第38話:暴食の格闘王―グラトニーオブバトルマスター―その9
あまりにも不意を突かれたかのような言葉に一瞬、キョトンとしてしまったツルギ。
その様子に顔に傷痕を有する男はフッと笑みをこぼす。
?????:
「すまないな。唐突な上にいきなり声を掛けちまって――――お前さんからはそういう“匂い”を感じたモンでね」
ツルギ:
「匂い?」
?????:
「ああ――――おっと名乗りがまだだったな悪りぃな」
そう言うと改めて男は名乗る。
?????:
「俺の名はトリガー。本名、というか名前は棄てた身でな。便宜上そう名乗ってるだけだ。好きに呼んで貰って構わねぇ」
ツルギ:
「トリガー、さんも別世界の?」
トリガー:
「まあな・・・」
少し言葉を濁しながらボロマントの男―――トリガーは答える。
そこへ選手案内を告げるアナウンスが鳴り響く。
アナウンスの声:
『さあ、戦いに飢えた獣の猛者共・・・!!待たせたな!!コロッセオの準備が整ったので舞台に上がってくれ。さあ、楽しい宴を始めようぜ!!』
些か物騒な物言いを言うアナウンスの言葉に応じる様に選手たちはぞろぞろと移動を始めた。
殺伐としていた彼らは先ほどまでとは打って変わって落ち着き払った様子で指示に従ってコロッセオの方へと向かっていく。
トリガーを名乗った男もその後に続く様に動き始める。
ツルギ:
「あ・・・」
トリガー:
「先に行くぜ。まあ、お互いに気張ろうや・・・」
呼び止めようとしたツルギにそう答えるとそのまま控室から後にするトリガー。
しばしの間、棒立ちの状態になってしまったツルギだがすぐに我に返り、そのままコロッセオへと己も続く。
その道中でトリガーの言っていた“匂い”のことを思い考えていた。
ツルギ:
「匂い、か・・・」
ふとツルギはトリガーから感じていたモノを思い浮かべた。
アレがトリガーの言う“匂い”なら彼の感じている匂いは
ツルギ:
「――――彼から懐かしさを感じたのはどういうことなんだ・・・」
色々と思うことはるがまずは当初の目的である格闘大会へと進むことを考えるツルギであった。
―フラグメント・マテリアル―
トリガー-1
「アバドン主催の格闘大会に参加していたボロマントを羽織った男。強面さを感じさせる雰囲気を醸し出しているが本人的には割とフレンドリーさを有する。その正体と目的はわからないが“匂い”を感じ取るなど謎多き人物。」




