第16話:黒鉄の執刀者―マスターオブカドゥケウス―その8
?????:
「おらぁ!!さっさと出て来やがれ!もしくは出してこいやぁ!!」
市場にもなる広場でアバドンの配下と思われるモヒカン頭の如何にもな風貌と恰好の暴漢共が暴れ散らかしていた。
手に持った手製の棍棒の様な棒状の武器で周囲を叩き壊しながら叫び散らかしている。
アバドンの部下:
「いるのはわかってんだよぉ!!アバドン様の為にもサッサと出てこいや!!」
周囲の人達や建物にすら危害を加える様に棍棒を振り回すアバドンの部下である暴漢に年配の老人と思しき男性が止めに入ろうとする。
男性:
「やめてください!私達が何をしたと言うんですか!?」
アバドンの部下:
「うるせぇ!テメェらみたいな塵も同然な奴らのことなんか知ったことじゃねぇんだよ!!アバドン様の為に死ねることを絶賛しなぁ!!」
そう言いながら棍棒を老人に向けて振り下ろそうとした時、暴漢の動きに変化が起きていた。
アバドンの部下:
「――――?なんだ、どうした?」
疑問に思いながら棍棒の持った手を動かそうとするのだが棍棒そのものが空中で静止ないしは括り付けられているかのように微動だにしない。
アバドンの部下:
「なんだ、どうなってやがる!?」
流石に焦りの様子を見せる部下たちを余所に1人の人影が老人の傍へと寄り添う。
?????:
「さあ、ここは任せて早く!!」
言葉に促される様にその場を後にする老人を庇う様に前に立つ青年。
アバドンの部下A:
「誰だ、テメェは?」
アバドンの部下B:
「俺達の邪魔をする命知らずなヤツらしいな!!」
ツルギ:
「――――俺の仕掛けた“忍術”に戸惑っている奴らが言うセリフか?」
アバドンの部下A:
「なに?!じゃあこれはテメェが!!」
よく見るとアバドンの部下たちは目の前にいる青年―――鐵ツルギの手正確には指から薄っすらと見え辛いが糸の様なものが飛び出しており、それが空中に蜘蛛の巣の様に張り巡らされたのを確認した。
ツルギ:
「桜神流封魔忍術が一つ【封神:叢蜘蛛(ほうしん:むらくも)】」
ライカ:
「クロくんのお得意の忍術の一つ!ワッザマーエ!!」
ひょこっと姿を現すライカ。
同時に後ろから黒衣の初老の男性とフードを被った幼い感じの外見の少女が連れられて現れた。
ヨハネス:
「中々の手際の良さだねツルギくん」
ツルギ:
「ありがとうございますヨハネス先生」
マナ・ケミア
「サイコロの様にスパッと切れるの?」
ツルギ:
「一応、出来なくはないけども―――――流石に公衆の面前ではね」
アバドンの部下A:
「場所によっちゃあ出来るってことかぁぁぁぁ?!」
ツルギとマナ・ケミアのやり取りに思わずツッコミを入れるアバドンの部下。
アバドンの部下A:
「つーか、テメェだな!黒いコートを羽織ったジジイ!!」
ヨハネス:
「初老ではあるがまだジジイと呼ばれるほどの歳ではないよ」
アバドンの部下B:
「ンナことはどうでもいい!やっぱ暴れたら出て来やがったな!!」
暴漢の言葉にツルギは眉をひそめる。
ツルギ:
「やはりヨハネス先生を狙っていたのか?」
アバドンの部下A:
「それだけじゃねぇ!片腕がデッケェ武器になってるロボットに乗り込むヤツも探しているんだよぉ!!」
ライカ:
「それって―――――」
余計なことを喋った同僚をドつくアバドンの部下。
アバドンの部下B:
「バカ!これ以上、喋るんじゃねぇ!!」
マナ・ケミア
「これは是が非でも聞き出さないとね」
アバドンの部下A:
「そうは行くかよ・・・おいやるぞ」
アバドンの部下B:
「おう!!」
そう言うと同時に部下たちの身体が黒く変色するというよりも黒そのものに変化すると同時に巨大化していく。
その姿はどんどん大きく機械仕掛けの人の形をした怪物へと変わり果てていった。
人によっては世紀末な風貌を想起させる様な感じの歪さも感じさせる醜悪さを醸し出す外見である。
ライカ:
「どこかで見たことある様な外見へと変身したッス!!」
ツルギ:
「変身というよりも変貌か?」
マナ・ケミア
「多分、邪神の眷属としての力を自分に付与による上書き(テクスチャ)だね。本質そのものを上書きしてるんだよ」
ヨハネス:
「要は皮膚の移植手術の様なものか」
ツルギ:
「そういう例え方もあるんですね・・・ただ、向こうがその気ならば・・・」
そう言うとツルギは隣の少女に視線を向ける。
視線に気づいたライカは黙って頷く。
ツルギ:
「ロンギヌスへ、デモンデウスを呼ぶぞ!!」
―フラグメント・マテリアル―
桜神流封魔忍術
「鐵ツルギが取得している忍術。古来の戦国時代より存在する退魔戦を想定しており、魔を相手取ることに特化している。架空の忍術に近いが幻想の力を魔術と魔力、そして神の力を混合させることで真価を発揮する。ツルギの場合は本家の物をベースとして我流にアレンジしている為、本家本元とはかなり異なる。」




