第29話:神喰異世界群―クラックワールド・カオスエンド―その8
ツルギ:
「師匠!?」
後ろからの気配と声に驚き、ツルギは自身の背後にいる人物へと振り返る。
そこには困り顔をしたどこか剣士風の狼のケモ耳をした女性がごまだれ麺つゆミックスのきつね+肉うどんを食していた。
太めのうどんをすすり、その美味さに絶賛の声を上げた。
師匠らしき女性:
「うーん、やはりうどんは太さが命よね~細いのも嫌いじゃないけども暖かいや冷たいぶっかけうどんはやはりこの太さが一番良いのよね~そう女の子の太ももの太さも大事なのよこれが」
ツルギ:
「さらりとなに言ってるんですか・・・」
ライカ:
「クロくん、この人が?」
ツルギ:
「――――そう、俺の忍術の師匠・・・13代目桜神流忍術総代、桜神リオ師匠だ」
ツルギからの紹介にどうも~と反応を返しながらうどんを食べる桜神リオ。
そんなうどんを呑み込んでリオは弟子であるツルギに指摘を行う。
リオ:
「ダメだよ~ツルギくぅ~ん。もっと印象強く紹介して貰わないと記憶に残らないゾ!」
ツルギ:
「――――こういう性格なんで、真に受けなくていいからねライカ・・・」
ライカ:
「わかった」
ツルギの呆れた様な姿勢からのリオの紹介になんとなく察したのか素の状態で頷くライカ。
そんなライカの姿を見たリオは笑みを浮かべながら手を振る。
リオ:
「貴女がライカちゃんね。ツルギくんの忍術の師匠してます桜神リオで~す!よろしくね♪」
ライカ:
「あ、ハイ・・・よろしくお願いいたしますデス」
急な自己紹介もあってか素の状態でそのまま反応してキョドってしまうライカ。
その様子を見たリオはフフフ・・・と笑う。
リオ:
「カワイイわねぇ~たくさん食べてカワイイ女の子は良いわよ~スタイルも中々良いわねぇ~これゴスロリとか」
ツルギ:
「師匠、一体何の用で来たんですか?あと、自分の趣味をいきなり初対面のライカにやめてください」
グイグイと動くリオに真顔で止めに入るツルギ。
メンゴメンゴと軽めに謝るリオに少々面食らっているライカを余所にツルギは呆れ気味のため息をはく。
リオ:
「まあ、用があるからこそここに来ているからそんなに目くじら立てないでツルギくん」
ツルギ:
「師匠のペースがマイペースどころの話じゃないのも原因ですけどね・・・」
ライカ:
「苦労してるんだねクロくんはホント」
ツルギ:
「これでも序の口だけどね・・・とりあえず、師匠サッサと用件言ってください。司令達を呼びますから」
リオ:
「大丈夫、大丈夫。私が直接赴くからツルギくん達はゆっくりしてなさい。貴重な年代の貴重な時間よ。大切しなさい」
ツルギ:
「妙に説得力がない――――」
リオ:
「まあまあ師匠であるおねーさんにお任せなさい!それじゃねぇ、ライカちゃん。こんな子だけどもよろしくね」
ライカ:
「え?」
ツルギ:
「師匠!!」
笑い声と同時に疾風の如く姿を消すリオ。
逃げられたか・・・とがっくりと肩を降ろすツルギ。
ライカ:
「――――とりあえず、なんか食べよっかクロくん」
ツルギ:
「ありがとう・・・、あと済まない。ああいう人なんだ・・・常に人を煙に撒くんだ」
ライカ:
「面白い人だとは思ったッスね」
喧騒が過ぎ去った格納庫。
そこに1つの人影が姿を現す。
その姿は先ほど食堂にいたツルギの師匠、桜神リオであった。
アントワーカー以外の人の姿は彼女のみの格納庫でリオはジッととあるものを見ている。
それはツルギとライカが搭乗しているデモンデウスだ。
先程までのあどけなさを伴った表情はなく、どこか友を見る様な真剣な表情を見せている。
リオ:
「―――――」
ジッと彼女はデモンデウスを見る。
黒き刃金の魔神は沈黙を保ったまま、ハンガーに鎮座していた。
そんな沈黙が支配する静寂な空間の中、ポツリと声が聞こえる。
リオ:
「―――――あの子達をよろしくね」
そういうとリオは踵を返し、その場を後にした。
黙って見守っていたデモンデウスの瞳が暖かみを伴った光をぼんやりと見せるのをアントワーカーは目撃するのみであった。
―フラグメント・マテリアル―
桜神リオ-1
「鐵ツルギの師匠を務める13代目桜神流封魔忍術総代を務めている女性。飄々とした掴みどころのない性格をしており、何を考えているのかもよくわからない謎のおねーさん。剣士風の恰好をしているがこれでもニンジャマスターである。なおツルギ曰く『修行はスパルタ通り越してヘルアルティメット』」




