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抹茶黙示録  作者: 火者
8/10

ガラスが割れるような音

ゾンビは防御を突破する

ガラスが割れるような音がした。


手が窓を突き破り、壁に立てかけられていた机が揺れた。


生徒たちは悲鳴を上げ、部屋の隅へと逃げ惑った。


手はあたりを探り、さらに奥へと進もうとしたが、すぐに引っ込んだ。


愛子の心臓は激しく鼓動した。


彼女は恐怖に震えた。


「アソ…どうするの?」


「窓から…入る?」


「ゾンビが多すぎる!地面に降りたら殺されちゃう!」


「そうだ!閉じ込められた!」


「ちくしょう!」


カズオと彼のアンデッド兵士の一団はドアを叩き、蹴り、窓に物を投げつけた。


歴史教師の藤原先生は、ガラスの破片で顔が切れないように両腕で頭を覆った。生徒たちを守るため、ドアに一番近い場所に立つことに同意していたのだ。アイコは、あらゆる呼吸音を聞き、あらゆる心臓の鼓動を感じた。


これは死に近い、と彼女は思った。


しかし、彼女は怖くなかった。


正確には。


いや、もしかしたら怖かったのかもしれない。


たぶん。


でも、少なくとも退屈ではなかった。


手が再び動き、彼女の思考を止めた。


垂直に立てられた机がぐらついたが、倒れなかった。


彼女は安堵のため息をついた。


すると、机は轟音とともに倒れた。


そして、机があった場所に、ゾンビが立っていた。


それは恐ろしい生き物だった。濃い緑色の粘液が滴り、傷口からは藤色の樹液が滲み出し、よだれを垂らし、唸り声を上げていた。


歩くというより、体をずるずると引きずっていた。


アイコは、ゾンビに知性があるのだろうか、それともただの無知な存在なのだろうか、と思った。殺戮マシーン。


麻生が夢中になっていた、体格が良く運動神経抜群の少年、ザロクがゾンビに飛びかかり、研ぎ澄まされたほうきの柄を心臓に突き刺した。


血が辺りを染めた。ゾンビは鉤爪のある手で襲いかかってきた。


ザロクは身をかがめ、怪物の周りを軽やかに動き回り、再び突き刺した。


ゾンビは痙攣を起こし、苦悶のあまり手足が上下に揺れた。


そして、手足が床に落ち、力を失った。


ザロクは息を呑んだ。


「危なかった。」


ゾンビはザロクの足をつかみ、そのすぐ横の床に牙を深く突き立てた。


ザロクは叫んだ。


「何だよこれ!?」

彼はゾンビの顔面を思い切り蹴り上げ、後ずさりした。


ザロクは窓辺に行き、ガラスを蹴り破ってリュックサックを掴んだ。


「みんな!出て行け!荷物を詰めて行け!走れ!」


「彼の言うことを聞け!」藤原先生が叫んだ。


歴史教師は、いわば聖書のようなエドワード・ギボンの『ローマ帝国衰亡史』を手に取り、何度かキスをして胸に抱きしめ、全力で雄叫びを上げながらゾンビに向かって突進した。


藤原先生とゾンビは互いに捕まり、部屋中を転がりながら格闘した。


生徒たちは言われた通りに荷物をまとめ、一人ずつ窓から飛び降り、下の青い瓦屋根へと降り立った。


愛子は振り返った。


そこに和夫がいた。


彼女の心臓は張り裂けそうだった。

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