第34話:暴食の格闘王―グラトニーオブバトルマスター―その5
ヨハネス:
「張り紙かね?」
マナ・ケミアから促される様に視線をそちらに向ける。
壁に何か張り紙がされており、そこにはイラストと文字が描かれていた。
二人の様子に気付いたツルギとライカもそのイラストに視線を向けていく。
ツルギ:
「これは何かのイベントか?」
ライカ:
「一応、ボクらでも読める文字らしいッスね。えっと何々・・・格闘大会?」
壁に張り出されていた紙の内容を口に出すライカ。
書かれている内容は格闘大会に近い催しを行うことが書かれていた。
優勝者にはチャンピオンであるアバドンへの挑戦権を得ることができると書かれている。
ライカ:
「これってさ」
ツルギ:
「釣り出し・・・誘い出しか」
マナ・ケミア:
「まあ十中八九、私達を誘っているヤツだよね」
内容を見てツルギ達はそう思った。
基本的に邪神の作る神喰異世界群は邪神の望む世界であるので邪神の世界の住人は基本的には彼らの欲求を満たすだけの道具でしかない。
だがそれでも限界はある。
だからこそ、外部から有力な人材を神喰異世界群へと引きずり込んでいくこともあるのだ。
大概の場合は己の我欲・欲望を満たす為の人材もとい生贄で無差別に選ばれるというか無理やり連れ去りに近い。
ライカ:
「つまりキャトラれる!!」
マナ・ケミア:
「むしろ、誘い込まれたと言うべきなのかな」
ツルギ:
「多分、どれも少し違うと思う―――」
2人へのツッコミをするツルギを余所にヨハネス先生は別の考え方をしていた。
ヨハネス:
「先の戦いで現れた邪神――――アレがアバドンだとすれば彼の性格を考えてみれば可能性は無くはないのかもしれない」
ツルギ:
「どういうことですヨハネス先生」
ツルギの疑問にヨハネス先生はこう仮説を説く。
ヨハネス:
「以前、街の住人から聞いた話なのだがアバドンは常に“強者との闘い”を求めているらしい」
ツルギ:
「強者・・・」
ヨハネス:
「そう・・・まるで飢えた獣の様に骨の髄まで食い尽くしても尽きないほどの貪欲なまでの闘争心を有し、その様はまるで“暴食”の様だと言っていた――――」




