第十二話 秘密
( ᐛ )
ごめんなさいふざけました。
主人公 卯月 琥珀
牡羊座 牡羊 ゆず
双子座 兄 双葉 遥斗
弟 双葉 律
獅子座 獅子 レオ
乙女座 乙女 春
牡牛座 牡牛 蓮
魚座 魚 玲
ーーーーーーーーーー琥珀目線ーーーーーーーーーー
「やった〜、奢りだ!すいませーん、注文お願いします!」
ゆずは、嬉しそうにメニュー表を開くと、迷いなく注文をしていく。
「えーっと、前菜のサラダと、メインのカレーと、カルボナーラと、ハンバーグと、ドリアと、辛味チキン3皿! あと、食後のクラシックプリンとシャーベットとケーキ盛り合わせも追加で!」
「え、あ、ちょ。頼みすぎじゃない!?前、こんな頼んでなかったよね?」
僕が驚いて裏返った声を出すと、ゆずはニヤッと笑った。
「だって、これ『口止め料』でしょ。それなら、結構な値段になるでしょ、普通。それにここ、財布に優しいから大丈夫だって!」
「前、僕のお金が消し飛んだこと、忘れたの?!
今、前より頼んでるよね!?」
「えー、覚えてなーい。」
「こいつ!」
僕が、絶望で白目を剥きそうになると、春が机の下から出てきて、ため息をついた。
「僕も半分出すよ。僕の秘密だし、お前だけに払わせる訳にはいかないだろ。」
「は、春!ありがとう!」
「わっ、急に抱きつくな!」
すると、レオさん、蓮さん、玲さんが苦笑しながら言った。
「高校生だけに払わせるわけ行かないでしょ。
ここはみんなの割り勘にしよう?」
「さすが大学生、大人だ!あざす!」
(ほんとに助かった。良かった!無事だった、僕の懐!)
「あ、そうだ!この際、みんなの秘密語り合いませんか!」
「なにそれ、面白そう!やろう!」
律くんがそんな提案をして、僕が真っ先に乗る。
(もしかしたら、有益な情報を得られるかもしれないし!)
「じゃあ、僕から!実は今日、靴下左右別々で履いてました!ずっと、気づかなかったよ〜。」
「あ、やっぱり?なんか変だったもん、今日の律。」
遥斗がそんな細かいことに気づいてるのも充分変だと思うが、そこはもうスルーしておく。
「あ〜、じゃあ、次俺ね。」
レオさんが申し出た。
(レオさん、どんなこと言うんだろ?)
「俺、最近恋人できた。」
なんでもないことのように、軽快に言い放つ。
(え、律くんのことだよね!? そうだよね!?)
「「えええぇぇ!」」
蓮さんと玲さんがすごく驚いている。
「あ、あのレオが.......?」
「ついに?え、初めてだよね?」
........初めて?
「初めてって?」
不思議に思った僕の心を代弁するように、遥斗が代わりに聞いてくれた。
「いや、こいつさ恋愛経験多そうじゃん?
全くないの!作る気もないかと思ってた。」
「そうそう!え、てか誰?どのくらいで付き合ったの?」
蓮さんと玲さんがここぞとばかりに畳み掛ける。
「誰かはさすがに言えないけど.......確か、一日、二日ぐらいで付き合ったかな?」
「ごふっ、げほ、、、げほっ!」
レオさんが答えた瞬間、春が勢いよくむせた。
「早すぎません?!え、恋愛経験ないんですよね?
早くないですか?」
レオさんはポカンとしている。確かに、早いかもしれないと今更ながらに思う。
「え、、蓮も玲もそれくらいのペースで恋人つくるから普通だと思ってた。」
「は?」
遥斗が呆気にとられながら二人の方を見ると、二人はバッと目を逸らした。
(あ、なるほど!この二人が原因か!お二人さん、やっぱだいぶ女癖悪すぎませんか!?)
レオさんの純粋さとグイグイ行く感じが律くんといい感じにマッチしたんだな〜と考えると、やっぱり僕にはキューピッドの才能があるのかもしれない。
「おやおや〜?蓮さんと玲さ〜ん、なんで急に目を逸らしてるんですか〜?」
(まぁ、この二人も気になるし、問い詰めよう。)
僕が意味深な笑みを浮かべながら、質問をすると、二人はあからさまに汗をかき始めた。
「いやっ、まあ……ほら、若い頃は色々あるじゃない?」
「そうそう、男なら誰しもが通る道というか……」
「いや、俺らと対して歳変わらんだろ!」
遥斗の容赦ないツッコミが飛び、二人が「うぐぅ!」とうめく。
「ていうか、一日二日で付き合うって、それ絶対相手のことよく知らないまま付き合ってますよね!?」
春もむせるのをやめて、ジト目で二人を問い詰める。
「うぐっ……それは、その……顔が好みだったらすぐ告白しちゃうというか……」
「ごめんなさい! 僕たちが悪かったです! レオにヘンな恋愛観を植え付けたのは認めます!」
完全に退路を断たれた蓮さんと玲さんは、勢いよくテーブルに頭を下げた。
当のレオさんはというと、「え、俺なんか悪いこと教えられてたの? 二人は恋愛の師匠だと思ってたんだけど……」と、心底不思議そうに首をかしげている。
その横で、律くんが「ふふっ」と小さく吹き出すと、テーブル全体が一気に大爆笑に包まれた。
僕はみんなの賑やかなやり取りを眺めながら、運ばれてきたばかりのアツアツな辛味チキンに嬉々として手を伸ばした。




