒会に籍を置いていてくれると助かる」


「それくらいはいいけど、後輩じゃ無くてせめて同級生とか、いっそ先輩の中から選んだほうがいいんじゃないか? 僕が言うべきじゃないかもしれないけどな」


同じようにケンも小声で話す。

先程の生徒執務室での様子を思うと、よほど肝の据わったサブメンバーを選らばなければ、生徒会長の抑え役がいなくなってしまう。

ハイドは優秀だから、それでもいいかもしれないが、選ばれた下級生は色んな意味で大変だろう。

それを解っているハイドは、少し投げやりな様子で答える。


「俺の見るかぎり、適当な人物がいない。俺に忠告出来るメンバーがいなくなるのは確かに問題だが、口だけしか動かない腰の重い奴よりは、大人しく指示に従ってくれる方がまだましだ」


ハイドにそう言うなら、これ以上は生徒会を去るケンが言うべきでは無いだろう。

例え何か問題が起こったとしても、その責任を取るのは生徒会長である彼自身なのだから。


「まあ、ハイドが気を付ければ済む話だしな。それじゃあ後任への引き継ぎは無しか?」


「そうなるな。7月の始めにその事を他の生徒会メンバーには正式に発表する。それ以降は、特別な場合以外は生徒会に顔を出さなくていい。本来は、それまでに仕事の引き継ぎをするべきなんだが、ケンの話をまともに聞く気が無い相手にそんな事をしても非効率的だ。今までの仕事の内容をレポートにまとめて俺に提出してくれ。それを後任に渡す事で引き継ぎとする」


「了解した、6月中にまとめるよ。その方が正直助かる」


事務的な話が終わると、2人に会話は無くなる。

今から5分ほどすると、大型魔動車は学生プレイクラブの最寄り駅に到着するはずだ。

見慣れた車窓に映り行く景色を眺めているハイドに対して、ケンは目を閉じて腕を組んで何か考えているようだ。


ケンが考えているのは、これから行く場所の事では無い。

成人後のパートナー選びやプレイに付いてである。

考えてみれば、ケンはしばらくの間、どこかの町や村に定住するつもりは無いのだから、特定のパートナーを選べない可能性が高い。

例え移送魔術をスキル化して距離の問題を無くしても、社会的に3流以下の冒険者のケンを相手にしてくれる人間族を探すのは苦労するだろう。


いっそのこと、パートナーを決めずに遊廓ゆうかくを利用する方がいいかもしれない。

ゾンメル教徒であるケンとしては不本意だが、その程度の事は納得しないと駄目だろう。

何せ自分の夢は特殊過ぎて、人には理解されないのだから。



ケンとハイドは大型魔動車から降りて、入会案内に書かれてある地図を見ながら学生プレイクラブまでの道のりを歩く。

駅から少し距離のあるその場所の前に着くと、2人は立ち止ってその建物を見上げる。


学生プレイクラブのある建物は、公共施設なので敷地はそこそこ広くて駐車場もあり、飾り気のない薄茶色の四角い形状をしていて、日本のでいう7階建ての単身者用のマンションに似た造りになっている。


入会案内に書かれている内容によると、部屋数は多くて100室以上はあるが、各部屋がバストイレ付のワンルームの間取りで、家具はダブルベット以外は大した物は置いていない。

1階部分にはホールと事務室と案内所と2つに分かれた大きなロビーがある。

事務室と案内所が開いている時間は午後2時から夜9時までで、そこで入会登録や斡旋あっせんをしてもらえる。

ただし、各部屋は24時間使う事が出来るので、前もって予約して鍵を借りれば、ロビーで待ち合わせをしなくても利用出来る。

1階のロビーには、緊急連絡先にしかつながらない音話と公衆音話が設置しているので、不測の事態にも対応出来る。


利用者の義務としては、簡単な掃除やシーツの交換を自分達でする必要があり、何回か違反すれば罰金、酷い場合は会員登録を取り消されるので、部屋は清潔に保たれている。

それでも気になる人は、浄化魔術を使えばいいだけだから、ほとんどの未成年の学生達がここを利用している。

首都ネオジャンヌには、高校や大学の近くにこのような施設が合計3カ所あって、政府からの委託業者の手によって大きな問題もなく運営されている。

3つの施設のどこに入会しても同じクラブ会員になり、会員になればどの施設も利用可能だが、斡旋あっせんは1カ所でしか受けられない仕組みだ。


ちなみに、学生プレイクラブ以外にも、パートナー斡旋所と呼ばれる事務室とロビーや案内所だけしか無い公共施設が存在する。

大人になったら、そこを利用してパートナーを見つける人間族も多い。

この学生プレイクラブがほぼ未成年限定なのは、成人後は成年自立手当があるので、パートナー斡旋所を利用し、紹介してもらった相手とのプレイは自分達の家やホテルを利用しろという理由からだ。

