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モブ王女に転生したら悪役王子の義兄に溺愛されました! 前世の推しを闇堕ちなんてさせない!  作者: まほりろ・コミカライズ配信中


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14話「ラインハートの決意!」ラインハート視点



――ラインハート視点――



侍女が退室したあとも、俺はしばらくその場を動けなかった。


母親のこと。

国王と血の繋がりがないこと。

それから、レイアとの結婚のこと……。


情報量が多くて上手く整理できなかった。


二週間前まで、俺はレイアのことを清楚で可憐なお姫様だと思っていた。


でも、実際に話してみたらイメージとかけ離れていた。

強引で、距離感がバグってて、大胆で、無防備で、お転婆で……心が暖かくて、優しい目をしていた。


それに、俺のことを誰よりも考えていてくれた。


気がついたら以前よりも好きになってた。

何度も気持ちに蓋をしようとした。

でも無理だった。


俺とレイアの間に血の繋がりはない。

……もうレイアへの気持ちを我慢しなくてもいいのか?


周囲も俺とレイアの結婚を周囲が望んでいる。

レイアに恋しても……結婚してもいいのか?


彼女への思いが日に日に募っていく。

今までのように、遠くから見ているだけでは満足できない。


俺はレイアを愛している。


国王の策略にハマるのは癪だが、レイアと結婚できるなら奴のことも利用してやる。


もう、自分の気持ちを抑えたりしない。


「妹だから」と自分に言い聞かせて、距離を取ったりしない。






だけど、そのためにはクリアしなくてはいけない課題が沢山ある。


今の俺ではレイアに相応しくない。


レイアと結婚するということは、国王もしくは王配になるということだ。


文字の読み書きはもちろん、色んな知識や作法を身に着けなくてはならない。


それから、彼女を守る為には力も必要だ。

剣術や魔法についても学びたい。


教育係から逃げているようでは、レイアと結婚するなんて夢のまた夢だ。


決めた! 俺はもう逃げない!


レイアと結婚する為なら何でもする!








洗濯室から出て廊下を歩いていると、レイアの後ろ姿が見えた。 


まだ俺のことを探していてくれたんだな。

彼女の後ろ姿がいつもより愛しく思えた。


俺とレイアに血の繋がりはない。

もう、気持ちを押し殺さなくていいんだ。


そう思うと、不思議と胸の奥が熱くなった。


「レイア!」


俺が呼びかけると、彼女はうさぎのように耳をピクッとさせ振り返った。

彼女の栗色の髪がふわりと広がり、思わず見惚れてしまう。


レイアの動きだけがゆっくりと見える。

俺に気づいた彼女が、顔を綻ばせる。

俺は彼女の表情の変化に瞬きを忘れる。


彼女はぴょんぴょんと跳ねるように駆けてきて、俺の目の前で止まった。


「ラインハート兄様!

 どこに行ってたんですか!?

 あちこち探したんですよ!」


レイアはほっぺを膨らませ、俺を睨んだ。

そんな顔も可愛い。


「授業から逃げ出すなんて……。

 教育係の先生がカンカンでしたよ!」


「すまない」


「一緒に謝ってあげますから、一緒に……!

 ちょっ……兄様!?」


俺はレイアの腕を掴み抱き寄せた。


「兄妹とはいえ、いきなり抱き寄せるのはマナー違反ですよ!」


「レイアだって不意打ちで俺に抱きついてくるだろ?

 だからおあいこ」


「そうですが、今は大事な話を……」


「わかった」


俺は腕をほどき、彼女を解放した。

レイアに照れている様子はない。


俺ばかりドキドキしてなんか悔しい。

いつかあいつの顔を真っ赤にさせてやりたい。


「レイア、今日はごめん。

 授業から逃げ出すなんて、情けないよな」


「いえ、あれは先生や使用人の態度も悪かったです。

 次からはあんな態度をとらせません!

