京都での出来事①
今回は京都の出張先で起こった出来事です。
京都での仕事の日程が突然1日早まったため、ビジネスホテルの予約が1日ずれてしまった。
それにより急遽、初日だけ宿泊は旅館になった。
これは嬉しい誤算である。
荷物を持って旅館に到着した時、さすが京都の旅館と感心した。
おもむきのある建物は、かなりの古い歴史を感じさせる。
立派な敷居を跨ぎ、旅館に入ると
女将さん「おこしやすぅ♪
ようこそ♪」
優しそうな女将さん自ら、京都弁でお出迎え。
さすが京都、そのお出迎えに思わずほっこりする。
そのままお通しされた部屋は、広い5人部屋の和室だった。
床の間には立派な掛け軸と、高さ1メートルはある巨大な花瓶に、色とりどりの花が豪華に飾られている。
とっても豪華な部屋だ。
当然、旅館だけに夜食も超豪華。
出張メンバー5人で食堂での宴会が始まった。
豪華な料理に浮かれ、全員が晩酌を存分に楽しんだ。
その後、気分を良くした我々は部屋で二次会を始める。
酒のアテはナッツ類とアーモンド。
特にT先輩はナッツ類が大好物で、それで焼酎をしこたま飲んでいた。
それでT先輩はすっかり出来上がってしまい、もう泥酔状態に。
先に布団に入った瞬間、T先輩は爆睡した。
その後
「やっぱ京都の旅館はスケールが違う。」
「特に、この花瓶は凄く歴史を感じる、絶対に高価だろ?」
「この花瓶、良い~仕事してますねぇ♪」
と、話に花を咲かせて二次会が終了。
豆電球にして全員就寝する。
それからどれぐらい眠っていたのだろうか…
私の隣で寝ていたT先輩が突然、飛び起きた。
豆電球の薄暗い中、フラフラと床の間に向かって行ったので、何をしてるんだろうと思って様子を見ていると…
T先輩は巨大な花瓶の前で動きを止める。
私「ん?」
と思った瞬間、T先輩はいきなり巨大な花瓶の花を両手で鷲掴みにすると、花を全部抜き取るのと同時に…
T先輩「オロロロロロロッッッ!!!!!」
口から大量の下呂を吐き出した。
巨大な花瓶の中に向かって降り注ぐ、滝のような下呂。
その雄姿は、まさに京都のマーライオン。
その声で全員が飛び起きてきた。
「大丈夫かっ?」
そう言って先輩方がT先輩の所に行くと、T先輩は鷲掴みにした花束をそのまま花瓶に突き刺し、元に戻した。
T先輩「ハァ、ハァッ…
………
大丈夫や…」
そう言って、フラフラ自分の布団に戻り、何事もなかったように横になって寝た。
薄暗い中、巨大な花瓶を見ると、花にも大量にピーナッツやアーモンドが降り注がれており、更に下呂が花束の周りから不気味に浮き上がっていたのが見えた。
皆は悪夢を見ていたような顔をしながら、静かにそのまま無言で自分の布団に戻っていった。
次の日…