だからこの場所は、一部の例外を除いて10歳から14歳の人間族しかいない事になる。



それはともかく、ケンとハイドはお互いに顔を合わせて頷くと、入り口に向かって歩き出す。

玄関ホールを抜け、誘導看板に従ってまずは案内所に向かう。

『総合案内』と書かれているプレートの下のドアは開放されていて、中はそれほど広くない個室の様だ。

手前には書類記入用のカウンターテーブルが一台あり、奥には人間族の女性事務員がカウンターを挟んで1人だけ座っている。

2人が彼女の前に立つと、「本日は、どのようなご用件ですか?」と事務的な言葉が返ってくる。


「初めて来たんで、説明を聞きたいんですが」

ケンがそう言うと、「お2人とも魔力体が安定して2年以内か、未成年の方ですか?」

と確認してくる。

2人が肯定すると、「学生プレイクラブへようこそ。あなた達は入会資格があります。入会案内に書かれていた説明はご覧になりましたか?」と、彼女はスマイル0ギルの笑顔でカウンターに入会規約と書かれた書類を2部置く。


もちろんこれも肯定すると、「何か質問はございますか? 詳しい事は入会規約に書いてありますから、それに目を通していただいた後でも構いません」

ケンとハイドは、入会規約を受け取って、カウンターテーブルの前に行き、内容を一読する。

同性同士のプレイ禁止とか、具体的な罰金の金額等の細かい内容はともかく、特に目新しい物は何も無かったので、再び彼女の前に行き、

「特にありません。もし何かあったらその時に質問します」と、ケンは答える。


「今日ご入会されますか? 学生証か身分証明書、入会金5000ギルと今月の利用料1万ギルをお持ちなら、すぐに手続きして利用出来ます。6月16日以降でしたら今月の利用料は半額になりますので、そうされても構いませんよ」


貧乏性が出たケンは、ついハイドの方を見るが、

「俺は10日近くも待つつもりはない」と言われ、「…そりゃそうだ」と納得する。


「それでしたら入会申込書と男性用の会員証をお渡しいますので、記入してから提出して下さい。その時に料金と証明書を確認いたします」


事務員から入会申込書を会員証を渡されたケンはカウンターテーブルの上にで用紙を置いて、内容を確認しながら書き込む。

会員証は青色のカードで、既に会員番号が書かれていて、ケン達は名前と生年月日しか記入する必要はないが、女性用は赤のカードだから実際は性別も一目で分かる物だ。

パートナー選びの際には、お互いが会員証を確認して、事務室で会員番号のチェックを受けてから部屋の鍵を借りる必要があると規約に書いてある。


入会申込書には、名前、性別、生年月日、住所、所属先(学校名)、身長、ギフト名、最大魔力値、髪の色や瞳の色なんて事まで書く必要があるようだ。

新規登録者はこの内容がロビーに貼り出されるので、個人情報保護なんてあったもんじゃないだろう。

最後に宣誓欄にサインし終わると、ケンはホッと一息つく。

ハイドを見ると書き終わっているみたいなので、2人はお金と学生証を添えて事務員に持っていく。


入会申込書に目を通した事務員の女性は、

「あら、お2人ともウルルス高専生なんですね。それでしたらすぐにご紹介出来ますよ」

と言って、にっこりと笑う。

大方の予想はつくが、ケンは念のため質問する。


「どういう事ですか? まさか、学校限定で希望している女性がいるんですか?」

「いいえ、最大魔力値が高いお相手を希望されている方は多いですが、学校限定の方はほとんどいませんよ。ウルルス高専の方なら最低でも1000以上ありますから、全員が対象になりますね」


(やっぱりいるのかよ! 個人の趣味なんだから仕方ないけど訳が分からん!)

内心でそうは思うが、彼女に文句を言っても仕方がない。

「それで、どうやって決めるんです?」

ハイドの質問に、彼女は黙って立ち上がり、後ろにある書棚から分厚いファイルを2冊取りだすと、ドスン!という音をさせてカウンターの上に置く。


「この紹介ファイル中から選んでもらえれば、ほとんど間違いなくマッチング出来ます。顔写真や自己アピール付きですから参考になりますよ。もし希望されるなら、お2人の分の紹介ファイルを作る事が出来ますよ」


