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王城を見学だ

ナルガスは、和解することができたゴブリンの少女・コルナを連れて、レダを始めルードスの子供達と都市ゲラルドの市場などを仲良く散策していた。

そんな時、仕事帰りなのか私服姿が綺麗な受付嬢の女性猫族・[ミア]と出会うナルガス一向。


仕事上がりであるにもかかわらず、この都市をミアが案内してくれる事になった……

ゴブリンに転生した女の子・コルナと和解できた俺は、子供達皆で都市探索をして遊ぶことにした。

どういうわけかレダとコルナは、仲は悪くないはずなのに移動中も口喧嘩が絶えない。


「もぉ~レダちゃん!お兄さんにくっつき過ぎ…歩きづらそうにしてるでしょ?」


「良いの~!私のお兄ちゃんなんだから良いの~‼︎」

うーん、これが年相応のやり取り…で良いんだろうか?


「あははは……」

空笑いしかできない俺を後ろで歩いている子供達も、呆れて笑いながら離れてついてきていた。


「あら、みんなこんにちは!ナルガスさんたら知らないうちにまた女の子の友達が増えてますねぇ~?……ってゴブリン‼︎」


「受付嬢さん!大丈夫だよ?この子は悪い子じゃないから」

ふと俺達に声をかけてきたのは、ギルドでお世話になっている受付嬢だった。

今回初めて私服姿を見た気がするんだが、やっぱり大人の女性はおしゃれだな。


「そ、そうなのですか?この仕事に就いてから不思議なものをたくさん見てきたけれど、こんなことってあるのね~

あなたのお名前はなんて言うのかな?」

受付嬢さんはその場で中腰になって、コルナの目線に合わせて話しかけてきた。


「はい!私はコルナって言います……よろしくお願いします!」


「あら、元気よく挨拶できる良い子じゃないですか!ふふ……よろしくねコルナちゃん

じゃあせっかくだから私も改めて自己紹介しとこうかな

私はミア……みんなもよろしくお願いしますね」

そうか、ミアって名前なんだな。


「ミアさんは今日ってお休みなの?」


「ええ、そうですよ?ナルガスさんたちは何をしてるのかな」


「今はみんなと一緒にこの都市を探索してるところだよ

じっくり見てまわる余裕なんて今まで無かったから」


「そうですねぇ、冒険者の皆さんもあのときは忙しそうだったし……そうだ、私でよかったら案内しましょうか?」


「本当?助かります!一度王さまがいるお城ってのも見に行ってみようかなと考えてたから」


「私たちも見てみたい!」

レダやコルナはもちろん、サラティ達も興味津々だった。


「あっ!王様の事で思い出しましたけど、明日の朝に皆さんを一度お城に招きたいと今朝ギルドに王さまから知らせが来てましたよ」


「本当?」


「はい!」


女子達「やったぁ‼︎」

おお!やっぱり女の子はこの手の話については食い付きが良いなぁ。


「ん?そういやあのギルド長抜きでこんな話って進められるものなのかな?」


「あ~その事なんですがね?今の私はプライベートなので言う訳にはいかないんですが……

今朝で業務が終わったので、それまでに村の長であるジグルさんには伝えているから、帰ったら聞いてみて下さい」


「分かった!そうしてみる……ん?今朝までってことはもしや昨日の朝からなんですか?」

俺はふとひっかかった言葉を見つけたので、少し聞いてみた。


「そうですけどどうかされましたか?」

この世界のギルドもブラック企業かよ⁉︎


 思わず驚いた顔をしてしまった俺。


「いや、そのなんと言うか……お仕事お疲れ様です」


一同「?」


「あははは!ナルガスさん何ですかそれ?そんな挨拶私は初めて聞きましたよ」


「えっ?ああいや挨拶と言うかなんと言うか……本当に大変な仕事なんだなと思ったら」


「フフッ、ありがとう……その気遣いができるようなナルガスさんならどんな種族でも信じてついてきてくれますよ」


「あっ、はい」

やっぱり、異世界での常識と地球での常識は大きく異なるもんなのか?


「では早速向かいましょう!

