第4話:機械仕掛けの神殺し―アンチデウスエクスマキナ―その4
テトラグラマトン級超時空強襲穿孔揚陸艦“ロンギヌス”。
神喰異世界群への対抗組織【神殲組】の移動手段であり、拠点でもある巨大な要塞戦艦である。
かつて神の子を貫いた槍を用いたとされる聖人となった人間の名を冠したそれは邪神そのものと云える神喰異世界群に対しては非常に効果的な名前とも言えることだろう。
その巨大戦艦のメイン格納庫には巨大な人型の大型機械が中央に鎮座していた。
黒金の巨人―――デモンデウスは完全に炉心が消えている為か、眼からも光は消え、沈黙するかの様に眠りに付いた。
そんな巨人の近くにマントの様に羽織った白衣と中華風のドレス衣装に身を包んだシニヨン頭のセクシー全開な女性が指示を飛ばす。
?????:
「さあ、“働き蟻”達ィ!出番アルよ、ジャンジャンバリバリ働くアルよぉ~!!」
アントワーカー達:
『アーリー!!』
応じる様に働きアリの姿をしたロボット作業員【アントワーカー】は徒党を組んでデモンデウスの整備へと開始する。
デモンデウスに搭載されているナノマシンの群体によって多少の装甲表面や機構内部などは修復は可能である。
しかし、それが行えるのも限りは存在するのもまた事実。
故に一定の期間でナノマシンを含めた全面的なメンテナンス作業を実施しているのだ。
戦闘を考慮しない環境維持的な意味であれば半永久的な活動を続けることのできるナノマシンでもオーバーワークに関してはその限りではないということ。
またデモンデウスはその存在構造的に純粋な機械と云える部分が大部分を占めているのもこういったフルメンテナンスを行う理由付けでもある。
かつて存在していたというデモンデウスのオリジンたる“魔を滅する機械仕掛けの
巨神”を模して作られた“機械仕掛けの神殺し”たるデモンデウス【臥震衝嘆】。
世界を己がエゴで押し潰し、抑え付け、侵し尽くす理不尽の塊たる神喰異世界群に対し生み出された因果応報の魔剣。
全ての感情の源たる“怒りの感情”を剣というチカラに変え、理不尽たる邪悪に介す人に与えられた最後の切り札。
暴力装置という本来であれば忌み嫌われても仕方ない皮肉を伴った希望たる機械仕掛けの巨人を二人の少年少女に託す形となった。
必ずしも正しいとは限らないチカラを糺す為にこの組織に属する大人たる人間たちは己の持つ全てを尽くす。
それが償いであることを信じて―――――
クロ:
「お疲れ様です、龍々(ロンロン)整備長」
デモンデウスから降りてきた2人組の片割れの少年に声を掛けられたロンロンはハァ~(;´Д`)とした誰にでもわかるようなため息を付きながら少年の方へと顔を勢い良く近づけながら抗議した。
ロンロン:
「鐵ツルギくん!何度言えばわかるアルか!!ロンロン博士アルよ!
ハ・カ・セ!!ドクターロンロンでもおkアルがやっぱり博士呼びこそが最高にして最大の名誉アルなのよ!!」
ツルギ:
「―――――名誉、なんですか?確かに博士号は凄いことではありますけども・・・」
ロンロン:
「スーパーロボットに携わる者にとって博士という称号は名誉であり栄誉である
偉大にして大事な要素なのアルよ!!大げさ?シャラップ!!!!スーパーロボットを製作できる存在があるからこそこの組織が邪神達【神喰異世界群】へ対処出来ているのだよチミィ!!!」
美しい美貌とは裏腹の血走った眼を眼鏡を介してかっぴらぎながらツルギへと迫り力説するロンロン。
そんな彼女に若干気圧されるツルギだがそれでも平静な様子は崩さなかった。
すると何かに気付いたロンロンはツルギの周囲を見渡す。
ロンロン:
「それはそうと――――“ライカ”はどうしたアルか?」
ツルギ:
「ああ、彼女はもう食堂の方へと向かいましたよ」
―フラグメント・マテリアル―
神殲組
「神喰異世界群に対抗すべく結成された正式名称【対神喰異世界群殲滅組織】とそのまんま略したもの。命名者はエイハブ船長だが『センスがない』『ANTIとかあっただろ?』など方々から抗議があったそうだがこれといってしっくりこないものばかりだったらしく、エイハブ船長の鶴の一声でこのまま決まったという経緯があるのも忘れてはいけない。」




