第52話 ケンは孤児院に行く
早いもので、ケン=マッケンジーがヨシト=ウッドヤットに弟子入りしてからもう2年が過ぎていた。
今日は年が明けて1月14日、惑星ルミネシアでは全世界的に冬の季節である。
彼は去年の12月に12歳の誕生日を迎えていた。
その日は、姉のマリが両親をこの街に連れて来てくれて、ささやかだが誕生日のパーティーがヨシトも参加して開催された。
それが最近一番嬉しかった出来事である。
11歳の誕生日は、姉が仕事で忙しくて両親とは会えず、実に1年半ぶりの再会だった。
彼は、体調の悪さを隠す為とお金を節約する目的で、実家にはなるべく帰省しないようにしている。
まだ、詳しい事情を話す訳にはいかないし、ヨシトの診察を受けている状態では長居は出来ない。
もし、実家での滞在中に体調を崩せば、両親は非常に心配するだろう。
そこまでして帰るよりは、ここで修行していた方がいい。
師匠であるヨシトと姉のマリとも相談して、そう決めていた。
一方、ウルルス高専の進級は問題無く出来ていて、2年生になっていた。
ヨシトとの修行は順調だが、学校での総合成績は、予定通りとはいえジリジリ下がって来ている。
もちろん、学校では友人と呼べる人は相変わらず1人もいない。
だが、彼の心には余裕がある。
職員室に入り浸った結果、ウルルス高専の卒業に必要なレベルをもう完全に把握しているので、教師達に不審を抱かせない様な成績を残しつつ、卒業の目途が立ったからだ。
これで、学科以外は落第の心配が無くなったといえる。
それに、3年になったら少なくても無視される事だけは無くなるだろう。
つまり、全てが予定通りに上手く行っている。
その上、予定以上の事もあった。
3日前、ヨシトがケンに説明してくれた話は、
『2年間よく頑張った。これからは、1カ月をかけて徐々に負荷を落として行く。おめでとう! 能力値強化関連の修業は終了だ。能力値の正式な測定は魔力体が安定した後にするが、現時点でも俺の予想以上にケンは強くなっている』との嬉しい内容であった。
はっきりした数値は魔力体が安定するまでは解らないが、ヨシトが言うには、
『人間族の中では、ケンに勝てる能力値を持つ人は、そうはいないはずだ。だけど、精霊族の中にはケンより優れた人はたくさんいるし、魔術のレベルはまだまだ未熟だ。だからもっと強くなる為には、これから3年間、死ぬ気で頑張らないといけないぞ』との事。
これが、両親に会えた次に嬉しい事だった。
今はもう、2年間苦しめられた倦怠感や体の痛みはない。
体調もすこぶる良好だ。
気のせいか、肉体にも力がみなぎっている。
いよいよこれからが、本格的な修行の始まりなのだ。
(一つでも多く、魔術をスキル化するぞ。もう飛空車免許は取ったけど、冒険に役に立つ技や資格をたくさん身に付けるぞ)
それが、ケン=マッケンジーの今の目標である。
記憶の転写にもすっかり慣れたケンの朝の目覚めも良好だ。
頭に詰め込まれた知識だけなら、並の高齢者にも負けないだろう。
この後の予定では、もう半年もしないうちに頻繁に記憶の転写をする必要も無くなるだろう。
記憶魔道具の調整を何度もしてくれた上に、手間のかかる魔道具への知識の書き込みをしてくれているヨシトに感謝しつつ、ケンは朝の支度を終わらせると3階の食堂に下りて行く。
今日はヨシトが出張の予定なので、休日にもかかわらず、彼との修行はない。
(せっかくだから、今日はゆっくりしようかな)
ウッドヤット家に来て、初めてそんな風にケンが考えていると、キッチンや食堂にヨシトがいない事に気付く。
おかしいと思い3階を探すと、居間にある家庭用の伝言板にメモが貼り付けてある。
『急患が出たので、レミル=ブラットの居るシルフ町へ向かう。泊りになる可能性が高い。それと、俺の部屋の机の上に書類が置いてあるので、午前中に必ずナタリーメイ院長先生に届けるように。 ヨシトよりケンへ』と書いてある。
