第40話:暴食の格闘王―グラトニーオブバトルマスター―その11
アナウンサーの声にツルギは怪訝な表情を浮かべる。
試合中の殺戮、人の殺しも構わない。
それはつまり、互いを競い合うという一般的な格闘大会のそれではなく、己の気が満足するまで殺し合うことということ。
邪神が支配・関与する神喰異世界である以上、ある程度は予想していたはいたがここまでストレートなのは今までなかった。
そう考えればアバドンの考えはシンプルなものであるのは間違いない。
とはいえ、最初から人命を軽視しているのもまた事実。
ツルギ:
(――――強さとしての基準の違いなんだろうけども・・・当たり前の様になるのは良くないな・・・)
ツルギ自身もハンティングホラーズとして数多の邪神やそれに連なる眷属たちと戦い、打ち倒してきた。
無論、言葉にするにしても憚られる様な凄惨な戦いなどもあったりしたがそれらに比べればまだマシだと思うのは自然で当然な流れなのかもしれない。
だからこそ、それが当たり前になっては邪神らと変わらないことになりかねないのだ。
アナウンサーの声:
『武器の使用も当然OK。ルールは基本はとにかく戦い、勝て!!それ以上だ。他は戦わずにその場から立ち去る者には死よりも重い罰を与えるからそのつもりで覚悟して挑め。勝ちか負けか、生か死か(デッドオアアライブ)・・・それだけだ!!!さあ、始めようぜ!!!!』
観客の怒号:
『ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!』
アナウンサーの声に呼応する様に起きた観客の怒号が合図となって格闘大会の火ぶたは切って落とされた。
ツルギ:
「どちらにしても――――勝たない限りは目的は果たせない!」
覚悟を決める様にそう言葉を口に出してツルギは動き出す。
真っ先にこちらを狙いに来た二人の戦士を軽くあしらうと同時にツルギは自身の獲物を召喚する。
ツルギの両手には鎖分銅の付いた大きな刃が付いた鎖鎌を彷彿とさせる武器だ。
ツルギ:
「桜神流封魔忍術が1つ【裂神:玖叉薙(れっしん:くさなぎ)】」
分銅部分を回転させながらツルギは強い殺意に近い気配を飛ばす。
ツルギ:
「戦う以上――――手加減はしない!!」
マナ・ケミア:
「そういえば気になったけどもツルギのお師匠さんって忍者っぽい感じじゃなさそうだったけどももしかしてサムライ?」
ツルギ:
「師匠曰く『容姿だけで判断するのはまだまだ未熟な証』らしいけども実際は単純に師匠の趣味だと思う」
ライカ:
「クロくんのお師匠さんって掴み所無さすぎる気がする・・・」




