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モブ王女に転生したら悪役王子の義兄に溺愛されました! 前世の推しを闇堕ちなんてさせない!  作者: まほりろ・コミカライズ配信中


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18話「剣術大会の報奨! ラインハートの望み!」ラインハート視点



――ラインハート視点――



レイアと結婚すると決めた翌日から、俺は必死に努力した。

教師が嫌味を言おうが、嘲笑しようがもうどうでもよかった。


熱心に勉強に打ち込んだお陰で、難しい本も読めるようになった。

勉強と同じくらいマナーのレッスンも厳しかったが、必死に覚えた。


三カ月を過ぎる頃には、もう誰も俺を馬鹿にすることはなかった。


色々な授業の中で、一番緊張したのはダンスだ。


俺と身長が合うのはレイアしかいなくて、いつも彼女が相手をしてくれた。


レッスンでは体を密着させることが多く、その度に心臓の鼓動が早まった。

手が汗ばむし、緊張で体が上手く動かない。

顔に熱が集まり、喉がからからになる。

足がもつれ、何度もレイアの靴を踏みそうになった。


俺がこんなに緊張しているのに、レイアは涼しい顔でステップを踏んでいる。


俺だけが意識しているみたいで悔しい。

レイアの精神年齢が幼いのを差し引いても、もやもやする。


最初の頃は酷く緊張して息も上手く吸えなかったが、慣れとは恐ろしいものだ。

数カ月たつ頃には、卒なくステップを踏み、レイアをリードできるようになっていた。


「先生が太鼓判を押していました。

 兄様に教えることはないそうです」


ダンスを踊りながら、レイアが微笑む。


「レイアと踊れなくなるのは寂しい。

 レイアの手を離したくない」

 

レイアの手をぎゅっと握りしめる。

レッスンの最終日、思わず本音が漏れてしまった。

俺の気持ちに気づかれてしまっただろうか?


「そんなに悲しまないでください。

 私で良ければ、いつでも練習に付き合いますよ」


そんな心配は無用だった。


「パーティーに参加すれば、他の令嬢とも踊れます。

 今の兄様なら引く手あまたです。

 兄様と踊りたい女性が列を作りますよ」


「他の女とは踊らない!」


レイア以外と踊るなんて、考えただけでゾッとする。


「レイアの事も、他の誰とも踊らせない!」

 

レイアが他の男と密着するなんて、想像もしたくない!


「思ったよりシスコンに育ってしまったわ。

 でも、ヒロインに会うまでの虫除けにはちょうどいいかもしれない」


レイアがボソッと囁いた。


「では兄様に婚約者ができるまで、私がパートナーを努めます」


レイアが顔を綻ばせた。


「約束だぞ!」


俺も笑顔で返した。


俺はレイア以外と婚約も結婚もするつもりはない。

でも、今はまだ伝える時じゃない。










ダンスのレッスンが終わり、代わりに剣術の稽古を受けることになった。


半年後に、隣国の王太子が来訪することになり、それに合わせて剣術大会が開かれるらしい。

俺もそれに出場することになった。


今日から剣術の訓練が始まる。

それはいいが、なぜかレイアも訓練を受けるといい出した。


強くなりたいという意志は尊重するが、危ないので無茶はしないでほしい。


数日後、俺の心配は的中しレイアが訓練中に足を怪我した。


俺は彼女をお姫様抱っこして、医務室に運んだ。


レイアと至近距離で接することに慣れたつもりだった。

だけど、レイアが俺の肩に腕を回し顔を近づけてきたとき、心臓が口から飛び出るくらいドキドキした。 

まだまだ修行が足りない。


医務室に入ると、先客がいた。

嫌味なワグナーだ。

あいつも剣術大会に参加するらしい。


ワグナーはふんぞり返りながら、レイアに治療を命じた。

怒りで奴を殴りそうになったがなんとかこらえ、強めの口調で脅し睨みつけるだけに留めた。


ワグナーは真っ青な顔で逃げて行った。

あんな奴、もはや俺の敵じゃない。


だけど、少し面白い話を聞けた。

剣術大会の優勝者は、国王に願いを叶えてもらえるらしい。


それが本当なら、俺はレイアとの結婚を願う。

もう少し大人になってからと思っていたが、レイアは日に日に可愛くなっていく。


レイアに邪な目を向ける輩も増えた。

彼女に恋情を寄せる見習いの騎士や執事を、何人追っ払ったかわからない。

兄のままじゃレイアを守りきれない。


いきなり結婚はできないだろうから、まずは婚約したい。

これからは、レイアの婚約者として傍にいたい。


婚約者がいる王女様に、横恋慕してくる愚か者はいないだろう。

もしいたら、婚約者の権限で徹底手に排除してやる。


半年間、彼女の傍にいてわかったことがある。

レイアは誰にでも優しいわけじゃない。

現に、同じ兄でもワグナーには死ぬほど冷たい。


レイアが俺に向ける笑顔は、他の男に向けるものとは違う。

時々、レイアから熱い視線を感じる。

それは兄を見る目ではなくて……。

自惚れかもしれないが、レイアも俺のことを……。


レイアを想って眠れない日も増えた。

これ以上、気持ちを隠しておけない。


剣術大会で優勝して、彼女にプロポーズする!






ワグナーと入れ替わりに、医者が戻ってきた。

女性の医者だったのでほっとした。


医者とはいえ、男がレイアに触れるのは嫌だ。

幸いレイアの怪我は大したことなかった。


夜になったらルーディーに治療してもらおう。

あいつは最近一人で出歩くようになり、夜にならないと帰ってこない。

昼間は城の中を散歩しているようだ。

神獣は気ままだ。


女医が隣国の王太子の話を始めた。

彼女は頬を染めながら、王太子がいかに凄いか熱く語り出した。


隣国の王太子がどんな男だろうと、レイアには関係ない。

奴の来訪が決まった時だって、レイアは退屈そうな顔をしていた。


それなのに、レイアは今になって新しいドレスを作ると言い出した!

女医から王太子の話を聞いて興味が湧いたのか?

女医の言う通り、奴と婚約したいと思っているのか!?


心臓が嫌な音を立てる!

他の男の為に着飾ったレイアなんか見たくない!


女医が言う通り、レイアが剣術を習っているのは、奴と大会で戦う為なのか?

奴の顔が間近で見れるから!?

危険を犯してまで、奴と接点を持ちたかったのか!?


レイアは奴の方が俺より上だ断言した。

レイアの口からその言葉を聞いた時、俺はショックで倒れそうだった。


心の中をどろどろした黒い感情が這い回っている。

王太子への殺意だ。


レイアと結婚するのは俺だ! 後から出て来た奴に渡してたまるか!


隣国の王太子だろうが、騎士団長より強かろうが、キメラを一人で倒せようが関係ない!

奴に勝って、俺の方が上だってことをレイアに見せつけてやる!


王太子クロード! 

恨みはないがお前を完膚なきまで叩き潰す!

首を洗って待っていろ!



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