アオバ4
「さて、今日来てもらったのは、アオバちゃん、君にこの男を始末してもらう為に呼んだんだ!」
泰臣が一度席に戻ると机の引出しから一枚の写真を取り出して俺に渡してきた。
そこに映っていたのは、黒髪で刈り上げていて日焼けの跡があり、ボクサーパンツを履き腰には、チャンピオンベルトが巻かれており、筋骨隆々で両肩に子供を乗せて子供達の手にもチャンピオンベルトがある男の写真だった。
俺は、この男を知っている。
この男は、かつて俺みたいな外れの町出身で対戦相手をカウンターの一撃で倒す姿から異名が瞬反一撃のミルドの異名で呼ばれていたボクサーだ。
確か、薬物かなんかやってしまって除名処分になって今は、かつての面影がないほど落ちぶれて、噂だと裏格闘技のほうで稼いでいるって聞いた事があるけど……
「なぜですか?」
俺は、理由を聞かずには、いられなかった。
ミルドは、今でも英雄視するヤツがいて、たまに除名処分を撤回しろって過激派が事件を起こすから、こちらに飛び火したら嫌だからだ。
「彼が、今も薬物をやっているのとか、裏格闘技の元締めだとかでウチの部署には来ないでしょ……」
それは、確かに。
という事は……
「彼の事を調べてみたら、現役の頃から使っていたグローブが『厄災宝』だって事がわかったの!」
なるほどな。
俺達が所属している部署っていうのが、公安の中でも『厄災宝』限定が対象の課だからこういう案件はうちに来る。
そして、そういう案件の時は、必ず死人が出る。
「わかりました!」
とりあえず返事はしておく。
ただ、憂鬱な事には、変わりない。
理由はシンプル……
俺も、ミルドに憧れた口だからだ。
俺だって子供の時の憧れを殺すのか……
仕方ないなとは、思うがこれも仕事と割りることにした。
俺達は、部屋を出た。
一応、隣の部屋によろうか考えたが、今は、仕事に集中する為に後にする事にした。
魔都東京某所にあるとある事務所……
「ボス大変です。また、ウチの島の闘技場で銀龍の奴らが暴れてます!」
慌ただしく入ってきた角刈りの男だが、黒髪で刈り上げている男は、冷静に椅子に座り葉巻を咥えて嗜んでいた。
「俺の部下ならあんなチンピラぐらいどうにかできるだろ?」
「……それが、ヤジマのヤツが出てきたのです!」
黒髪で刈り上げている男はため息混じりに立ち上がった。
「出る。魔導車を回せ!」
黒髪で刈り上げている男が事務所を出るとタイミングバッチリに魔導車が来て乗り込んだ。
その車内で黒髪の刈り上げている男が懐からボクシンググローブを取り出した。
東京某所にあるとある屋敷前……
俺もなるべく来たくはない場所だ。
なぜなら、この屋敷の主が物凄く厄介だからで泰臣と同レベルで厄介であるから。
「これは、お久しぶりですねアオバの姉御! 今日はどう言ったご用件で?」
「姉御はやめろ。それより、アイツいるか? 」
すると、門が開くと、急に現れた黒い影に押し倒された。
いや、わかってはいるが、警戒しても何処から音こなく現れては、胸を揉んで来る俺のある意味では先輩にあたるが……
「お久しぶりです。メレナさん!」
「今日も可愛いアオバちゃん、今回は、どんな用?」
俺、この人泰臣と同じくらい苦手と思いながらも顔には出さず冷静に要件を伝えた。
「久しぶりなのに素っ気ないなぁ! でも、要件は、知っているから場所を教えて上げるから、入って」
メレナさんに促されるがまま屋敷の門をくぐったが、嫌な予感がしてきた。
そして、俺達が案内された部屋には、そこかしこにいかがわし服や、露出度の高い服がズラリと並んでいた。
もちろん、逃げようとした。
二秒後に捕まったけど。
やっぱり吸血鬼の先輩だけあって連度が違いすぎた。
俺は、メレナさんに着せ替え人形ように色んな服を着せ替えられるという屈辱を受けていた。
いや、理解はしていたし、何度も来ているがここまで恥ずかしい思いをするのは……何回かあったわと思った俺である。
「……満足した。それじゃ、教えるね!」
俺は、下乳が丸見えのメイド服を着せられて放心状態でソファーに座っていた。
「今は、敵対しているヤジマ組の事務所に単身で乗り込んでいるところだよ!」
俺は、ミルドの居場所を知ることが出来たが、同時に何か尊厳的なモノを失った気がする。
俺達は、メレナさんの言ったヤジマ組の事務所に着いた。
そして、中に入ると凄惨という言葉がピッタリ合うヤクザ映画でしか見ないような血で血を洗う壮絶な戦いの跡が残っていた。
しかも、それが入り口からこの惨状である。
俺達が奥に進んで行くと扉が壊れていた。
その奥に進むとそこにいたのは、何かをきめたのか深呼吸をして余韻を楽しんでいるミルドがいた。
腕には、グローブをはめているがあれこそが、『厄災宝』である『コルセッテ·ハルテのグローブ』だ。
このグローブがどんな能力持っているは聞かされているからわかるが、当たりたくはないと思っていた時期が俺にもあった。
ミルドが俺達に気づいて迫っ来ていた。
フェレイさんが銃を撃ったが利いている様子がないというか、弾が弾かれたように見えた。
怯むことなく近づくミルド直後ミルドの左ストレートが俺を襲おうしたのを右手でガードした。
だが、俺の右手にミルドの左ストレートが当たった直後爆発が起きて俺の右手が消し飛んだ。
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