ナタリーメイ=ウッドヤットは、ヨシトの実家ともいえるマリアネア第二孤児院の院長であり、親同然の人間族の女性である。
ケンは何度か会った事があるし、その人柄も知っている。
恐らく書類の内容も、孤児院を出て働かなくてはならない獣人の孤児達の就職のあっせんに関する事だろう。
なるべく急いだ方がいいと思ったケンが居間の壁時計を見ると、時刻はまだ6時半過ぎ。
いくら孤児院の朝が早いとは言っても、8時くらいまでは待つべきだろう。
(それにしても、先生も大変だな。医師は本業じゃないのに、多分夜中に出かけたんだ)
ケンは、ヨシトの親友レミル=ブラットには一度だけ会った事がある。
今は、ネオジャンヌから南東に280km離れた町で医院を開いている優秀な医師だと紹介された。
もちろん連絡先も知っているし、音話も通じる距離なので、急用が出来ても問題無いだろう。
とりあえず朝食を済まそうと思ったケンは、キッチンに行って料理を作る。
まだ、料理については教わってはいないが、簡単な調理くらいは出来る。
手早く調理と食事を終え、いつものように片づけと3階の掃除を済ませると7時40分になっていたので、書類を封筒に入れてからマリアネア第二孤児院に出かける。
ヨシトの家から歩いて30分もすれば、聖マリアネア教会が見えてくる。
きらびやかな意匠に飾られたの聖マリアネア教会に併設されている孤児院は、最近建て直された4階建ての質素だが設備の整った大きな石造りの孤児院である。
もちろんこれにはヨシトが大きく関わっているが、そこまではケンは知らない。
ケンは孤児院専用の入り口から敷地の中に入ると、孤児院の事務室に向かう。
急用でもなければ、タラチナ=イシュタリアが居るはずだ。
木製のドアを開け、彼は事務室の中に入る。
もう何度も訪れているので勝手は知っている。
「おはようございます。タラチナさんいますか?」
部屋の中にいる3人の職員の中の1人が美しい銀髪なので、返事を聞かなくても事務作業をしている彼女のそばに歩いて行く。
タラチナは書類から目を離して、その作り物の様な完璧な顔をケンに向ける。
「おはよう、ケン君。何か用? …今日は魔力体が元気そうね」
「ええ、3日ほど前に例の修業は終わったんです」
「…そう、よかった。見てて辛いものがあったから」
一目でそれを見抜くとは、彼女は『魔力視』ギフトを完全に制御出来ているようだ。
ケンは、右手に抱えていた封筒を目線で示して、彼女に訪問の訳を話す。
「ヨシト先生から、ウッドヤット院長にお届け物です」
「…御苦労さま。預かりましょうか?」
「それでもいいんですが、出来ればウッドヤット院長に直接渡しておきたいです」
「ふふっ、弟子としてはそれでいい。でもちょっと生意気ね」
笑顔が出るほどの和やかな雰囲気だ。
ケンとタラチナの関係は良好な様である。
彼女はチラリと院長室の方に目線を向けてから、ケンに報告する。
「今、院長先生は来客中。時間がかかるけどいいの?」
少し考えたケンだが、今日は特に用事が無いので待つ事にする。
そして、せっかくだから何か手伝う事が無いかと尋ねてみる。
タラチナは、ケンの顔を見ながら逆に質問する。
「ケン君は、自由飛空車の事は解る?」
「はい、少しくらいなら。一体どういう事ですか?」
「孤児院の車が今朝から調子が悪いの。変な音がするって、院長先生が言ってた。本当は、ヨシトに見てもらおうと思っていたけど、あなたが来たなら忙しいはず」
「ええ、先生は急患が出たから、シルフ町へ行っています。今日は帰ってこないかもしれません。僕じゃ直せないかもしれませんけど、簡単な修理くらいなら出来ますよ」
彼女は、それを聞いてからにっこりと笑う。
「お願い。見てくれるだけでも助かる。魔術機械の事を知ってる職員はいないから」
「はい、じゃあ書類を預かってください。早速行きましょう」
タラチナは頷いて、彼から書類を受け取ると、机の引き出しに入れて鍵を閉める。
