第35話:暴食の格闘王―グラトニーオブバトルマスター―その6
ツルギ:
「暴食―――――」
マナ・ケミア:
「ライカもある意味では暴食だよね、というか暴食だね」
ライカ:
「なんか来そう気がしたっスけども実際言われると傷つくー!!!」
ガビーン!!とショックを受けるライカを余所にツルギは再び思考していた。
あの邪神の巨腕。
対面した当初は状況が状況だけに良く視認や観察は出来なかったが今冷静に考えれば獣を彷彿とさせる様な口もしくは顎を思わせると感じた。
人の形をしたケルベロス、というよりも名前通りのアバドンに近いなのかもしれない。
ツルギ:
(――――暴食の象徴の悪魔はベルゼブルだけども些細なことかな)
破壊の象徴とされることもある悪魔としてのアバドン。
そう考えるとあのアバドンと名乗る邪神は様々なダブルミーニングなのかもしれない。
ツルギ:
「そう考えるとこの神喰世界の構造がなんとなくわかりますね」
ヨハネス:
「そうだな」
ライカ:
「どういうこと?」
2人の言葉に疑問符を浮かべるライカ。
それに応える様にヨハネス先生が答える。
ヨハネス:
「答えはこの格闘大会だよ」
ライカ:
「これが?」
ヨハネス:
「暴食に限らず、大罪と目される事柄はいずれも“人が欲している欲求”から来ているのだよ。基本的にはどんな感情も欲求と繋がっており、決して離すことのできないものだ。それは生物としての本能であり、生命としての原動力でもあるんだ」
ライカ:
「原動力」
ヨハネス:
「アバドンが格闘大会を開くのも自身の内にある闘争心を欲求としての原動力としているのだろう。格闘家としての気質としては強い人間ないしは生物との闘いを望んでいるが故の衝動を発散させる為のモノであるならば辻褄はある程度合うだろう」
ライカ:
「つまり――――アバドンは“俺より強いヤツに会いに行く”ってヤツッスね!!」
ツルギ:
「会いに行くというか待ち構えているというか・・・」
マナ・ケミア:
「誘い込んでいるんじゃないかな?」
ライカ:
「二人とも――――揚げ足取りに来ないで(泣)」
ポロポロと泣くライカをよしよしヾ(・ω・`)するマナ・ケミアを余所にツルギはヨハネス先生と会話を続けた。
ツルギ:
「つまりアバドンは己の欲求を満たす為に格闘大会を?」
ヨハネス:
「仮説かつ憶測に過ぎないが彼が“飽くなき貪欲な欲求”を満たそうとしているのならば・・・あるいはな」
―フラグメント・マテリアル―
ソロモン:
『現在、確認できる情報はありません。何か更新されましたら報告致します』