「いりません」

「必要ありません」


彼女は2冊の紹介ファイルをチラリと見て、「確かに必要ありませんね」と笑う。

それから魔術刻印を刻んだ会員証を2人に返却すると、

「会員証は、当施設をご利用の際は必ずお持ちください。それから、紹介ファイルは複写も持ち出しも禁止ですので、ここでお読みください」と説明する。

紹介ファイルを手に取った2人は言葉も無く、それぞれが表紙を開いて中を確認する。


紹介ファイルの中身は、一言でいえば履歴書の束であり、一冊に付き恐らく200人以上の情報が載っている。

首都ネオジャンヌに住む10歳から14歳の人間族の人口は、他所から来た学生達を含めると1万5千人くらいはいる。

その内の約4割程度が学生プレイクラブに入会しているので、この施設を利用している女性は1000人程だろう。

つまり、その内の4割以上が最大魔力値の高い男性を希望している訳で、何でそうなるかが分からない2人が困惑するのも無理は無いだろう。


そもそもパートナー選びは、よほど嫌いでなければ、相手との魔力体や肉体の相性が合う事が重要とされていて、次に性格の一致が大事であり、知性や能力はあまり意味がないとされている。

だったら何故かというと、何の根拠も無い女の子達の噂話から来ている、身も蓋も無い理由からだった。

『最大魔力値の高い男性とのプレイは気持ちいい』なんて下世話な理由だから、2人が知らないのはかえって幸運かもしれない。


そんな噂話好きの欲望に忠実な女性達は、下は10歳から上は成人している人までいて、紹介ファイルに書かれている文字や自己アピールの内容も、真面目な物から頭の悪そうな物や受けを狙った物まで様々だった。

400人以上の中から選べるのだから、まさにより取り見取りともいえるが、ケンは見るだけでお腹いっぱいになってしまった。

ハイドの方を見ると、げんなりという顔なので、だいたい似たような気分なのだろう。


ケンはたまらず、「他の方法は無いんですか?」と、彼女に尋ねる。

「それでしたら、ロビーで待機されて見てはいかがですか? 入り口近くの青いソファーは待ち合わせ専用ですが、奥の広い場所にある赤いソファーに座っている方は、パートナーを希望されている方達ですよ。実際は、直接顔を合わせて決められる方が多いから、お勧めですよ。それで双方が合意すれば、会員証を提示して会員である事を確認し、この部屋の横にある事務室に行くと鍵を貸し出してもらえます。鍵の返却は次の日までにすれば問題ないですし、返却ボックスを利用されれば時間外での返却も可能です。もし直ぐにプレイを希望されるなら、その方がいいかもしれませんね」


そういう意味で尋ねた訳ではないのだが、訂正するのもおかしい気がする。

それに、今の2人の状態ならその方法もいいかもしれない。

何せ2人は、今はちょっと性欲が強いのだ。

ケンは思い切って尋ねてみる。


「あの、僕達は特定のパートナーを決められないんです。それこそ、多くの女性に相手してもらわないといけない状態なんです。ですから、このファイルから選ぶにしても、相手が納得するんでしょうか?」

それを聞いて直ぐにピンときた彼女は、うなずいて事務的な笑顔で答える。


「お2人とも魔力体が安定したばかりで、発情周期が不安定な状態なんですね? それでしたら、紹介時にきちんとお相手に説明しますから全く問題はありません。それに、あくまでも双方の合意が大前提なので、例え予約をしていても、会って気に入らなければその場で断っても失礼には当たりません。逆に相手に断られても気にしないでください。それがここの暗黙のルールです」


「それで、トラブルにならないんですか?」


「無いとはいえませんが、そんな方は退会していただくだけです。もし何かあったら、この総合案内所や事務室に来ていただくか、緊急呼び出し用の音話で連絡して下さい」


ケンがその説明に納得すると、続いてハイドが追加の質問をする。


「例えばですが、毎日予約を入れても構わないのですか? 時間の調整とかもあるでしょうから、マッチングは手間だと思いますが?」


「その場合は、何人かの候補を選んでいただき、こちらに一任していただくのが普通です。ノワールさん達の様な状態の方は、数は少ないですがおられますので、この対応は特別な物ではありません。あらかじめ時間を指定して30人ぐらいの候補を選んでいただければ、1週間程度の予約くらいは出来ると思いますよ。実際にプレイして相性がよければ改めて予約していただくか、新しい相手を選ぶのかをその都度決めてください。状態が落ち着くまでは、そうされる方が良いと思います」


ハイドは大きな溜息をつく。

気は進まないが、あてもなくロビーで待つより、その方がよほど合理的だろう。


「ケンもそれでいいか?」

「…そうだね、断られたらロビーで待てばいいだけだし、アドバイスに従うよ。…それにしても30人か。ハイドはどんな基準で決めるんだ?」

「俺の場合は、紹介ファイルを見て適当に決める。一度会えば好き嫌いが分かるから、数をこなす方がいいだろう」

「ハイドの派生能力は、こんな時はすごく役に立つよな。…そうだ! 選び終わったらロビーで待機してみないか? 初めての相手くらいは、お互い好意を持っていた方がいいだろ?」