それから立ち上がって、部屋の壁に掛かっている鍵箱から飛空車の鍵を取り出すと、彼を孤児院の車庫に案内するために事務室を後にする。
孤児院の建物とは対照的な古ぼけた車庫前に着くと、2人は小さい方の扉を開けて中に入って行く。
少し薄暗いその場所には、地球での小型バスくらいの大きさの小型の自由飛空車が一台停まっている。
その形は、0系の新幹線の先頭車両に似ていて、荷物と人を乗せられる高級車タイプだ。
ただし、かなり古い年式の様である。
「鍵を貸してください。魔導エンジンをかけてみます」(文末参照1)
タラチナから鍵をもらい、運転席で魔導エンジンをかけてからボンネットを開ける。
古いタイプのエンジンだが、整備は行き届いているようで異常は見当たらない。
異音がするというなら駆動系の問題だろうが、それは現時点では解らない。
ケンは、ヨシトに詰め込まれた知識の中から飛空車の知識を取り出して、駆動系がある場所に当たりを付けて、探査魔術を行使する。
探査魔術は意志を持たない物質を調査する代表的な魔術だから、車の下に潜り込まなくても場所さえ解れば簡単な故障なら解る。
「……えっと、多分ですけど、後輪の歯車が壊れてますね。この程度なら、僕でも応急修理できます」
「…そう、よかった。直すのにどれくらい時間がかかる?」
「直すだけなら、5分もあればいいですけど、一度動かしてみないといけないから30分は時間をください」
「まかせる。何か手伝う?」
「大丈夫です。修理が終わったら呼びますから、タラチナさんは、事務室に戻っていていいですよ」
彼女は頷いてから、車庫から出て行った。
彼は車の下に潜り込むと、まずは照明魔術を行使する。
次に、探査魔術で当たりを付けた故障箇所に手を当てて、今度は念入りに探査魔術を行使する。
やはり、この場所で間違いないようだ。
一応、魔道具職人のはしくれである彼にとっては、修理道具は必要ない。
操作魔術でギアボックスのねじを開けて、全体を物理結界で包み、油漏れを防ぐ。
後は、欠けた歯車を修復するだけだが、これもそれほど難しくない。
ギアボックス内に細かく飛び散った歯車の欠片をより集めて、ギフトで意志付けして一まとめにする。
後は、それを歯車にくっつけてから、加工魔術を使って成型する。
彼の言ったように、5分も経たずに修理は完了した。
魔術とは、本当に便利な代物だ。
もちろんこれは、彼の2年近い修業の成果であり。人間族だといっても誰もが出来る事では無い。
逆にいえば、この程度の故障なら、きちんと修業していて魔術と機械の的確な知識がある並の人間族なら誰だって出来る。
後は、他の不具合が無いか実際に運転して見るだけでいいはずだ。
ケンは車庫の大扉を開け放ち、運転席に乗り込むと飛空車を発進させる。
彼は運転免許を持っているので、もちろん動かし方は知っている。
孤児院の入り口から出て、ゆっくりと教会と孤児院の周りの道路を1周する。
ケンの見る限り、特に異常はないようだ。
車庫前に戻ってくると、今度は飛行機能の確認をしてみる。
都市内の道路は原則的に飛行は禁止されているが、敷地内や車庫への出し入れなら問題ない。
飛空車底面に刻印された、重力軽減の魔術陣が発動するとゆっくりと車体は浮き上がる。
魔素燃料からの魔術陣への供給も問題無く、計器にも異常は見られない。
ケンは満足気に表情を緩めると、飛空車を車庫に駐車して、車庫の扉を閉めてから事務室に歩いて行った。
「タラチナさん、終わりましたよ。多分、大丈夫だと思います」
「御苦労さま。今、お茶を入れる」
タラチナも事務作業が一段落ついたようで、事務室の横にある給湯室に紅茶セットを取りに行く。
お盆に紅茶をセットを乗せて帰ってきたタラチナから、ナタリーメイに渡す封筒を返してもらってから、2人は椅子に腰掛けて紅茶の味を楽しむ。
今は事務室の中には2人しかいないので、残りの職員は子供達の様子を見に行ったのだろう。
