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第八話 カオス〜

こんにちは!いよいよ夏休みに入りました。

えっ、夏休みだから投稿スピードもあがる?

ははっ、こちとらアホみたいな量の宿題と毎日ある部活があるので上がるわけないです。

もしかしたら上がるかもしれないけど、

じゃあ、どうぞ!

教室の隅の席は、もはや安全で静かな避難所ではなく、完全に嵐の中心地になっていた。


僕の前の机にはレオさんが座り、そのすぐ隣では遥斗が「俺の弟に近づくな」と言わんばかりの超絶システム、通称・セコムを発動させてレオさんをギロリと睨みつけている。その遥斗くんの背後では、律くんが「レオさん、今日かっこいいなぁ」とでも言いたげに目をキラキラ輝かせていた。


そんな中、僕の周りをがっちり固めているのは、卒業生のチャラ男・蓮さんと、美しすぎるホスト・玲さんだ。しかも二人のターゲットは、僕ではなく、その隣で顔を引きつらせている学級委員長の春である。


「ねえねえ、委員長くん。そんなにガチガチに緊張しなくてもいいじゃん。ほら、メガネ外した方が絶対可愛いって」

蓮さんが距離を詰め、春のメガネに手を伸ばそうとする。

「やめ、てください……。迷惑ですし、困ります。」

「ふーん、真面目だねぇ。そういうツンツンしたところ、僕そそられちゃうな」

玲さんがフワリと髪をかき上げながら、極上の笑みを春に向ける。春の額にはピキピキと青筋が浮かび、メガネの奥の目が僕に向かって「助けろ、てめぇ……!」と SOSのサインを送ってきた。


(無理だよ春! 僕だって空気になりたいのに!)

これ以上、僕のパーソナルスペースのすぐ近くで濃すぎるblイベントを発生させられてはたまらない。

(いや、まぁ発生させて欲しいけどね?!

 僕自身がblになるのは勘弁して欲しいから!)

僕は慌てて、斜め前に座るレオさんたちの方へ話題を振ることにした。


「あ、あの! 蓮先輩! 玲先輩! 春をからかうのはそれくらいにして、ほら、レオさんたちの話を聞きましょうよ! レオさん、この前の課題のこと、遥斗くんに詳しく教えてあげてください!」


「え? ああ、あの課題ね!」とレオさんがポンと手を叩く。

しかし、その言葉に蓮さんがすかさず食いついた。

「え〜、レオと琥珀くんの『この前のこと』も気になるけどさ、そっちの双子くんたちとレオの関係も気になるなぁ。ねえレオ、もしかしてそっちのかっこいいお兄くんとも、そういう仲だったりするわけ?」


「はあ!? 違いますけど!?」

遥斗がものすごい勢いで否定した。その顔は怒りと照れで真っ赤だ。

「俺がこいつと!? あり得ません! 俺が守るのは律だけです!」

「えっ、お兄ちゃんもレオさんとそういう関係なの……?」

「違うからね、律!?」

純粋な、律くんと、完璧なブラコン(セコム)っぷりを発揮する遥斗だったが、蓮さんと玲さんは「へぇ〜、面白い関係性だねぇ」と、むしろ楽しそうにクスクス笑っている。


(うわぁ……。チャラいと思ってた蓮先輩、意外とみんなの会話を回して盛り上げるのが上手いな。それに玲先輩も、ただのホストじゃなくて、絶妙に人の心を掴むのが上手い……)


一瞬、彼らに感心しかけた僕だったが、ふと我に返った。

いけない、ここは危険地帯だ。せっかくグループワークが始まったのだから、僕は存在感を消して、彼らの関係性を遠くから生温かく見守る「壁」になりたい。


(よし、遥斗くんのセコムにレオさんがどう立ち向かうか……。そして蓮先輩と玲先輩に挟まれた春が、いつ理性の限界を迎えるか……。僕は特等席で妄想マッチングだけを楽しませてもらうぞ!)


そう決意して、じりじりと椅子を後ろに引こうとしたその時。


「あ、逃げようとしたでしょ、琥珀くん」

蓮さんが僕の肩をガシッと掴んだ。

「琥珀くんもさ、可愛い顔してるよね。委員長くんもいいけど、君もグループの大事な一員なんだから、もっとお喋りしようよ」

「僕も、琥珀くんの連絡先、知りたくなっちゃったな」

玲さんが顔を覗き込んできて、至近距離で国宝級の笑顔を浴びせてくる。


(いや、僕を巻き込むなーーー!!)


なぜ誰もこの状況にツッコミを入れないんだ。まさか、少女漫画やゲームでよくある「ご都合展開」の術中にハマっているのか? だとしたら余計にマズい。このままだと、僕までBLの渦に巻き込まれてしまう!


イケメンたちに挟まれ、僕の脳内は完全にキャパオーバーを迎えそうだった。

その時――。

「おい、そこ!静かにやれ!」

突然、先生の厳しい声が響いた。

「は〜い、わかりました。っちえ〜。」

蓮さんたちも先生には敵わなかったようで、何とかその場は収まった。

(はぁ、何とか助かった。良かった〜!)

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