第2話:機械仕掛けの神殺し―アンチデウスエクスマキナ―その2
神喰異世界の端末たる機械仕掛けの怪物たちの残骸が周囲に散逸した大地に立つ黒金の巨人【デモンデウス】
その内部の操縦席で二人の少年少女はそれぞれの役割を果たしていた。
上部操縦席に鎮座している眼鏡を掛けた金髪の美少女とも云える外見の少女は表示した半透明のコンソールやモニターを操作し、周囲のスキャンと分析を行っている。
下部操縦席にいる少年は腕組みをしながらも外部を映し出しているカメラモニターから周囲の警戒を行っていた。
そんな中、操作を行いながら少女が少年へ言葉を投げる。
?????:
「周囲の神喰汚染率は68パーセント・・・さっきの雑兵共を駆除したとはいえ、まだ汚染率はそこまで下がってないッスねぇ・・・」
?????:
「やはり、“神核”をどうにかしない限りは汚染率そのものが下がらないか。位置は?」
?????:
「ちょっと待つッスよ~―――――――」
テキパキとカタカタとコンソールを操作する金髪巨乳の少女。
?????:
「わかったッスよ、11時の方角へそこからちょっと移動した部分に反応をキャッチっス!!」
?????:
「了解、移動する」
短くそう答えると少年は組んだ腕を解き、左右のコントロールスフィアに手を
置き、念を通して黒金の巨人―――【デモンデウス】へと指示を飛ばす。
少年の念に応じた黒金の巨人は指示通りにその方角へと向けて移動を始める。
しばらく移動して到着するとその場は周囲が歪曲しているかの様に空間が歪んでいた。
そしてその歪みの中心に怪しく光る球体を思わせる物質化した何かが宙に滞空しているのを視認する。
?????:
「ラヴ、アレで間違いないか?」
ラヴ:
「適合率99.8パーセントで間違いないッスよクロくん、それがこの世界を神喰している“神核”ッス!!」
ややテンション上げな状態で返答するラヴと呼ばれた少女に同じくクロと呼ばれた少年は身構える。
クロ:
「よし、それじゃ摘出するぞ」
ラヴ:
「りょ~かい!一気に決めちゃって!!」
二人の声に応える様にデモンデウスの右腕に変化が生じる。
先程の戦闘の様に装甲を展開するがさっきとの違いは機関砲へと変化していた右腕の武装ユニットがまた別の形へと変形していく。
大狼の顎を彷彿とさせる形状は同じだが内側の牙を思わせる部分が上下それぞれがまるでチェーンソーの様な電動の回転刃へと変わったのだ。
左手で起動用の伸縮式レバーを勢いよく引っ張るとまさしくモーターが稼働し、
チェーンソーとしての機能を開始する。
こちらの動きに気付いたのか、“神核”の方も空間を用いた触手の様な黒い鞭状の物体をけし掛けてきたが【デモンデウス】はそれに臆することなく、稼働した右腕の戦闘用ダブルチェーンソーをフル稼働させてそれを粉砕する。
そしてそのままの勢いで“神核”へと向かい、突撃していく。
クロ:
「汝ら邪悪に与えるは無慈悲な断罪のみ!残念無く後悔無く悲鳴無く、ただただ
散華せよ!!」
言葉と同時に神殺しの大狼を思わせる電動ノコギリの刃が神喰異世界の“神核”を捉える。
先程と近い顎の奥には黒く小さな孔が生じていた。
それは如何なる存在すら砕き呑み込む虚数の孔でまさしく大神を呑み込んだ
大狼のそれを彷彿とさせる慈悲無き無情の攻撃。
虚数の孔と上下の金属の回転刃が容赦なく“ソレ”を嚙み砕く様に粉砕していく。
悲鳴も上げることも無く、神喰異世界を構成していた存在はその場で消滅するのであった。
神喰異世界群-1
「“クラックワールド・カオスエンド”その名の通り、神に喰われて構成された“壊れた世界”の成れの果て。神と称する邪悪な超常存在によって理不尽に侵され踏みにじられ喰い散らかれた。邪神達とも言うべき者共にとって都合の良い自分勝手な世界として再構成されてしまった世界。“神核”を中心に構成されており、“神核”さえ
無事なら何度でもやり直せる。誰が呼んだか“ボクの考えた最高最低最悪の世界”」