「それにしても、ずいぶん年季の入った自由飛空車ですね。整備は行き届いていますけど、内装がかなりくたびれていますよ。そろそろ、買い替えを考える時期かもしれませんよ」
「ぜいたくは敵。お金は大事。とことん使ってこその道具」
彼女は、孤児院の財政を預かっているので、無駄使いには厳しい。
最も、財政は安定していて、もうここは貧乏孤児院では無いのだが。
「それはそうですけど子供達を乗せるんですから、特に飛行機能は重要です。魔術刻印はちゃんとメンテナンスしないと、それほど長くは持ちませんよ。まあ、緊急の重力軽減魔術回路があるから大きな事故にはならないと思いますけど」
確かにケンの言う事にも一理ある。
タラチナは、少し考えてから答える。
「ほとんど空を飛ばないから大丈夫。それに、ヨシトが年に一度点検している」
「ああ、それなら問題無いですね。先生が整備しているなら100年は持ちますよ」
「そう、…それにあの飛空車は、ヨシトがここにいる時に寄贈してくれた大切な物。出来るだけ長く使いたいの」
「…失言でした。さっきの言葉は撤回します」
すると、彼女はニヤリと悪い顔をする。
美しい顔でそれをやると怖いのでやめて欲しいとケンは思う。
「ふふふっ、つい口が滑りそう。ケン君が『ぼろだから買い替えろ』って言ったって事をヨシトが知ったら、きっと修業はきつくなる」
「その僕のモノマネは似てませんから、出来ればやめてください。それと、お願いですから先生に言わないでください。ただでさえ死にそうなんですから」
「ふふっ、口は災いの元。ケン君は、肝に銘じるべき」
都合が悪くなったケンは、話題をそらす。
「タラチナさん、院長先生は、まだ来客中ですか?」
「そう、ケン君が来るちょっと前に来たから、まだ時間がかかるかも」
「…大変ですよね、仕事とはいえこんな朝早くから面会なんて」
「それは違う。個人的なお客様。…もしかしたらケン君は知っているかもしれない。同じウルルス高専の上級生だから」
そう言われても、ケンには自信が無い。
何せ彼は、ウルルス高専では孤立している。
上級生もほとんど知らないし、下級生からもめったに声をかけられないのだ。
3年になったらクラブ活動が解禁になるので、上級生との関係が出来るかもしれないが、ケンはクラブに入るつもりはないから上下関係は絶望的だろう。
ただ、少し興味があったので聞いてみる事にする。
「その人の名前を聞いてもいいですか?」
「リエリス=キュンメという名の女性。知ってる?」
「…ええ、有名ですから」
何と、訪問者は前生徒会長である。
今は、半年後に卒業を控えているので生徒会からは引退したから、もうただの一般生徒だといえるが、ケンでさえ知っている有名人だ。
彼女ほどのお嬢様が、孤児院に何の用があるというのだろう?
いや、お嬢様だからこそ、孤児院に慰問に来たのかもしれないとも思う。
(でも、タラチナさんは、個人的なお客さんって言ったよな? 訳が解らん)
ケンがそんな事を考えていると、院長室の扉が静かに開いた。
「ありがとうございました。こんな早い時間に相談に乗っていただいて感謝しています」
「いいえ、この時間なら大抵空いていますよ。遠慮せずにまた来なさい」
ウッドヤット院長の声がする。
そしてもう1人は、聞き慣れたキュンメ前生徒会長の声だ。
拡声魔道具を通した声しか聞いた事はないが、間違いないだろう。
ケンが、ボーっと院長室の扉の方を見ていると、遠目からはよく見たキュンメ先輩が部屋の中から出て来た。
いかにもお嬢様風の服が似合っていて、膝下までのスカートがキュートだ。
続いて、紺色の髪をした女性の姿が中から現れる。
理知的な灰色の瞳を持つ優しい表情は、ウッドヤット院長である。
ケンの視線に気付いたように、ウッドヤット院長の目が事務室にいる彼の方に向けられる。
「マッケンジー君、こんなに早くにどうしたのですか?」
ケンは横に座っているタラチナに紅茶の御礼を言い、封筒を抱えて立ち上がる。
