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三角法、あるいはアイコがその朝8時に退屈していた理由
バスは東京第一予備校に到着した。
ドアがスライドして開いた。
愛子はバッグをつかみ、肩にだらりと掛けてバスを降りた。
友人の和雄が待っていた。
「愛子!」
「おはよう、和雄!」愛子はあくびをした。
最初の授業は数学…長い一日になりそうだ。
白仁先生は7組の生徒たちの理解不足を指摘し、講義を始めた。三角法は簡単だと先生は言った。これまで何千回も教えてきたとも言った。
愛子は白仁先生が何回教えたかなんて気にしていなかった。まだ理解できていないし、理解したいとも思わなかった。三角法を学んだところで、自分の人生がどうして面白くなるというのだろうか?