お城は近くにありますので案内しますから、皆さん私についてきてくださいね」


子供達「はーい!」

ミアさんが前方に見える家々に挟まれた道を先導して歩き、俺たちは少し離れてついていってる中レダが聞いてきた。


「お兄ちゃん、さっきのは本当になんだったの?」


「あーレダ……実はあれ俺たちがいた国の人間社会でやっていた、仕事が終わった人に向けてのやりとりなんだ

ただ、朝から翌朝までの長い時間働かせることはダメと言われていたお仕事、ブラック企業と呼ばれていたものがあったって聞かされた事がある」


「お兄さん、私も前世の両親から小さい頃、昔話として聞かされた事があったよ

なんか、奴隷みたいに朝から翌朝まで休みの日をあげないで、使い潰された人達がたくさんいたんだって

中には我慢できずに自分から死んじゃった人も多かったみたい

とても辛い目にあった人がいたんだなって、私もその話を聞いて悲しいって思ったわ」


「かわいそう…」

レダが悲しげな顔をしていると、リオンが会話に入ってきた。


「ナルガス達は、そんな苦しい気持ちになるところから来たの?……聞いててとても悲しくなるわね

でも、わたしジグルさんから聞いたわ

この国のギルドで働いてるスタッフさんたちは、ちゃんとみんなで交代しながら寝てるって言ってたからきっと大丈夫じゃないかしら?」


「そうなんだ!それを聞けただけでも、俺はここに来ることができて本当に良かった……」

レダとコルナが俺の顔を見て、隣で微笑んでくれている。


「はーいみんな、着きましたよ~

ここが都市ゲラルドのお城でーす‼︎」

俺たちが会話に夢中になってたからか、あっという間に目的地にたどり着いた。だが……


「えっ?ここがお城なの!」

目の前に見えたのは上を見上げるほど高い塔がある城……とは言えず、前世でいう3階建てアパートのような造りの家だったのだ!


確かに他の家に比べると、敷地も広い。

なにせ、ここを中心にする形で民家等の建物が東西南北をぐるりと囲んでいたのだから。


子供達「おおー‼︎」

ルードスの子供たちは大いにはしゃいでいたが俺たちは…


「「「…………」」」

俺、レダ、コルナの3人は違う意味で無言のまま驚いていた。


(((ただのアパート?)))


ミアさんは別々の驚きかたをしている事に対して気にする様子はなく、観光ガイドのように俺たちに説明してきた。


「うふふ!驚いた?本当はここをもっと高い塔にしては?という意見がとても多かったんだけど、先代の国王様がこう言ったらしいの」


ーーーーーーーーーーーーーーー


「私は民を見下ろす形ではなく、共に肩を並べて歩める国をつくる

その為の意思表示として、あえて国民の目線に近い造りに我が家を造ろう!」


ーーーーーーーーーーーーーーー


「…って事を国の設立と共に主張したので、今の姿になったと言われているの

私としては、もう少し大きくても良かったんじゃないかなって思ってるんだけどね」

ミアさん、俺もあなたの意見に同意見です。


「はいはーい、しつもーん!」

元気よくサラティがミアさんに質問をしてきた。


「はい!何かなサラティちゃん」


「今ここのお城に住んでる王族ってなんの種族なんですか?」


「はい!ここのお城は、現在はドワーフ族が王として過ごしておられますよ

ただひとつ問題があって…」


 チュドーン‼︎


一同「⁉︎」


「あー……またやってますね~」

ミアさんはもはや見慣れた光景だと言わんばかりに、涼しい顔をしながらアパート……もとい城を見ていた。


なんなんだ?何かをつくってるのか?


「くぉーらー‼︎バカ息子~!またやらかしおって~~⁉︎」

城の中から男性の大声が響き渡ってきたのが聞こえて、俺たちはビックリしてしまう。


大声が聞こえてくると同時に、城の扉が勢いよく開いて誰かが姿を現した。

彼は、あの爆発音と関係があるのか服装も肌もやや焦げがついてて、髪型がボンバーヘッドになっている状態のまま、俺たちの目の前に現れた。


「…誰⁉︎」

突然外に出てきたその子が驚いている。


「…こちらで絶賛逃亡中の彼が、一応この国の王子・ドルファ様です

彼は様々な実験で失敗する度に、あのように物を壊しては王である父様に怒られて逃げるのが日課という、この国にある観光名所の一つとも言えますね」


「ちょっとミア‼︎僕は見せ物になった覚えは無いぞ!」


「あらー?良いではないですかドルファ様

私に良いものを作るっておっしゃった時、髪も服装も真っ黒けにしてくださった事をお・わ・す・れですか?」

にっこり笑顔のまま、ミアさんは怒ってる…結構コワイです。


「だ、だから悪かったと言ってるだろ~~!僕はただみんながビックリするものをつくって見せたかっただけなんだ!」

何をつくってたんだ?


