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【完結】刻の檻刀シリーズ②偽りのsânge ー赤き薔薇が示すものー  作者: 慧依琉:えいる


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第50話:最初に遭遇したのは〝ケルドア〟!



とうとう陽が完全に落ちて夜になった。


輝夜たち五人はロワールの造り上げた幻想の居城を目指して山にやってきている。全員身体強化により軽々とここまで辿り着いている。




〝あと少し…。この先に私達が倒さなくてはならない敵がいる…!〟




輝夜はグッと歯を食いしばり、強い緊張を少しほぐすためにふぅーっと息を小さく吐いて空を見上げた。






月は大きく、赤みを帯びている。




〝満月…。じゃぁ、ロワールは私の血が切れていても大人の姿でいられるってことね。ちょっとやっかいね。覚悟していかなくちゃ…。〟






輝夜が足を止めたからか、みんなが輝夜を見ていた。




〝きっと不安に思ってると思われているのね…。〟




輝夜はニッと笑ってみせて大きく頷いた。それを見て安心したのかみんなも同じように頷いた。








〝そうね、ここまで来たらやるしかないわ。そうでないとみんなの命も危ない!覚悟をしないとね…。〟






輝夜は覚悟を決めてひたすらロワールの元へと歩みを進める。






満流は〝無理してるんだろうな〟と思いながらそんな輝夜を少し後ろから見つめている。








悠一はそんな満流と輝夜を更に後ろから見ていて、〝僕たちはどうなったっていい、だけど輝夜さんだけは何があっても守るんだ!〟と強い意志で見ていた。それは更に後ろにいるケンとダナも同じ気持ちだった。






ひたすら敵地へと足を進める五人…。














─────バサバサバサッ………………ッ‼






「ーんなっ!?」




思わず声が出る五人。






そこに現れたのはケルドアだった。










初めてケルドアを見る男性陣は思わずその妖艶さに息を呑む。




─────ゴクリ……………










ケルドアはスタイルも良く、大人の魅力たっぷりだ。同年代くらいのケンとダナはともかく、思春期真っただ中の満流と悠一にとっては目の毒……………いや、本人たちにとっては目の得か?








その様子を見て輝夜は




「もうっ!満流ってば何、鼻の下伸ばしてんのよ!?エッチ‼」




言葉と同時に輝夜に頬を掴まれてて引き延ばされる!






「─────って、テテテ…………ッ!いてぇよ、輝夜……………。」




満流はいたって普通の反応だったのだが、恋人の前ではヤバイ反応だ。






「自業自得でしょ!」




ふんだ!と言うように手を離したあと輝夜はむくれたままケルドアに向かって




「ちょっとあんた!そんな妖艶な姿で現れないでくれる?」




何とも無茶なことを言い放つ。










「─────ふっ、ハハハハハッツ!」




ケルドアは大きな声で笑った。






「小娘、我に嫉妬するなど何万年も早いぞ?まずは色んな所の成長が必要だろうに?」




そう言って輝夜を上から下まで何度もジロジロと見た。








〝ーうッ、女性だからと言っても、こうもジロジロと見られるのはいい気がしないわね……………。〟




輝夜がたじろいでいるとケルドアが煽ってきた。








「さあ小娘!お前を八つ裂きにしてやる!かかってこいっ!」




輝夜はピクリとした。どうしてケルドアは自分だけを指定しているのか……………。






そんな輝夜の前にケンとダナがササッツとやって来て二人で輝夜を庇う。




「クイーン、ここは私達が……………。あなた方は先を目指して下さい。夜明けまでに決着をつけましょう!」




「………………!わかったわ。二人ともどうか無事でいて!」






「もちろんです!あなた方も…!」




そう言うとダナはケルドアに向かって走って行く!




「ちょ…っ、待て!小娘!貴様はわたしが殺すっ!!」




だがケンとダナがその進行を止めた。




「お主らっ!そこをどけろ!!!」




暴れるケルドア。だがケンとダナは阻止を続ける。が、このままでは突破されると思い、ケンがケルドアの気をひくために攻撃を仕掛けた!


「─────獅子吼陣(ししくじん)!」




ケンから発する霊力が圧縮され、衝撃派となってケルドアに押し寄せた。




───────────────ドォォォン!!




獅子吼陣を受けたケルドアはそのまま岩壁へと打ち付けられた。


「…こ、の…っ!」


これにより、ケルドアの視線が輝夜からケンへと移った!!




ダナも負けていない。今度は自分に気を向け差すためにケルドアに技を放つ!




「退魔鎖(たいまさ)っ!」


そう言って霊力の籠った鎖をケルドアに向けた。鎖はケルドアの足に見事に巻き付き、彼女の歩みを止めた!




─────ジャリッ…




ケルドアが足を動かすと聞こえる鎖の音…。








慣れない身体で懸命に戦っているケンとダナ。


人間になった彼等。身体を持つと今までのような霊体とは違い、重たいはずなのに、輝夜は胸がギュッと締め付けられる思いをした。




〝本当に…!どうか無事で……………。〟




輝夜は心の底からそう願った。そして二人の意思を尊重しつつ、作戦通りに先へと進むことにした。




輝夜たちが離れた事を確認して安心して戦いに挑むケンとダナ。








「これで心置きなく集中出来る。…さあ!あなたのお相手は私が致しますよ!」




光の速さで動くダナとケン。ダナは硬化した手をケルドアに向けて振り下ろす!




─────ガン!




鈍く音が響く






金属が金属同士ぶち当たったかのような音だった。




「あなたの身体はしなやかそうに見えてまるで金属のように固いとは……………!」




ダナが言葉を漏らす。




「そりゃ、心がそれだけ醜いからだろう?ほれ、俺からももういっちょ!」




ケンが皮肉たっぷりにケルドアに向かって言うと彼も硬化した足でケルドアの腹を蹴った。




─────ガッン‼




やはり鈍く音が響く…。




「一体あなたの身体は何で出来ているんでしょうね?」




ダナはマジマジと観察するように見て言った。




「ダナ、そんなゆっくり見てないでコッチ攻めろ!」




「バレちゃいましたね。」




余裕を見せるダナ。ケンの呼吸に合わせてケルドアに向かって行く。




だがケルドアは更に上をいくほど余裕があった。








「小賢しい…!お前たちのせいであの小娘を取り逃がしたではないか!チッ、こうなったらお前たちから片付けてやるわ!」




そう言うとケルドアは自慢の爪を大きく伸ばして二人の足元へと突き刺した!




─────ドォォォン!








ケルドアの爪が突き刺さった瞬間、岩盤はまるで紙細工のように砕け、大きな裂け目が地面を走った─────!








「…………な、なんだ?たかが爪だろ?」




焦るケン。




「たかがじゃないでしょ?身体全体が普通じゃないのだから!」




言葉に乱れが出て来たダナ。二人はジリジリと汗ばんでくる。






ご覧下さりありがとうございます。とうとう戦闘開始です。こういうシーンは中々難しい。想像しながら書いていくしかないのですが…、まだまだ表現が下手で困りますね…。頑張って書いていきたいと思います。

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