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機吼斬饗デモンデウス  作者: 貴宮アージェ


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7/8

第7話:機械仕掛けの神殺し―アンチデウスエクスマキナ―その7

 艦長席の左隣に立っていた眼鏡を掛けた淑女風の女性が口を開く。


????:

「一つ、よろしいでしょうか?」

エイハブ船長:

「なんだ、クロノス」


 クロノスと呼ばれた女性はハイ、とエイハブ船長に答えながら言葉を紡ぐ。


クロノス:

「先ほどリンクしていたソロモンからの報告にもなりますが新たな神喰異世界群の神喰汚染度を検知しました。場所はここからおよそ5000の距離で方角は11時の少し右寄りです」

エイハブ船長:

「【領域境界線上帯(ここ)】で検知したってことは【(ゲート)】か?」

クロノス:

「恐らく間違いないと思います。ソロモンとのリンクして計測した所、発生直後ではなく、出現からそれなりの時間が経過しているものが観測されたものと思われます」

レディA:

「【領域境界線上帯】は非常に計測及び観測が難しいと聞いてるけどもまさか既に発生から時間が経過していたとはね」

エイハブ船長:

現在(いま)の【領域境界線上帯(ここ)】は海に例えるなら大嵐と大時化のトッピングが為された暴風警戒地域みたいなモンだ。名うての船乗りでさえ、下手しなくても難破しちまうくらいには危険な場所だ。俺達が安全に航行出来ているのはいわばそういう

“台風の目”を中心にして航行しているからな・・・それ以外なら幾ら頑強なこの(フネ)ですらヤバいぜ」


 レディAへの問いに船乗りの例えとして適切に解説するエイハブ船長。

ちなみにツルギとライカは感心に近い形で大人たちの会話を口を挟まずに聞いていた。

そこへロンロン博士も口を挟む。


ロンロン博士:

「それで神喰率はどれぐらいアル?」

クロノス:

「大まかな計測をした所、神喰汚染率は96.8%とソロモンは算出しています」

エイハブ船長:

「比較的にもかなり高いな・・・大物か?」

クロノス:

「この距離ではおおよその計測しかわかりません。私もリンクした上でもっと近くでないと細かい詳細までは。ポンコツアンドロイドですみません」

ロンロン博士:

「しょうがないアル。船長も言ってたアルが周りが暴風雨同然な場所じゃあ正確な計測しろ言ってる方がポンコツアルよ・・・」


 唐突な話だが彼女【クロノス】は大人びた淑女風の女性をしているが実はアンドロイドである。

彼女とリンクしているロンギヌスのメインシステムとして組み込まれている【ソロモン】とは同じ世界の産物であり、彼女がリンク出来ているのはその恩恵も大きい。

そんな彼女らに対して神殲組の面々は全幅の信頼を寄せているのもあってか彼女との関係は非常に良好でもある。

一連の話を聞いたレディAは気持ちを切り替える様に手を叩き、ツルギとライカの方へと視線を向けた。


レディA:

「それではこれからの指示を二人に伝えるわ。鐵ツルギ及びライカ・ラヴクラフト両名はこれから48時間の休息を取りなさい。心身共に休めた後、万全の状態で

臨みなさい。という訳で二人はこの後は私達に任せてゆっくりしていきなさい」

ツルギ:

「良いんですか?」

エイハブ船長:

「良いも悪いも艦内の仕事は俺らの領分だ。おまえさんらの領分はこの後なんだ。適材適所ってヤツよ」

クロノス:

「休むのまた任務と聞きますよ?」

ロンロン博士:

「そうアル」

ソロモン:

『ワタシとしても船長らの意見に賛同します』


 畳み掛ける神殲組上層部に若干気圧されるツルギ。

ライカの方はもう休息のことを考えているのかあまり気にしてない様子。

それを見たツルギはアウェイであると判断したのか緊張を解く様に息を吐く。


ツルギ:

「わかりました。ただいまより48時間休息に入ります」

エイハブ船長:

「おう、よく休めよ!」


 エイハブ船長が念を押す様に言った後、ツルギとライカはその場を後にする。

それを見送る大人組達+ソロモン。


エイハブ船長:

「―――やれやれ、ツルギのヤツは真面目が過ぎるな」

ロンロン博士:

「まあ、そこが彼の良さアルよ」

レディA:

「今の現状はあの子達だけに頼り切ってるのもありますからね・・・だからこそ、あの子達ばかりに負担を強いてはいけない」

クロノス:

「そうですね、ワタシもそれはわかります」

ソロモン:

『その為にも我々は最大のバックアップをすべきですね』


 ソロモンの言葉にエイハブ船長らは無言で頷き、ブリッジのメインモニターへと視線を映す。

メインモニターには格納庫で整備をされているデモンデウスの姿があった。

その姿を見ながらレディAはおもむろに呟く。


レディA:

「あの子達にばかり全てを任せてしまっているのは心苦しい所があります。そうしない為にも私はこの場にいる、そう思ってたとしても・・・」

エイハブ船長:

「――――まあ、おまえさんもあんまり気負うなや・・・独りじゃどうにもならないことは多いからな。だからこそ俺らを頼れ」


 その言葉にロンロン博士やクロノスも笑みを浮かべる。

それをレディAもそうですね、と笑みを返す。

邪神に奪われながらも決して己だけでは戦わない。

己を信じてくれる仲間達がいるのだと再度鉄の鉄鬼神を見ながらそう思うのであった。

―フラグメント・マテリアル―

鐵ツルギ-1

「本作の主人公である少年少女の片割れ。外見からはわからないが実は魔を滅する【封魔忍】という忍び。一見するとクールだが実際は熱い性格をしており、一向に関してはツッコミに徹するぐらいには真面目な一面もある。デモンデウスのメインパイロットを務める。好きなものはきんぴらごぼうで嫌いなものは奈良漬け。【桜神流封魔忍術】の使い手でもある。」

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