「ビックリするもの…ねぇ

具体的に何をするための物か分からないから、失敗ばかりしてるのではないですか?ドルファ様」


「……う、うるさいな!なかなか作りたい物のイメージが浮かばないんだよ!」

うーん、もの作りが好きでたまらない感じはするけど、これじゃ収まりがつかないような?


「こらドルファ!そこを動くんじゃないぞ⁉︎」

そうこうしてる間にドルファの父である国王様が追い付いてきた。


「げっ!しまった…」

時すでに遅し…ドルファは捕まってしまった。


「あっ!国王様お久しぶりでございます」

ミアさんが丁寧にお辞儀しながら挨拶をしてるのを見たので、俺たちもひとまず彼女に習ってお辞儀をした。


「ん?おおーミアちゃんか!久しぶりではないか……今日はお休みなのかな」


「はい……この子達が国王様のお城を見学したいと言っていたので、私が案内して参りました」


「ほう、この都市の子供ではないみたいだが…君たちはどこから来たんだい?」

国王様が優しい顔をしながら、俺たちに尋ねてきた。


「俺たちはルードスから来ました」


「なんと!では君たちの中でナルガスという子はおるのかな!」

前のめりになって聞いてくる国王様。


「な、ナルガスは俺ですけど…」

控えめに手を上げながら俺が名乗ると…


「おおー君か‼︎ギルドから注目をおかれている猫族の子供がいると噂で聞いておるよ

凄腕のモンスター解体者だとね!」

えっ、凄腕なのか?


「ああー、確かにナルガスは今や移動しながら解体してくれるからとても助かるよなぁ」

ヴォルスがそう答えると、皆も同意し始めた。


子供たち「うんうん」


「なんと!移動しながらとな…では試しに、ずっと気になっておったのだが隣で飛び続けておるそのブラックビーを倒して、解体してもらえないかな?」

国王様はビーを指差すとルネーガが必死に訴えだした。


「や、やめてよ!僕の大事な友達なんだから殺しちゃダメ‼︎」


「びー、ワルイヤツジャナイ!」

二人(?)は共に抱き合って必死に訴える。


「むっ?もしやテイマー……なのかね?これはなんと珍しい

この都市では見なくなって久しいのでな

すまんすまん」


「えーと国王様、伝えそびれてしまいましたがこの子達はギルドで最近話題になっている子供だけの冒険者達なんです

みんなとても優秀な子達なんですよ?」

ミアさんが胸を張って彼らを推している。


「ほーうそれは素晴らしい!是非皆の腕前を見せてほしいものだな

あと……ワシの目に狂いがなければ後ろにゴブリンの子供がいるように見えるのだが、これはどういうことか?」

国王様の目が徐々に険しくなっていくのを見て、俺とレダがコルナをかばう。


「国王さま、この子・コルナは俺たちの友達なんです!悪いゴブリンではないんです」


「おねがい、殺さないで‼︎」


「二人とも…」

コルナは泣きそうになっていた。


「国王様ご安心下さい?この子は大丈夫ですよ」


「ミアちゃん……分かった、君に免じて信じるとしよう

となると、コルナちゃんと言ったかな?君も冒険者なのか?」


「いいえ国王様、私は近くの森でこの二人に助けられたんです

最初は、確かにナルガス兄さんに敵として殺されそうになった事がありました

思い出すと怖いけど、今はこうして一緒にいられるようになったのでとても幸せです!」


「えっ!ナルガスさんこんなかわいい子を殺そうとしてたんですか……」

ミアさんの目が、洒落抜きでめっちゃ怖い!


「っ!……ああいやその、俺昔からゴブリンに対してうらんでた時があったから

でもコルナは違うって事が分かったおかげで、今は一緒にいても平気だよ」

俺は、今の気持ちを正直に伝えてみた。


「そうですか……それなら私も安心してコルナちゃんとお話してできそうです」

般若の顔になっていたミアさんの顔が、次第に優しい笑顔に変わっていく。


やっぱりこの世界の女性は怖い‼︎


「父上、お願いがあります

僕は冒険者なりたい……知らないところで知らないものに触れ、多くの物を見て自分が造りたいものを探してみたいんです‼︎」


「ならん!……って、言いたいとこじゃがこのまま城の中を実験場としてあらゆる物を壊され続けると、ワシとて気が気でならんしな

良かろう、見聞を広めるためにも旅立って見ると良い!

