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【完結】刻の檻刀シリーズ②偽りのsânge ー赤き薔薇が示すものー  作者: 慧依琉:えいる


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第62話:ロワールが辿り着いた場所は……………。



ドライトはその腕の中に陛下、ロワールを抱きしめている。






どんどん冷たくなる身体。

もはや息もなく、もちろん脈も止まっている…。






〝これで人間に戻るなんて信じられない…。陛下はこのままもしかしたら…!〟




ドライトは不安にかられていた。














***






その頃、ロワールはふわふわと意識だけが別世界へとやってきていた。




「どこだ?ここは…。辺り一面、真っ白だな。こんな場所は千年以上生きてきたが初めてだな。」




ロワールはふわふわとしばらく辺りをうろついていた。


だが、どこまでも続く真っ白な世界。光で満ち溢れている場所だ。






「こんなに強い光が沢山あると身体に影響を及ぼすのではないか?」






そう思って自分の身体を見るが、ロワールの本来の姿のままだった。




「もう朝を迎えていたのに、この姿でいられるとは、一体どうなっているのだ?」






不思議な感覚だった。




だが、それよりもロワールは自分の身体が異常に軽いことに気付いた。








「不思議だな。まるで空を飛んでいるかのように思えるくらいだ。」








─────そう、ロワールがいる場所は輝夜たちも経験したあの場所だ。










果てしなく彷徨い続けたロワール。


とうとう真っ白な世界から白黒の世界へと足を踏み入れた。






「ん?なんだ…?ここは…。」






ロワールは今までと違うこの場所を見て






「まるでチェス盤のようだな…。」






とポツリと呟いた。








すると目の前にさっき見た創造主が現れた!






「─────な、お主はさっきの…!」








それと同時に凄い圧を感じた。






「うっ…!これはさっきも感じた圧!」






ロワールは床にペタッツと押し付けられるかのようにガクッツとなった。








「無事、ここに辿りついたのだな。」






創造主がしゃべった。






「ここは一体…。」




「お主は死んだのだ。」




「─────死んだ?………………。ははっ、そうか、そうか。」




ロワールは納得しながらもその頬には涙が伝っていた。


やっとあの悪魔の自分から解放された喜びなのだろう。








「そこで、お主はこれから人間として生まれ変わる。」




「─────!」






ロワールはピクリと反応する。




「だが、俺はもう生きるのに疲れた………………。」




「それではお主は逃げるのか?お主の妹である輝夜は立ち向かったのに。」




「─────!」




弱気になっていたロワールの心が一気に加速する。


記憶がなくて実感がないとは言え、その時の瞬間を垣間見たであろうに、それでも自分を開放するために動いたミリアナの魂の持ち主。






「あぁ…、そうだな。俺はミリアナに償うためにも生きなければならない。」




ロワールの瞳に希望が宿った。






「お主に提案がある。」




ロワールは強く頷き、




「ああ、何だって受け入れよう!」






その言葉を聞いて創造主はフッツと小さく笑みを浮かべた。






そして創造主は静かにロワールへ語りかけた。その言葉を聞いたロワールの表情が大きく変わる。
















***






その頃、元の世界ではロワールの身体に体温が戻りつつあった。






ドライトは肌でそれを実感してポロリと大粒の涙を浮かべ、「陛下!」と叫んだ。その様子を見て輝夜は〝戻ってくる〟ことを確信した。そしていつの間にか創造主は消えていたことにも気付いた。




〝創造主さま、ありがとうございます!〟




心の中で感謝した。








ほどなくしてロワールが目を覚ます。一番最初に見たのがドライトだった。


自分を見て涙を浮かべている。かなり心配したのだろう、と手に取るようにわかった。




「すまない………………。無事、人間に戻ったようだ。ドライト、間もなくお前にも変化が現れるだろう。ザンテもケルドアもだ。アイツらは今どうなっているのだ?」




「陛下、すみません。他のやつらが今どういう状況なのかわかりません。」




「ハハッツ、良い。それよりも、もう陛下ではないのだぞ。お前は俺よりも年上なのだから、俺がお前を兄貴って呼ぶことになりそうだな。」






輝夜は二人のやり取りを見て微笑ましく思った。






〝きっとロワールも創造主さまのところに行ってきたはず。だとしたら間もなくってことはそれも創造主さまに聞いてきたのでしょうね。だったらここはもう大丈夫なはず。満流たちはどうなったのかしら………………。〟




輝夜はそっとその場を離れて満流たちを探すことにした。








「そんなに遠くには行っていないはず………………。」




そう思いながら洞窟の外を目指して歩く輝夜。






人の気配を感じる。




「みつ………………。」




声を掛けようとしたが、満流は蹲ったままだった。少し離れたところには悠一がいる。そしてザンテは?と辺りを見回すとどうやら変化が始まっているようだ。






「ウォォォォ………………。」




小さな呻き声が響いてきた。






「満流!」




輝夜は満流のそばに駆け寄る。輝夜の姿を見て満流は正気を取り戻す。






「輝夜?どうした。もうアイツを倒したのか?」




そう言って満流は輝夜を見たあと、ザンテの方を見た。






輝夜は首を横に振った。




「じゃあ、あのザンテの様子は……………。」






「見てて。私、成功したのよ。」




「え………………。」




輝夜はニコッと笑ってひとことだけ言った。




「彼も間もなく人間に戻るのよ。」






満流は輝夜の言葉に信じられないと言った顔をしていた。だが、輝夜がこんな事で冗談を言うこともないので




「マジか!?」






と、一言だけ言った。




「ふふっ、マジよ。」




「はっつ、やったな。じゃあこれで俺たちの勝利、いや、平和が訪れるんだな?」




満流が上機嫌でそう言うが輝夜は首を横に振って




「黒幕……………、親玉?がいるわよ。ロワールをあんな風にした張本人が。ソイツを探さないといけないんだけどね。」




「なんだ、まだ平和は遠いんだな。よし、ソイツを探しに行こう!」




お気楽な満流に輝夜は大きくため息を吐いて




「そんな簡単に見つかるわけないじゃない、もう、満流ってば!ロワールにも協力してもらいましょ。」




そう言って輝夜は満流の手を引っ張った。







ご覧下さりありがとうございます。やっとロワールが人間になって戻ってきました。これからの展開にもご期待下さい。

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