第15話:黒鉄の執刀者―マスターオブカドゥケウス―その7
ヨハネスを先頭にみんなが診療所の外へと出る。
外は住人達が軽く恐慌状態とも云えるパニックの光景へと化してた。
ライカ:
「一体何が・・・」
困惑の様子を見せるライカを余所にツルギは目線だけで周囲の様子を見渡す。
ヨハネスは住人を落ち着かせる様に促しながら状況を聞き出そうとしていた。
ヨハネス:
「大丈夫か?まずは呼吸を整えて落ち着く様に深呼吸をするんだ」
住人:
「(深呼吸をした後)――――先生、ありがとうございます」
ヨハネス:
「何が起きたんだ?」
住人:
「実は地下闘技場の連中が突然現れると同時に突如として暴れ始めたんです!」
ヨハネス:
「地下闘技場の連中が?」
住人の言葉にヨハネスがサングラス越しの表情をしかめながら訝る。
その様子にツルギはふとヨハネスに声を掛けた。
ツルギ:
「ヨハネス先生、地下闘技場とは?」
ヨハネス:
「“この世界”唯一の“娯楽施設”であるその名の通り地下に存在する巨大な空間の闘技場だ。“覇拳の暴君”アバドンが絶対的王者として君臨しており、荒廃したこの世界にある程度の秩序とも云える支配状況を作り出している。今、暴れている連中が地下闘技場からやってきたとなれば・・・」
ライカ:
「そのアバドンとかいうヤツの差し金ッスか?」
ヨハネス:
「いや――――話を聞く限りではアバドンは闘技場での闘争以外には特に興味を示していないとされている。運営などに関してはヤツの傘下の手の者が行っていると聞いたことがある。ヤツ自身がそうするとは考えにくいかもしれんが――――」
マナ・ケミア:
「どっちにしてもそいつらが暴れているのは事実だね」
マナ・ケミアの言葉にああ、と頷くヨハネスは周囲の住人達が落ち着き出したことを確認すると住人の1人に避難する様に促す。
それに応じた住人達は周囲の人々にも促すべく動き始める。
それを見届けたヨハネスは近くに寄ってきたツルギに声を掛けていく。
ヨハネス:
「さて――――どうするかなね?」
ツルギ:
「ワナの可能性は高いですよね。ここまで露骨に暴れ出したのを考えると―――」
ヨハネス:
「だろうな・・・とはいえ、このまま放置するのも些か気分も良くない上に怪我人もでかねん・・・」
マナ・ケミア
「先生」
ああ、と少女の言葉に黒衣の男性は頷く。
そしてツルギのライカの方へと視線を向けて
ヨハネス:
「行くかね?」
ツルギ:
「はい」
ライカ:
「相手さんが露骨に招き入れているッスから誘いに応じるのも礼儀ッスよ!!」
ヨハネス:
「いい返事だ・・・若さだね」
ふと笑みを浮かべながらヨハネスは視線を騒動の中心の方へと向ける。
ヨハネス:
「では――――行こうか!!」
―フラグメント・マテリアル―
マナ・ケミア-1
「ヨハネス先生と行動を共にする少女。ヨハネスのことを【先生】と呼び、敬愛する。口調が少しおかしい部分はあるが性格は礼儀正しいが時折、腹黒いというか毒を痛烈に吐き出すこともある。ヨハネスと共にカドゥケウスに搭乗する」




