第20話:黒鉄の執刀者―マスターオブカドゥケウス―その12
パラケルススの魔剣。
四大元素の再発見の功績など有名な錬金術師にして医師であるヴァン・ホーエンハイム・パラケルススの名を冠する。
賢者の石たるエリクシールを四大元素と混ざ合わせて融合させた蛮刀の形状をした事象魔術機構。
刀身に組み込まれた数多の儀式的魔術形式を高速で演算出力し、周囲に事象として顕現させる。
単純な剣という武器としてではなく、魔術を行使することを可とした疑似的な万能の願望機でもある。
ヨハネス:
「炎の如き、熱を帯び如何なるモノも溶断する刃と為せ!!」
詠唱の様に言の葉を紡ぐと同時に黒き刀身が赤熱化する。
炎を思わせる火の粉を伴い、火の元素を付与していく。
マナ・ケミア:
「魔剣属性、火属性付与」
ヨハネス:
「ゆくぞ」
炎の魔剣を思わせる熱気を伴ったパラケルススの魔剣を構えるカドゥケウス。
それを見たアバドンの部下達は若干気圧されていたがすぐさま体勢を整える。
アバドンの部下A:
『怯むんじゃねぇ!!さっきも言ったが数はこっちが勝ってる!!数でボコれば良いんだよ!!どんな力を持っていようがこっちにはアバドン様の“おチカラ”があることを忘れるな!!』
アバドンの部下E:
『そうだ、数の上じゃこっちが有利なんだよぉぉぉぉぉぉ!!』
ライカ:
「なんかヤケクソ気味なのは気のせいじゃないッスよね?」
マナ・ケミア:
「だいぶヤケクソになってるね、ザコの哀しい性分だね」
アバドンの部下G:
『畜生、ふざけんじゃねぇぇぇぇ!!』
女子二人に煽れたことで逆切れ同然となった数人がカドゥケウスへ向かって突進してくる。
だが漆黒の機械巨人は特に動じることも無く、構えを崩さない。
間合いを見極めるかの様に微動だにせず、相手の動きを見極めていく。
ツルギ:
「ヨハネス先生!」
ヨハネス:
「まあ、見ていてたまえ」
まるで講義を行うかの様に優しい口調で答えるヨハネス。
それに反応する様にカドゥケウスの瞳が一瞬の瞬きの様な光を見せる。
同時にカドゥケウスは翼を広げ、敵に向かって突進し、右腕に持った蛮刀を振りぬく。
ヨハネス:
「一閃・・・スレッジヒートスラッシュ!!」
熱を帯びた蛮刀を用いて機械仕掛けの怪物の身体を溶断する様に切り裂く。
そのまま返す刀の如く、他の2体も一瞬にして袈裟斬りにした。
残心を思わせる動きを持って蛮刀に付いた汚れを払う様な素振りをする。
そして遅れた時を取り戻すかのように切り裂かれた敵はいずれも時間差で爆散していった。
ツルギ:
「凄い・・・!」
ライカ:
「ワッザマーエ!!」
アバドンの部下A:
『―――――――――!!』
ヨハネス:
「さて、まだまだ私たちはいけるぞ?どうすかね」
余裕を持った感情の声を敵に向けるヨハネス。
気付けば数十体ほどいたはずのアバドンの部下達はデモンデウスとカドゥケウスの活躍により、ほぼほぼ打倒されおり、残りはツルギ達と最初に相対していた者のみを残すだけであった。
アバドンの部下A:
『バ、バカな・・・こんなことが現実なのか!?』
―フラグメント・マテリアル―
パラケルススの魔剣
「カドゥケウスが用いる事象魔術機構。賢者の石で構成されており、四大元素を円滑に伝達しやすい分子構造となっている。形状は蛮刀を彷彿とさせるものとなっており、賢者の石によるエーテル分子によって即座に形成可能となっている。その為、砕かれても即座に再形成が可能でヨハネス曰く『メスは多めに常備するものだよ』」




