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第九話 YES!!

いつも『レストラン・ゲロマズ』をお読みいただき、ありがとうございます。


第九話は、ゲロマズらしい笑いの中に、少しだけ張り詰めた空気が入り込むお話です。


初めて訪れる外国人客。


言葉は少し違っても、美味しいものを食べた時の気持ちは世界共通なのかもしれません。


そして物語の最後には、新たな謎が一つ。


笑って読んだあと、「あれ?」と思っていただけたら嬉しいです。


それでは、第九話「YES!!」をお楽しみください。

昼の十二時。


レストラン・ゲロマズ。


カラン。


「いらっしゃいませダー!!」


店長のピヨ田ゲロ彦が迎える。


元気だけは誰にも負けない。


料理は別だった。


二人の外国人が店へ入ってきた。


一人は長身で鋭い目をしている。


マテオ・オルカだった。


もう一人は体格が良く、穏やかな顔つき。


サントス・ゴードンだった。


「コンニチハ。」


「イラッシャイマセダー!!」


ブル子が二人を席へ案内する。


メニューを開く。


「ムズカシイ……。」


「オススメハ?」


ブル子が微笑んだ。


「シェフの気まぐれ定食がおすすめです。」


二人は顔を見合わせる。


「ソレデイイ。」


その時だった。


「ハローシャー!!」


シャー子が突然現れた。


二人は驚いて振り向く。


シャー子は胸を張った。


「エイゴシャー。」


サントスは笑顔で親指を立てる。


「YES!!」


シャー子も負けじと親指を立てた。


「YESシャー!!」


ブル子は思わず笑ってしまった。


やがて料理が運ばれてくる。


サントスが一口食べる。


目を丸くした。


「YES!!」


マテオも一口。


静かに頷く。


「ウマイ。」


サントスは夢中で食べ始めた。


「ナゼダ……。」


「ミタメト、チガウ。」


原島修一郎は少し離れた席でコーヒーを飲んでいた。


外国人二人を見ることもなく、


静かにカップを置く。


「ごちそうさま。」


それだけ言って席を立つ。


ブル子は小さく頭を下げた。


「ありがとうございました。」


修一郎は店を出て行く。


しばらくして、


マテオとサントスも会計を済ませた。


「ゴチソウサマ。」


店を出る。


駐車場でマテオが足を止める。


店の入口へ視線を向けた。


「ミツケタナ。」


サントスが頷く。


「マチガイナイ。」


少しだけ沈黙が流れる。


マテオが静かに呟く。


「レインメーカー……。」


サントスは空を見上げた。


「ヤハリイキテイタ。」


二人は黒い車へ乗り込む。


低いエンジン音だけを残し、


静かに走り去った。


レストラン・ゲロマズでは、


今日も店長の元気な声が響いていた。


「イラッシャイマセダー!!」


【第九話 完】



最後までお読みいただき、ありがとうございました。


今回は、マテオ・オルカとサントス・ゴードンが初登場しました。


見た目はいかにも怖そうな二人ですが、ゲロマズの料理には思わず「YES!!」。


文化や言葉が違っても、料理の美味しさに驚く姿は、どこか親しみを感じていただけたのではないでしょうか。


一方で、物語の最後には「レインメーカー」という謎の言葉が登場しました。


それが人の名前なのか、コードネームなのか、それとも別の意味を持つのか──。


その答えは、これから少しずつ明らかになっていきます。


笑いあり、謎ありの『レストラン・ゲロマズ』は、まだまだ続きます。


次回もぜひお付き合いください。

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