 兄様のことは私が守ります!」


レイアは目に強い光を宿し、両方の拳を胸の前で握りしめた。

気持ちは嬉しいが、守られてばかりなのは悔しい。


「これからは真面目に授業を受ける!

 マナーやダンスのレッスンもサボらない!

 先生にどんな嫌味を言われようと、使用人に笑われようと、逃げ出したりしない!」


俺がそう宣言すると、レイアは口をぽかんと開き目をパチクリさせた。


「兄様!

 その決意はとっっっても嬉しいのですが、どういう心境の変化ですか!?」


「別に……。

 ただ、欲しいものができただけだ」


レイアの瞳を真っ直ぐに見つめる。

愛してるって気持ちが、レイアに伝わるように。


「……欲しいもの?」

 

レイアはわからないといった表情で、首を傾げた。

……恋愛方面にかなり鈍いようだ。


こいつはまだガキなんだ。

男とか女とかそういう区別がないんだ。

だから、一緒にお風呂に入ろうと言ったり、押し倒して服を脱がそうとしたり、ネグリジェでベッドに潜り込んできたり出来るんだ。


「今はまだ秘密だ」


「あーー、ずるいですよ!

 教えてくださいよ!!」


今はまだ気持ちは伝えられない。

こいつがもう少し大人になったら、俺の気持ちと一緒に血の繋がりがないことを伝えよう。


今はまだ親密度が足りない。

レイアが俺を構うのは、俺のことを兄だと思っているからだ。


血の繋がりがないとわかったら、離れていってしまう。

だからまずは、めいっぱい可愛がって、甘やかして、俺が傍にいないと生きていけないくらい依存させる。


結婚しようって伝えるのはそれからだ。

そのために、まずは世界一のブラコンに育てる!


「ガキには内緒だ」


「子供じゃありません!

 私は兄様より大人です!」


レイアはプーッと顔を膨らませた。


「そういう態度が子供なんだよ」


早く大人になりたい。

レイアに好きだと伝えられるように。


それまでに、いっぱい勉強する!

彼女の隣に立つのに相応しい男になるんだ!





 


―レイア視点―



ラインハートと共に勉強を始めて一週間が経過した。

厳しい授業に耐えきれず、ラインハートが逃げ出した。


彼に勉強を教えるのは、早かったかも知れない。

もう少し、第三離宮の暮らしに慣れてからにすればよかった。

そんな後悔を抱えながら、私は彼を探し、離宮内を走り回った。


離宮ってどうしてこんなに広いの?

学校でかくれんぼしてる気分だわ。


洗濯室も、音楽室も、調理場も、食堂も、衣装部屋も探したけど、ラインハートは見つからなかった。

彼はいったいどこに行ってしまったの?







数時間後、探し疲れて廊下をトボトボと歩いているとき、後ろから声をかけられた。

声でラインハートだとわかった。


駆け寄って小言を言うと、彼は素直に謝罪した。


授業を抜け出したときは、焦燥と苛立ちを抱えているように見えたが、今はずいぶんさっぱりした表情をしている。


かくれんぼしている間に何があったのかしら?


彼の変化に戸惑っていると、不意に抱き寄せられた。


かくれんぼ前は人前で手を握られるのも嫌がってのに……!

どういう心境の変化かしら?


もしかして、私を家族と認めてくれたのかな?

だとしたら嬉しいなぁ。


ラインハートは「これからは真面目に授業を受ける! マナーやダンスのレッスンもサボらない! 先生にどんな嫌味を言われようと、使用人に笑われようと、逃げ出したりしない!」と宣言した。


彼の瞳には迷いがなく、強い意志が宿っていた。


彼がやる気になってくれて、とっても嬉しいわ!



「ラインハートをクロードを超えるハイスペ男子に育てて、ヒロインとくっつけよう作戦!」は一歩前進ね!





一日2話更新にしたかったのですが、推敲が間に合わず……(^_^;)

一日1話は必ず更新したいと思います!

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