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【完結】刻の檻刀シリーズ②偽りのsânge ー赤き薔薇が示すものー  作者: 慧依琉:えいる


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第54話:白のクイーンとキング、覚醒する!



ロワールの本性を目の当たりにした輝夜はしばらくは茫然として動けずにいた。

そばでやり取りを見ていた満流は輝夜の心境が痛いほどに伝わってきた。


〝輝夜……………。俺はそんなお前だから惚れたんだ。〟


満流は心の中で思うとギリッと唇を噛んで、ロワールに向かって光矢を放つ!


「うりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ─────っつ!」



その数は目で追えないほどの数だったが、ロワールは簡単にひょいひょいっと避ける。

それでも満流は光矢を放ち続ける。ロワールが避けた先を計算して。それでも彼は簡単に避ける。


ジリッと満流の額から汗が流れた。


でも彼は諦めずに光矢を放ち続けた!




「ハハハッ!気に入ったぞ!益々、我はお主を気に入った!」



ロワールはまるで遊んでいるかのようにはしゃいでいる。



それでも満流は無言のまま光矢を放ち続けた。



「陛下っつ!」



ドライトがロワールの元へと駆け付けようとしたが


「来なくていい!」



どうやらロワールに止められたようだ。



「我は楽しんでおるのだ。邪魔するでない!」



「しかし陛下…。」


心配するドライト。だがロワールは自身の部下であるドライトよりも目の前で自身に向けて殺気を放つ敵である満流の方が気になって仕方のない様子だ。




「くどい!我の楽しみを奪う気か?お主にこのような事、我に出来るのか?」


「申し訳ございません、陛下。流石に陛下に向かってそのような事は……………。」


「はっ!だったら黙ってそこにいろ!そうだ、女、お前が相手してやれ。」


ロワールは邪魔をしてくるドライトを追い払いたくて輝夜に振った。



輝夜は満流の事が心配で様子を伺っていたのにロワールが余計なことを言ったせいで、どうやらドライトがその気になったようだ。輝夜に視線を向けてジロリと睨んできた。その視線に輝夜は気付いてピクリと身体が反応した。


ロワール程ではないが、彼からも相当な妖力を感じたからだ。



〝確かに私の中にもある力だけど…。今ならまだキングの祝福が残っているから勝ち目はある。でも…。〟



輝夜が迷っているのを満流は察知していた。


「俺のことは構わなくていい!計画とは違うが、そっちを頼む!」


満流は輝夜がドライト相手にすぐに反応しなかったのは自分を案じての事だとすぐにわかったのだった。



輝夜はそれでも満流が気になるようだ。




だがドライトはそうではなかった。何よりも敬愛する陛下の言葉。すぐに反応したのだ。


「小娘、覚悟ーっ!」


流石に相手から飛び掛かって来られると反応しない訳にはいかない輝夜。咄嗟に身体強化、硬化を施し、ドライトからの攻撃に耐える!


─────ズザザザザッツ!


だが、その衝撃は大きい。輝夜自身の身体は強化、硬化により衝撃には耐えられるが、勢いに押されて後ろに下がってしまったのだ。その場から離れる事も可能だったが、輝夜のそばには満流がいる。彼の邪魔をしたくはないし、輝夜が避けることで満流に影響が出るかもしれないと思うと攻撃を交わすよりも受け止める事を咄嗟に選んだのだ。



「─────輝夜っ!」


満流はそばにいた輝夜がドライトの攻撃により後ずさりしていく姿を目の当たりにした。



「大丈夫よ!ちゃんと受け止めたわ!私の事は気にしないで!満流、お互い全力を尽くしましょう!」


輝夜が平気な様子を見て満流は安心した。ふっと小さく笑って輝夜に返事をした。


「ああ、わかった。」




それを聞いて輝夜もようやくドライトと立ち向かう決心をした。



「仕方ないわね、あなたの方こそ、覚悟はよくて?」


「はっ、小娘相手に私が負けることはない!」



ドライトは自信満々だ。



「その言葉、あとで後悔したって知らないから!─────神刀、影切!」




輝夜は自身の左手から影切刀を召喚した。その姿はいつ見ても神々しいまでに美しかった。

手の平から放たれる神気は輝夜の髪にも宿り、黒から銀髪へと変化する。


「おぉぉぉ……!」


その姿を初めて見るロワールは思わず感嘆の声を出す。


揺らめく瞳も赤く染まる…。



刀は青白い炎を纏いながら宙に現れ、輝夜の右手に収まった。


その瞬間、輝夜の服が白と赤の巫女服から上下白い巫女服へと変化した。白のクイーンの覚醒だ。

同時に満流も輝夜の神気に影響を受けたのか、白のキングとしての真っ白な服に変化した。



「は?お主ら、何者だ?」



ここ一番でロワールの慌てた顔を見た。



「さあな、何者って言われても基本、人間だぞ?」


満流は皮肉っぽく答えた。



「は?人間はそんな変化したりしないぞ?」


「それが何故だか、こうなるんだよ!」


そう言って満流はロワールに向けてキングソードを地面に叩きつける!




ドゴォォォーン!



地響きが凄い!



満流の足元からロワールの足元の方へと地面がひび割れていた!



「は?人間…?」


ロワールはまだ〝人間〟に拘っていた。







ご覧下さりありがとうございます。とうとう戦闘の核心へと迫っていきます。

が、実はこういうシーン、あまり得意ではないのです。上手く書けたらいいのですが、頑張ります。

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