事務室の奥にある院長室の前まで行くと、不可解そうな表情で彼を見つめるキュンメ先輩の横を通り過ぎる。
もちろん、失礼の無いように自分の胸に軽く手を当てるのを忘れない。(文末参照2)
(まあ、彼女が僕を知っている訳ないよな。…というより知らないでいてくれ! きっとろくでもない印象だろうし)
少しドキドキしながらナタリーメイ院長の前に立つが、キュンメ先輩からは声はかからない。
ホッとして、ナタリーメイに用件を話す。
「ナタリーメイ院長、ヨシト先生からの書類をお持ちしました」
直ぐに思い当たったナタリーメイ院長は、その書類を受け取る。
「ヨシト君は、今日は忙しいのですか?」
「ええ、急患で今日は帰ってこないかもしれません。それと、飛空車は応急修理しましたから大丈夫です。もちろん、先生が帰ってきたら報告して本格的に見てもらいますけど」
ナタリーメイは、ホッとした様子でケンに話しかけてくる。
「ありがとう、ケン君。私は魔術機械がどうも苦手で困っていたのです。…それにしても、久しぶりですね。今日は顔色がいいので安心しましたよ」
「はい、最近は体調がいいんです。それと、院長先生とお会いするのは久しぶりですけど、ここにはよくお邪魔してるんです。前回来た時は、院長先生は出張中でした。ヨシト先生もそうですけど、お仕事が忙しいのは大変ですよね」
少し困った表情で彼女は答える。
「私が忙しいのは、良い事ではないのですけど…。ですが、今日は大丈夫ですよ。よかったら中で話しませんか?」
「いいえ、せっかくですけど、用事も終わりましたので家に帰ります。もし何か先生に御用でしたらレミル=ブラット医師の所にいるはずです」
「そうですか…、それでは、また遊びに来なさい。あなたなら、大歓迎ですからね」
ケンは笑って「はい」と返事をすると、きびすを返して急いで帰ろうとする。
何故なら、先程からキュンメ先輩の視線を背後に感じるからだ。
用事が終わったはずなのに、彼女が残っている理由はそう多くないだろう。
例えば、ナタリーメイ院長に言い残した事があるか、ケンに用があるかしかないと思う。
せめて前者であってくれと彼は願い、目線を合わせない様にキュンメ先輩の横を通り過ぎる。
「あなた、51番君よね」
ケンの希望は、叶わなかったようである。
設定および解説
(1)魔導エンジンについて
魔導エンジンとは、地球でいう電動モーターの様な物です。
もちろん、電気エネルギーを機械エネルギーに変換するのではなく、魔素エネルギーを機械エネルギーに変換する魔術機械です。
内部に魔術回路を持ち、軸受との摩擦以外で発熱せず、パワーも内燃機関以上という地球人から見ると夢のエンジンです。
その構造も単純で、魔術回路や部品さえ取りかえれば半永久的にもちますし、そもそも非常に壊れにくいです。
酸化還元反応が鈍いこの世界では、内燃機関は役立たずですから、魔導エンジンは広く普及している主要な動力です。
動力源には主に魔素燃料を使いますが、非常に変換効率がいいので、車が道を走る程度なら魔石や魔素を蓄積する金属を使っても動かせます。
繰り返し使う場合には、金属よりも劣化しにくい魔石を使う場合が多いです。
ちなみに、魔石は電池の様に魔素を貯め込む石で、一日かけて大気中の自由魔素や天然魔素を取り込みます。
その大きさによりますが、車ならバッテリー程度の大きさの魔石を積んでいて、魔素燃料を使わなくても一日数十キロは走ります。
(2)自分の胸に軽く手を当てる行為に付いて
軽い謝罪の意味もありますが、日本での会釈の意味もあります。
目上の人に使う場合が多いですが、友達同士での挨拶でも使います。
ガレア地方の挨拶は握手ですが、それにふさわしくない場面に結構便利に使われている行為です。
他の挨拶としては、親しい友人同士の場合は手のひらを伸ばして胸の前に上げたりします。
(日本でいう「よう久しぶり!」のポーズです)
かなり親しい関係の場合は、ハグを使う場合もありますが一般的ではありません。