「俺はどっちでもいいが、そのアイデアは面白そうだ。まだロビーに紹介が貼り出される前だから、今日中なら俺達の存在は知られていない。ウルルス高専生という肩書無しで、相手に認めてもらえるかどうかも興味がある」


2人は笑い合うと、今度は熱心にファイルに目を通して行く。

履歴書には会員番号があるので、気になった相手の番号をメモに書いて行く。

何となくだが、パートナーが重なったら嫌だとお互いが感じている。

もちろんそんなのは規則違反でも何でも無いが、相手と同じ女性を選ぶくらいなら、ケンもハイドも早い者勝ちやクジ引きで決めるかもしれない。


お互いがファイルの交換をして、半分以上の女性達の履歴書に目を通し終わった頃、ケンの目線が彼の好きなリエリス=キュンメに似た女性の顔写真に留まる。

書かれている内容が彼女と全然違う事を確認すると、苦笑して次の履歴書に目を通す。



恋人としてならともかく、ケンはキュンメとパートナーになるつもりはない。

時間が無いとか、彼女に断られるかどうかは別として、体を重ね合えば彼の能力は彼女にばれるだろう。

もちろん条件さえ許せば、恋人にもパートナーにもなりたい気持ちはあるが、彼は性欲と恋する気持ちを分ける事が出来る。

ただし、若い間に心から好きな女性と恋人とパートナーを兼ねる関係になるのは、自分の性格からいって危険だとは思っている。

姉のマリとヨシトの別れを間近で見ているので、年を取って成長するまでは結婚とかは考えないように常に心にブレーキをかけている状態なのだ。


世間から軽蔑されても自分は構わないが、心から好きな相手に苦労などさせたくないし、たった100年待てばいいだけである。

ただでさえ冒険者の道を選んで家族に心配をかけるのだから、せめてそれくらいは自重しておかないと、自分自身を許せなくなるとも思っている。

それに加えて、レクサとの『決闘』にこだわるならば、レクサと約束した90歳までは人間族として立派に生きる必要があるとケンは考えている。

若い間は冒険者として生きるマイナス要素もある上に、人間族の社会に認められる結婚も出来ないのだから、相当頑張らないととてもレクサにはかなわないと考えているのだ。

世間から軽蔑されてもいいと思いながら、出来るだけ社会に認められる生き方をしようとするなんて、相変わらず矛盾した考え方だが、それこそがケンらしいといえるだろう。



ケンとハイドは30分くらいかけてパートナー候補を選び出した。

履歴書に書かれていた会員番号を記したメモを照らし合わせてみると、見事なほどに重なっていない。

ハイドは感心してケンに尋ねる。


「1人も重ならないとはな…、一体どういう基準で選んだ?」

「ハイドが詳しく言うなら僕だって言うさ」

「俺は、出来るだけ違うタイプの女性を選んだつもりだ。年齢や身長や魔力値や学校や自己アピ-ルを見て総合的に判断した」


実に彼らしい決め方だ。

多様な経験を積む事を重視したんだろう。

ケンも約束通り説明する。


「僕は見た目で10人、面白そうな事を書いている女の子が10人、それ以外はカンで決めた」

「実にお前らしい。だが、ケンの女性の好みは理解出来ん」

「何でだよ?」

ハイドはメモに書いている番号を指し示す。


「例えば、この1034番だ。自己アピールに、ふざけたポエムを書いていた奴だぞ。『ラブラブな私のハートは…』とか、俺は思わず紹介ファイルを破りたくなったぞ」

「ハイドだって、3055番なんて選んでるじゃないか。『舞い散る粉雪の様な私の心は、永遠の楽園にとらわれた罪人』とか、訳が分からんだろ」

「何言ってる? 面白いじゃないか」

「…趣味が合わなくてよかったよ」

「全く同感だな」


そんな話を聞いていた女性事務員がクスクスと笑っているのを見て、2人はバツが悪そうにメモ用紙を提出した。


「確かにうけたまわりました。明日のこの時間以降なら1週間の予定表をお渡し出来ますので、事務室の方で受け取ってください。予定変更も全て事務室で行ってください。事務手続き以外の相談などは、こちらで受け付けております。本日は以上でよろしいですか?」

「「はい」」

息があった返事をして、ケンとハイドはそそくさと総合案内所を後にした。



手続きを済ませた2人は、これからロビーに向かう。

パートナー選びが順調にいけば、今日が学生プレイクラブの初利用日になるだろう。

つまり、2人のモテモテ度が試されるという訳だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