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【完結】刻の檻刀シリーズ②偽りのsânge ー赤き薔薇が示すものー  作者: 慧依琉:えいる


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第48話:決戦を前に…




ロワールは外はもう陽が昇っているのだと直感で感じていた。


「ふむ…。奴らを再度捉えに行こうと思ったが、どうやら陽が昇っているようだな。仕方あるまい。夜までしばし休むとするか。どうせやつらもろくに眠っておらぬ故、やってくるにしても夜だろう。お前たちも今夜奴らが仲間を連れてやってくる可能性が高い、しっかりと休んでおくように!それから夕方に動けるようになったらケルドアにも参戦するように伝令を送っておけ!」


「はっ、陛下。」


ザンテとドライトは揃って陛下に返事をして頭を垂れた。そしてすぐさま各自、今夜のためにとこの陛下の居城の中の自室へと戻った。どうやら日中は誰にも見つからないようにこの洞穴の周りは幻影の術を仕掛けているようだ。



「我はさっきまで気を失っていたが、だからとて休まずに起きておれば奴らに隙を与えてしまい兼ねぬ。しかと休むことにするか…。」


ロワールは再び休むために自室へと戻ろとした。が、何故だかこの輝夜がいた部屋から出て行く気になれなかった。


〝我はあの娘が欲しい…。あの娘の血は美味であるが、それ以上にあの娘からは何か特別なものを感じるのだ…。それが何なのか我にもわからぬが…。ふっ…。おらぬとなると何だか静かだな……………。〟


そこに輝夜がいて当たり前になっていたロワールにとって輝夜がいないことが自身の心にポツリと穴をあけたように感じたのだった。それが〝寂しい〟という感情であることに、彼は気付かない…。それは彼の長い人生の中で忘れ去られた〝感情〟の一つだからだ。





そうこうしているうちにどうやらロワールも眠りについたようだ。





ー決戦は今夜ー




闘うために準備をする者。休んで体力を蓄える者。戦略を練る者。

皆、さまざまな方法で夜を待つことにしたー




夕方になり、輝夜は目を覚ました。


「ん…、何か変な気分ね。こんな時間から起きて活動するだなんて…。」


窓の外はまだほんのりと明るい。輝夜は起きて窓に近付き、外を眺める。



〝私が捕らわれていたのはどれくらいだったのだろうか…。雨…。降りそうにもないわね。〟


そう思ってクスッと小さく笑った。



これから季節は「夏」を迎える。ヴァンパイアたちにとっては太陽の陽射しがより一層強くなる時期だ。一瞬でも肌に当たればきっと命とりになり兼ねないだろう。


〝銀の剣で刺すのもいいけど、それを利用する方が早いのかしら…。〟


輝夜は知らない。

吸血鬼の眷属ならば輝夜の考えている通りになるだろう。だが、幹部クラスとなるとそう簡単にはいかないのだ。銀の剣で心臓を打ち抜くしかないのだ。


人間と変わりのない姿の敵に対してやっぱりどうしても決断が鈍ってしまうようだ。




満流がどうしているのか気になったので輝夜は部屋を出て満流の部屋を訪ねた。


扉は開いている。



「満流?」


外から声を掛けるが返事はない。小さく息を吐き、


「入るわよ?」


声をかけてから部屋に入る。



どうやら満流はあのあと食事を済ませてから眠ったようでベッドの上でグースカと眠っていた。


輝夜はそばに来てチョコンと座り、満流の寝顔を眺めていた。



〝ほんと、昔っから変わらない。ふふっ、口を開けて寝てる。〟


輝夜は愛おしそうにその寝顔を見つめていた。


そして満流の鼻に指先をチョンとつついた瞬間、


ーガバッツ!



満流に腕を掴まれてそのまま引き寄せられた!



「ーっハッツ!」


満流は少し前からどうやら気付いていたようで鼻先をつつかれて、どうやらちょっといじわるをしたくなったようだ。


「み…。満流?」


輝夜は満流が寝ぼけているのか?と思いながら声を掛ける。だが満流にしっかりと抱きしめられていた。


「満流…、苦しいよ?」


輝夜は小さな声でそう言うと


「バカ…。男の部屋に入ってきたらダメだろ?」


満流も小さな声で輝夜に言う。



輝夜はその言葉に顔と身体が真っ赤になった。


「………ちょ、何言ってんのよ?」


「俺たちは恋人同士だし、俺は〝男〟なんだぜ?」


「満流…?」


「好きだ。大好きだ。…そんな言葉じゃ足りないくらいお前の事が大切なんだ。だからそんな無防備でいるなよな。俺だって我慢出来ない事もあるんだから…。」


満流の真剣な声と言葉に輝夜は素直に頷くしかなかった…。


そして満流は輝夜の額に軽くキスをして


「ほら、そろそろ準備しなくちゃだろ?」


そう言って輝夜を抱き起した。



「………………。う、うん…。」


輝夜の手を取って二人でダイニングへと向かう。きっと皆がもう集まっているだろうから。


向かう途中、輝夜は頭の中がぐるぐる回っていた。


〝な……………なに?なに??今の、なに?〟


満流と繋いでいないもう片方の手で自分の顔を覆うようにしていた。驚きと恥ずかしさで一杯だったのだ。



〝確かに満流のことは大好きだけど…私達はまだ高校生よ?何考えてんのよ?俺だって男って、当たり前じゃん?満流は男で私は女なんだから…。って、もしかして満流って私とそういう関係に進みたいってこと?え?え??〟


輝夜の心臓はドキドキが止まらなかった。





ご覧下さりありがとうございます。決戦へのシーンに向けて、決めたのはいいものの、どうやって話を進めようかと悩んでいたらプライベートで大変な事が起こって停滞しておりました。

しかし公開期日が迫ってきたので何とか一つ前に進みました。

さて、ここから更にどう進めていこうか、悩み中です。ラストはこうしたいっていうのは頭にはあるのですが…。難しいですね。

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