ただし条件がある……この子達と一緒に行くのじゃ!」


一同「‼︎」


「父上⁉︎」


「ナルガス達、勝手な申し出ですまぬがこのバカ息子を頼む

失敗作ばかりをつくるような困ったこの子じゃが、今後この子ができる事を探す為にも力を貸してはもらえないだろうか?」

国王様が深々と頭を下げてお願いしてきたので、俺たちはもちろん慌ててしまうがミアさんが落ち着いた調子で言ってきた。


「ナルガスさん達がいれば何も悩む事は無いと思いますよ

なにせ、ヘル・ホーネットの大群討伐に一役かった存在なんですから!」

ミアさん、できればあまり持ち上げないで欲しいなぁ。


「それは尚更すごいではないか!よしドルファ、今から冒険者ギルドに行ってきてすぐになってきなさい!

ミアちゃん、すまぬがこちらに…」


「!…はい」

何やら二人は俺たちから距離をとり、密談のようなやり取りをし始めた。


「えっと……ナルガス君だったよね?父上とミアは話に集中してるし、良かったら家の中を見に来ない?」

あのお城の中かぁ。気にはなるけど、さっきの爆発音からして部屋中ごっちゃごちゃになってたりしてそうだな。


「そうだなぁ、見てみたい気はするんだけど散らかったりしてない?さっきのでかい音を聞いてたら何となく不安だし」


「う!そ、そうだね……流石にまずいかも

じゃあせっかくだし空に向かって魔法を放ってみせてよ

僕はまだ魔法ってのは見た事ないから」


「うん良いよ?なんかちょうどいいタイミングで鳥型のモンスターが上を飛び回ってるし、あれを落とそう!試したい方法もあるし」


子供たち「あ……」


「え?え?」

ドルファは残っているが、皆は協力して困惑するコルナを連れて俺から安全な所まで離れて行った。


「ドルファも少し下がってて?危ないと思うから」


「あ、ああ」

ドルファは5歩分離れた所に立ち、他の皆は更に5歩分離れていた。


警戒しすぎでしょ……


「風よ、かの者を落とせ!」

呪文は本当は要らないんだけど、かっこいいしついでに言ってみた。

…が、予想以上に強い竜巻のような風が俺を中心にして鳥型モンスターに向かってまっすぐ昇って行き、逃げ道を奪うと同時に渦の壁内でぶつかりながら真下に落ちてくる。


「ありゃ〜ちょっとやり過ぎたかも……ごめんごめん」


「「「………」」」

これを見たドルファ君と、話に集中してたはずの国王様とミアさんが揃って口を開けたまま俺を眺めてきた。


「んもう…お兄ちゃんってばまた!」


「えっ?レダちゃん…あれがお兄さんの魔法、なのかな?」

コルナは足を震わせながらレダに聞いてきたので、レダも頭を押さえながらそれに頷く。


「うん……お兄ちゃんが必ず魔法を使う時は、やり過ぎって感じるほどの魔法を思い付くの」

ため息を吐きながら、レダは答える。


「……私も魔法とか使えたらなぁ」


「うーん、魔法の適性が分かる方法ならあるよ?1つはここのギルドで冒険者登録ってのをすることと、私ができるやりかたで手のひらを向かい合わせに囲んで…」

レダがルードスで子供達に教えたやり方をコルナに伝えている間、俺はミアさんと国王様、ドルファに取り囲まれていた。


「ナルガスさん!是非今すぐDランクの冒険者になりましょう!いや、なってくださいお願いします‼︎」


「素晴らしい力を持っているな君は!

なるほど、ミアちゃんが一目置くだけの事はある」


「ナルガス君!良かったら僕の作った作品で何かできないか今度試してくれないかな!」


「あ、あははは……」

悪目立ちしちゃったか。


「そうそうナルガスさん!市街地でもチラッとお話はしておきましたが、明日はジグルさんもここに来てくれる事になってるんで明日また来てください!学校建設の件があるので」


「わ、分かりました」

俺はひとまず二人と別れることにし、ドルファと共に向こうでレダによる魔法の訓練をしているコルナ達のところに戻ってきた。


「おかえりー!いっぱい誉められてたね?お兄ちゃん」


「あはは、うん……なんかいまいちすごいことをしたって感じはしてないんだけどな」


「お前は相変わらずだなぁ」

ヴォルスが笑いながら言うと、皆も笑っている。


「ふぅ~…レダちゃん終わったよ?

