第13話:黒鉄の執刀者―マスターオブカドゥケウス―その5
その言葉に一瞬、息を吞むツルギ。
確かに恰好的には不釣り合いなのは確か。
(特にライカのギャル衣装は浮いているのは否定できない)
しかし、それは今目の前にいるヨハネスやマナにも云えることではある。
それを踏まえてツルギはヨハネスの問いに答えるべく口を開こうとしたのが先んじる形でライカが口を開いた。
ライカ:
「むしろヨハネス先生たちもこの世界の住人じゃないッスよね?」
ツルギ:
「ライカ!いきなりそれはどうかと思うよライカ!?」
ライカ:
「え、ギャルってこういうのもヅケヅケ物言うモンじゃないッスか?」
ツルギ:
「どこ情報だい、それは!?」
ライカ:
「そりゃあネットッスよ。クロくんもニンジャなんスからもうちょい忍者らしくしないといけないッスよ?」」
ツルギ:
「ネットに毒され過ぎている!!!」
そんなやり取りをヨハネスはハハッと声を出して笑った。
ヨハネス:
「いやはや、すまないすまない。キミ達を怪しんでいる訳ではないのだ・・・誤解を招いてしまった様だな」
ツルギ:
「いえ、そのような・・・」
ヨハネス:
「悪気があった訳ではなくてね・・・キミ達が信用に足るかどうかを見たくてね・・・気を悪くしたかもしれないな。すまないね」
再度謝ると同時に頭を下げるヨハネスにそんなことは、と応じるツルギ。
皆が再びコーヒーを飲んでひと息置くとヨハネスは自分達のことを話し始めた。
ヨハネス:
「さて――――隠し立てする必要もないだろうから率直に言おう。私達はキミ達とも異なる世界からやってきた者だ。この世界にはある意味では流れで来たとも云えなくもない」
ツルギ:
「やはり―――」
ヨハネス:
「気付いていたかね?」
ツルギ:
「ヨハネス先生よりも彼女―――マナちゃ・・・さんから感じる気配です」
マナ・ケミアからの威圧に若干気圧されながらもツルギは彼女から感じ取れる気配から読み取っていることを伝える。
ヨハネスも気づいていたかと相槌を打ちながら言葉を述べていく。
ヨハネス:
「察しの通り、彼女は普通の人間ではない。人工生命体、と云えば説明は付くかね?」
ライカ:
「ホムンクルス・・・」
ツルギ:
「彼女も、ですか」
ヨハネスからの答えにライカとツルギはそれぞれ何か思う様な反応を示すのをヨハネスは見る。
ヨハネス:
「ではやはり彼女も?」
ツルギ:
「厳密にはライカはホムンクルスとは違います。ただ色々と複雑な事情がありまして――――」
ツルギは少し含む様な言い方をし、ライカも顏を隠すようにカップの残っていた中身を呑む干す。
そんな二人の様子を見たヨハネスはこれ以上の詮索は得策ではないと悟り、話題を切り返る。
ヨハネス:
「それでキミ達がやってきた理由は?」
ツルギ:
「俺達の艦が神喰異世界群の発生震源をキャッチしたことが理由です。通信は出来なくはないですが汚染度合いの関係もあって感度があまり良くなくて―――色々お話したいですが抵触する規律とかもあったりますので」
ヨハネス:
「それは構わない。組織に属するのだ。相応の戒律や規約というものは存在して当然だ。秩序無くして組織は成り立たないものだからね」
そういうとコーヒーを飲み干すとヨハネスは自らの身の上を軽く話した。
ヨハネス:
「私は元々医者だったんだ。困難な外科手術をこなすなどして天才外科医などともたはやされていたりしたものさ。私自身としてはそんな称号紛いなモノは必要無かったんだがね。まあ、医療に従事して十数年だったのだがある時、突然として世界が終わったことを思い知らされたよ」
―フラグメント・マテリアル―
神喰異世界群-2
「邪神の神喰汚染度に応じてその世界の神喰汚染率は異なる。強大なまでの邪心によっては表面的には普通と変わらない世界でもその裏側に応じては人ですら怪物へと変貌しているほど。対抗策としては強い神喰汚染率への抗体か魔力障壁を展開しなければならない」




