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【完結】刻の檻刀シリーズ②偽りのsânge ー赤き薔薇が示すものー  作者: 慧依琉:えいる


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第55話:追い詰められるロワール!だが輝夜の一言で誰もが固まる…!



満流の白のキングとしての基本武器であるキングソード。普段は彼のピアスになっている。「スピア」と彼の声で呟くことでピアスから剣になる。だが、それだけだとただの剣だ。キングソードへと変化させるには輝夜の覚醒と連動していなければならない。




白のキングは自分の体内から途切れることのない膨大なエネルギーが生産される。それはクイーンへの祝福として与えられるためのものであり、その恩恵として剣がキングソードに変わる。




キングソードは銀の装飾がされた剣だ。そこに霊力を込めることで大きなエネルギーの一撃を輩出することが出来る。






その剣にロワールが注目をしている。






どうやら気付いてしまったのだろう。


今まで余裕だった彼の顔が引きつり始めた。






「はっ、それで我を葬るつもりか!」






だが、その引きつった顔の瞳の奥には違う思惑が見え隠れしていることに輝夜も満流も気付かない。






「そうだ。これでお前を抹殺する!それが我々人間のためになるんだ!」






満流はキングソードを両手に構えた。そして洞窟内だが空に向けて剣を振り上げる!






そのまま一気に剣に霊力を集中さす。








ドゴォォォォォ─────ン!








大きな轟きと共に洞窟の内部が一部避けている。どうやら空へと空間が出来てしまったようだ。






「は?そんなことをして何になるのだ?我を葬るのではないのか?」




ロワールは満流が直接自分に向かってこない事に違和感を覚えた。






「あぁ。そんなに死に急ぐものでもないだろ?種まきはしておくべきかと思ってな。」




「は?言ってることがわからんが?」




「いいんだよ!わからなくて!そらっ、お望み通り、行くぞ?!」




そう言って満流は今度はロワールに向かって突進して行く。








ロワールも簡単にはやられない。人間ではない彼は身体が軽くすばしっこい事を上手く利用して逃げているようだ。




「ハハッ!こんなに興奮する事は何百年ぶりか?!」




どうやらこの状況を楽しんでいるようだ。






「は?お前っ、自分の命がかかってるというのに、楽しんでるのか?変な奴だな。」




満流は逃げ回るロワールを追いかけながら相手にしていた。












その時輝夜は影切刀を使って上手くドライトの攻撃を交わしている。




「女!その刀が銀の剣に変わると聞いたが、使わなくていいのか?」




ドライトは煽っているわけではなく、ただ不思議なだけだった。自分を殺すには充分な武器のはずなのに何故それを使わずに戦おうとするのか…。






「そうね、その方が簡単なのかもしれないけど、私は今でもあなたたちが人間に戻れないかと思っているわ。」




「─────!?」




ドライトに衝撃が走り、攻撃の手が止まる。






「人間にだと…。」






「ええ、そうよ。今更かもしれないけど、あなたも決して好んで今の吸血族になったわけではないんでしょ?」






輝夜が切り返す。








ドライトは黙ったまま動きも止まったままだ。




─────はっ、




小さく息を吐いた彼は


「愚かな。」






そう呟いて、再び輝夜の元へと突進してくる。








「そんな夢物語を語るのを忘れるほど、我々は長く生き過ぎたのだ!」




─────ガッツ!!






ドライトの攻撃には衝撃が伴う。いくら身体強化、硬化をしていても元々はか弱い女性である輝夜だ。きっとあとになって筋肉痛が酷くなるだろう。






「あなたは今っ!〝長く生き過ぎた〟と言ったわね!?」






輝夜は受け止めたドライトの腕を振り払った。






「それはつまり、今の状況に満足していないってことよ!後悔してるってこと!」




輝夜に指摘されてドライトは鼻で笑う。






「はっ、そんなこと、何百回もしたさ。だが、何も変わらなかった。だからもう思うことをやめた。それだけだ。小娘にはわからないだろう。」






ドライトの言葉から輝夜は、その後悔は今も続いているのだと悟った。






〝─────あぁ…。やっぱり、この人たちは……………!〟






輝夜は胸が締め付けられた。影切刀を握る手が微かに震えた。










この刀を剣に変えるのは簡単なこと。今なら充分反応するはず。だが、それだと彼等は開放されない。






輝夜は影切刀を銀の剣に変えるのは最終手段として、彼等を人間に変える方法はないのか考えながらドライトとの戦いに挑む。




〝今まで彼らが必死に探し求めても、得られなかった答えを私が簡単に見つけられるとは思えないけど…。何故だかわからないけど、何もかもこの首筋に現れた聖痕が導いてくれる気がする…。〟






輝夜は望まぬ形で吸血族になってしまった彼等に同情している。そしてふと、


〝ドライトは「長く生き過ぎた。」と言っている。それは後悔していることを意味する…。だけど誰も元に戻れない…。どうして?そもそも、最初に彼らを吸血族にしたのは誰?〟




そう思った瞬間、疑問に浮かんだ事を口にした。






「ねぇ、結局、あんた達の親玉はどこなの?」






輝夜の一言でドライトどころかロワールも動きが止まった。そして満流もだ。






「な…に………………?」






それは誰一人として辿りつかなかった考えだった。








震えるロワール…。


その事を考えようと、彼の頭の中に微かに残るあの日の記憶が少しずつ浮かんでくるー。






「そうだ………………。」


「我は…あの日…。」


「何かに嵌められた気がしたのだ……。」




ロワールの手が震えている。








それはロワールだけの記憶に残る辛く哀しい遥かな過去の出来事だった。







ご覧下さりありがとうございます。いい感じで戦いのシーンが続いています。

輝夜が切り出した言葉はこのあとどう影響を及ぼすのか?!

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