あっ!お兄さんおかえりなさい!ドルファ王子もこれからよろしくね」


「う、うんよろしくねコルナ…ちゃん?」


「あはは!普通にコルナで良いよ~」


「そっか、分かったよコルナ!みんなも、僕の事は気にせずドルファって呼んでくれないかな」


一同「うん!」


「じゃあ早速だけどドルファとコルナ、冒険者ギルドにこれから向かうけど良いかい?」


「良いよ!」


「うん……」


「ん?どうしたコルナ」

急に元気を無くしてるコルナが気になったので、俺は思わず声をかけた。


「えと……私はゴブリンだから、やっぱりみんなナルガスと同じ反応しちゃうのかなって考えてたら、ちょっと怖くなっちゃって」

話す声は普段通り明るく聞こえるけど、一瞬だけ足元を見たら少し震えていた。


無理もないよね。初対面での俺の行動も原因かも知れないけれど、本来はゴブリンは敵として倒していた相手だったのだから。


「大丈夫だよコルナちゃん!私やお兄ちゃん、それにみんなだっているんだもの」


「うん!」

嬉しそうに頷くコルナ。


「よし、じゃあみんな行こう」


一同「おー!」

そうして俺達は皆、ギルドで二人が冒険者登録できるように王子であるドルファと、ゴブリンであるコルナを冒険者に加えたいことを伝えた。

受付の人と周りの冒険者達も驚きはしたが、俺達が二人の事情を話すと、快く受け入れてくれたので一安心する。


そして、いよいよ二人が手続きの最後である水晶に触れて適性魔法を確認してみるとその結果は……


「あっ!私が触ったら黒と黄色の光が出たよ?」

黒と黄色、闇属性と土属性か…悪くないな。


「次は僕か…」

ドルファが最後に水晶に触れると赤、水色、緑、黄色の光が交互に輝きだした。


「おお‼︎」

俺を含むこの場にいる全員が、俺達が適性を調べていた時と同様に驚いてしまった。


「ドルファ、君はすごいよ!」


「お、王子様がこれほどの力を持っておられたとは思いもしませんでした…」

受付の人もショックが大きかったみたいだけど、二人もいい戦力になってくれそうだ。


「良かった…こんな僕でも何かできるんだね!」


「おーいお前ら!探したぞ」


「ジグルさん!それにお父さんとお母さんもどうしたの?」


「明日は王様の所に行くことになってるんだが、お前達も招待されていたな……道は分かるのか?」


「うん、ちょうど仕事休みに入っていた受付嬢のお姉さん……ミアさんとそこで会って案内してもらったから大丈夫だよ?それと…」

俺は後ろにいたドルファを前に来てもらうよう促す。


「王子⁉︎なんでいるんです!」

あ、ジグルさん面識あったんだ。


「うん……実は僕も、皆と同じ冒険者になれたんだ」


「私もだよジグルさん!」


「コルナもか!それは良かったじゃねぇか……おいおいナルガス、両手に花とは憎いやつだなぁ?」


「えっ⁉︎いやいやそんな…」


「うふふ!あなた、ナルガスがすごく照れてるわね」


「そうだな、これからまた楽しくなりそうだ」


「そうだ!お前らに言っておかないと

一応明日から正式に発表されるから身内だけに伝えておきたい」


「??」


「あの受付嬢・ミアが、新たなギルド長になるんだとさ」


子供たち「ええーー‼︎」

衝撃的な事実を聞かされて驚いている俺達。


明日からいよいよ正式に学校の件について国王様に相談することになった。

新たな冒険者メンバーに加わる、ドルファとコルナの力量もとても気になる。

落ち着いたら、このパーティメンバーの中でそれぞれのステータスを見せあいこしてみようかなと、心の中で密かに考えていたナルガスであった。

ゲラルドの王と受付嬢ミア、そして王子のドルファがそれぞれナルガス達を称賛した後、翌日王城に彼らも一緒に招きいれることとなった。

いよいよ異世界で学校を作るための許可を取り次ぐ事ができたナルガス達は、この一晩はゲラルドに泊まる事に……

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