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【完結】刻の檻刀シリーズ②偽りのsânge ー赤き薔薇が示すものー  作者: 慧依琉:えいる


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第43話:無意識領域での誓い



輝夜と満流が必死にロワールの居城から脱出を試みている頃、悠一はひたすら輝夜たちの元へと走っていた。


とりあえず、前回満流を見失った場所まで戻ってきたところだ。






そこで悠一はスマホを取り出した。こっちに満流の位置情報が転送されているからだ。




「あれ?さっき途中で確認した時にはちゃんと情報が届いていたのに、圏外?スマホのアンテナ関係なく伝わるってはずじゃ…。念珠は……………。」




悠一は念珠を探した。念珠がWi-Fiの役目をしているので圏外表示だということは念珠を落としたのかと思ったからだ。




「………………あ、あった。…ということは、どうなってるんだ?彼等に何かあったか?それとも妨害されてるか…。確かここから北上して行けばよかったはず…。」






悠一はあの時に見た地図を頭の中に思い描き、歩を進めた。






だが、大まかな位置がわかったところで入口がわからない。




「満流、繋がらなきゃコレ、意味ないじゃん!」




悠一は愚痴をこぼした。










そんな時、夜が明け始めようとしている薄暗い空を浮遊する何かを悠一は見つけた!






「────ん?あれは…。」






悠一の中ではそれが輝夜と満流であると確信した。その瞬間、思わず悠一は空に向けて霊力の光矢を放つ!






────シュンッツ!








薄暗い空の中に放たれた光矢。


これを輝夜と満流は見逃さなかった。そして放たれたと思われる位置へと視線を向けた。


地表から見れば木々の葉の間から二人の姿が見えるのだが、空中からだと葉に覆われて悠一を見つける事がほぼ不可能だ。






「さっきのは絶対悠一くんだよね。」




「ああ、俺もそう思う。もう一度やってくんねぇかな…。」




そう思って二人はその場所の近くまで行って地表を見つめていた。






悠一も地理的に二人からは自分が見えないのだろうと思って戸惑っていた。だが、二人が近くまで来てそこで待機しているのを見てもう一度光矢を放つことを決めた。






〝これで気付いて!〟






────シュンッツ!






渾身の力を込めて空に放つ。その気持ちと光矢が、空にいる二人に届いた!






「満流っ!」




「ああ。あそこだ。行こう!」




二人は手を繋いだ状態でその場所まで近付いてゆっくりと地表へと降り立った。






その姿は悠一から見たら神々しい姿だった。




〝あぁ…、僕の女神…。僕のクイーン。〟




悠一は膝を折り、頭を垂れて




「おかえりなさい、クイーン、キング。」




自然にその言葉が出ていた。






それはきっと本能的なことだったのだろう。クイーンとキングに無意識に誓いを立てているからだ。






「はっ、やめろ悠一。俺らの間にそんな物はいらねぇだろ?」




満流が言った言葉で悠一は〝はっ〟としていた。キングとクイーンのオーラに無意識にあてられたのだろう。






「ははっ、これが仕える者の意識か…。」




悠一は躊躇いながらそう言ってはにかんだ。






「ところで悠一くん、一人なの?ケンとダナは?」




輝夜は辺りを見回しながら悠一に問う。


悠一の表情が曇る。






「彼等は霊体の具現化なので共に戦う事が出来ないのです。戦いの上で足を引っ張るかもしれないからと、悔しい思いで打ち明けてくれました。」




「………………。そうなの…。それは仕方ないわね。私達だけで乗り込むしかないわね。」




「ああ、あとどれだけ奴らの仲間がいるんだ?」




満流の問いに輝夜は静かに答えた。






「多分、ロワールの下に幹部3人、その下にある眷属は二人残っているはず。ロワール直属の眷属のラビットもいたわね…。」






「ふぅーん、じゃあ、まず眷属全て片付けてから幹部とやり合うか。」




「そうですね、少しでも邪魔されたくないので弱い方から片付けましょう。」




二人で淡々と話しが進んで行く。輝夜は〝片付ける〟という言葉に違和感を覚えていた。彼等の言う〝片付ける〟は命を奪うことなのだから…。


前の敵、悪鬼の時はただの影だったから輝夜も容赦なく昇天させることが出来たが、今回は人間と変わりのない姿なのだ。戸惑うのも無理はない。








「ねぇ…。どうにかして彼等を人間化出来ないのかしら…。」




輝夜はダメ元で二人に声を掛けてみた。


二人は輝夜を見たあと、お互いに見合ってから視線を逸らした。






「輝夜さん…。気持ちはわかるのですが、相手は魔族ですよ?その人間化のやり方もわからないですし、本人たちがそれを望むかもわからない。まして人間化したとして、彼等は今と同じ姿を保てるのかすらもわかりません。もしかすると一気に身体の年齢が進んで、それによって死ぬかもしれない。」




「そうだよ、俺だって輝夜の気持ちを優先したいが、人間化の方法だってわからねぇんだろ?危険すぎる。」






二人に正論を言われて輝夜は言葉が出なかった。




「………………。そ、そうよね…。やっぱり難しいのかな…。」






落ち込む輝夜。二人はあまりにもストレートに言い過ぎたかとちょっと反省をする。








そんな時、二匹のコウモリがやってきた!






「あれは!フラッパとドラドラ!」




輝夜の声で満流も悠一も咄嗟に戦闘態勢に入った。








コウモリたちは人間の姿になって三人の前に現れた。




「あれ?陛下に捧げた女とおもちゃじゃないか!?なんでこんなところに?陛下が飽きたのか?」




「バカドラ!陛下が飽きたからと言って逃がすわけないだろ!俺たちに下げられて全て(血)を奪い尽くすだろが!だからコイツら逃げて来たんだよ!」




「は?陛下の元からか?まさか!」




「見ろ、奴らのあの目!正気を保ってる!逃げてきたんだ!だから俺たちがまたとっ捕まえて陛下に捧げればいいんだよ!」




「なーるほど!そしたら陛下喜ばれる!」






三人は目の前で会話している様子を見ていて〝漫才?〟と思って眺めていた。服装は相変わらずサーカス団員のような服だった。






ご覧下さりありがとうございます。やっと悠一と合流出来た輝夜たち。だが早速三人の前に奴らの仲間であるフラッパとドラドラが現れた!

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