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モブ王女に転生したら悪役王子の義兄に溺愛されました! 前世の推しを闇堕ちなんてさせない!  作者: まほりろ・コミカライズ配信中


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23話「苛つきが止まらない! 恋のライバルはキザな王太子!?」ラインハート視点





――ラインハート視点――




その日、俺は朝からイラついていた。

隣国の王太子の来訪に備え準備で使用人は忙しそうにしていた。

侍女達は髪型やメイクを整えるのに忙しいようだ。

女性は老若問わずそわそわしていた。


他の奴はどうでもいい。

俺が苛つく理由はレイアだ。


レイアはわざわざ昼間から風呂に入り、入念に支度を整えていた。


半年前、レイアに言われたことを思い出すと今でもムカムカする。


『現状、兄様がクロード殿下に勝てるところはひとつもありませんわ』


顔も見たことのない王太子が、そんなにいいっていうのかよ!


絶対に剣術大会で優勝して、俺の方が上だってレイアに認めさせてやる!







隣国の王太子を迎える為、謁見の間に向かった。

ここに来るのは一年ぶりだ。

あの時は緊張で何も出来なかった。


もうあの頃の俺じゃない。

沢山知識を吸収し、マナーも身に着けた。

剣の腕も磨いた。

堂々とレイアの隣に立てる。


謁見の間にクロードが入ってくると、侍女や女性文官が「はぁ〜〜」とため息を付き、頬を染めた。


クロードは金色の髪に青い目をしていた。

絵本に出てくる王子様そのものといった感じだ。


奴の動きは洗練されていた。

ただ歩いているだけなのに、周囲が魅了されていく。

指一本動かすのにも品がある。

これが生まれながらの王子様が持つオーラなのか……?


レイアまで奴に夢中になったら……!

不安にかられ隣を見る。


レイアは、観察するようにクロードを眺めていた。

侍女のように目をハートにしているわけではないが、奴に興味があるようだ。

もやもやする!


クロードはレイアの前を通る時、一度足を止め、彼女を見つめにこりと笑った。

いちいちキザな野郎だ!

気に入らない!


国王から大会の報酬の話が出たとき、クロードの目の色が変わった。

奴は振り返り、欲を宿した瞳でレイアを見た。


俺はレイアの前に立ち、奴の視線を遮った。

奴はそんな俺を冷ややかに笑い、視線を前に戻した。


腹立つ! 何なんだあの嫌味な男は!


国王や王妃との挨拶が終わると、クロードは俺達の前に来て、一人ひとりに挨拶をしていった。


クロードはレイアの前に立つと、気取った笑顔をたたえ「庭を案内してほしい」と願い出た。


レイアは当然断ると思っていた。なのに彼女は笑顔で奴の申し出を引き受けた。


ショックだ! レイアも侍女のように、すかした王子に心酔しているのか!?


クロードがレイアの手を握り、指を絡めた!

初対面の相手に取る態度じゃない!


俺はレイアの肩を抱き寄せ、奴の腕を力を込めて握り締めた。

かなり力を入れたのに、奴は涼しい顔をしていた。レイアから手を離す気配はない。


レイアは俺と結婚するんだ!

ぽっとでの王子に渡すもんか!


謁見の間で奴と睨み合っていたら、国王に二人でクロードに庭を案内するように言われてしまった。





庭を散策してる間、クロードはレイアの手を馴れ馴れしく握っていた。

レイアもそれを振りほどこうとはしなかった。


レイアはこのキザ男が気になるのか?

恋をしているのか……? 

どんどん焦りと苛立ちが募っていく。


噴水にたどり着くと、クロードはお茶会を提案した。

従者に組み立て式のテーブルや椅子を持ち運びさせるなんて、手が込んでいる。


レイアはこの場は自分に任せ、俺には稽古に行けと言う。

クロードと二人きりになりたいのか?

もやもやとムカムカが同時に襲ってきて、どうにかなりそうだった!


クロードがレイアに気があるのは明白。

なのにレイアは、そのことに全く気づいてない!


惚れたひいき目を抜きにしても、レイアは世界一可愛い!

最近は背が伸びて大人っぽくなって、純粋さの中に色気も混じって、以前よりも魅力が増している!

部屋に閉じ込めて、俺以外の男に見せたくないくらいだ!


レイアは自分の魅力に気づいてない!

彼女を一人残して帰ったら、クロードに何をされるかわかったもんじゃない!


それなのにレイアは「お帰りになるなら、兄様お一人で帰ってください」なんて冷たい事を言う。


クロードが来てから、レイアとの間に溝ができた気がする。

いや、その前からだ。

クロードの来訪が決まった時からだ。


レイアから奴の名前を聞きたくない。

レイアの視界にあいつを入れたくない!






さらに腹が立つことに、クロードは俺がレイアの自由を奪っていると決めつけ、レイアを自分の国に招待したいと言い出した。


短期的な訪問ではなく、長期的な留学の申し出だ。

 

あり得ない!


初対面の相手にグイグイ迫ってくる女たらしがいる国に、大切なレイアを留学させられるか!


奴は、俺の耳元で「僕は剣術大会の優勝の褒美にレイア王女との婚約を望んでいます」と言ってきた。



はぁぁぁあ!?


そんなこと許せるわけないだろ!!


レイアを一番近くで見てきたの俺だ!

今日会ったばかりの奴に、レイアの何がわかるって言うんだ!


絶対にレイアは渡さない!




読んで下さりありがとうございます。

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