ジルカが修道女に?
ナルガス達と同じ猫族のギルド長はなんと、リオンをいずれ訪れかねない戦争が来た時の護衛をさせようと近づいていた事が受付嬢の一言で知る事ができた一向。
企みが失敗したギルド長を押さえ込もうとしたライが、彼の隠し持っていた猛毒薬を浴びせられ……
リオンによって粉々に砕かれたプラチナ製の壁は、集まっていた冒険者達によって運ばれていく。
何でも、武器や防具の素材にしたいとの事だ。
もちろん、俺達は今のところ使い道が分からないので承諾した。
「いやあ、良いものを見させてもらったよ!
長い間ここのギルド長をしていたが、このような逸材にはあったことが無い」
リオンに壊された壁が完全に持って行かれたあと、俺達もギルドに戻ろうとしたら貫禄のあるお腹をした猫族の男性・ギルド長が声をかけてきた。
目付きは優しそうに見えてはいるが、俺とレダはオーラ視を通して彼の周りには黄色のオーラが満ちている。
こう言う時は大半悪巧みを考えているものなのだと、最近分かってきた。
「あ、ありがとうございます……」
リオンはおずおずとした態度でお礼は言っているものの、目は警戒心を持っていた。
「ギルド長!」
声のした方を見ると、受付嬢さんが少し怒った顔で詰め寄って来る。
「ちっ……なんだ、何のようだ!」
何故か苛立ちを隠せずに舌打ちをしながら返事をするギルド長を見ると、今度は赤色に変わってきた。
「「⁉︎」」
「その方々が連れているリオンちゃんを含め、その子達はいずれ優秀な冒険者候補に入れるであろう存在です
もし再び戦争になったときの盾代わりとして護衛にしようものなら、せっかくのよい人材がつぶれてしまいますよ?」
「やかましい‼︎受付嬢ごときがワシに意見をするでないわ!」
なるほど、保身のために他人を身代わりに使うタイプだったか。
この受付嬢さんは良い度胸をしている
近くで見ると身体中にアザがチラホラと見えている様子だな。
日常的に対立して傷を負ってきたのだろう……
俺が怒りを押し殺して我慢しているのを見ていたライさんは、進んでギルド長の前まで来ると威圧をいっぱいに込めて黙って睨み付けた。
「な、なななんだ⁉︎部外者が首を突っ込むな……」
パチンッ!っとライさんがギルド長のおでこに軽くデコピンをしたら、ただの瓦礫となった場所に軽々と吹っ飛んで行った。
「???」
そばにいた受付嬢は何が起きたのか分からずに呆然と見ていると、ジルカさんとお母さんが彼女の元に来た。
「さあこっちに!」
「ほら、シャキッとしな!」
二人に声をかけられながら腕を引かれて後ろに下がる受付嬢。
「あ、ありがとうございますでも…」
お礼を言いながら、飛んで行ったギルド長が死んでいないか不安げに見た。
「大丈夫、あれでもライさんだいぶ手加減してくれたんだよ?」
「えっ……」
後ろに近づいた俺が受付嬢に告げると、彼女の顔は真っ青になってしまった……
流石に、元鬼猫様だったとは言えない。
「このうつけ者(バカ者)が!冒険者に依頼というお役目を斡旋する者でありながら、自らの立場を私利私欲の為に使いおって!恥を知れい‼︎」
吹っ飛ばしたあと、ズンズンと歩み寄りギルド長に対して怒りの形相を向けるライさん。
「ひぃっ‼︎」
おお!なんか昔のテレビ番組にこんな台詞のやり取りがドラマであったらしいけど、実物はやはり違うな。
俺が変なところに感心を抱いていると、ギルド長が懐に手を入れて何か触れている?
オーラ視は赤のまま……なんかやばそう
「ライさんよけて‼︎」
「ムッ⁉︎」
俺の声に反応してライさんは後退するも、一足遅かった。
「し、死ねぇ‼︎」
「ぐぅ‼︎」
なんとギルド長が取り出したのは、毒々しい色の液体が入った小瓶だった。
小瓶の中身がライさんの服に染み込み、皮膚に到達したとたんライさんは動けなくなる。
「「ライ‼︎」」
ギウルさんとジグルさんが大声で叫んで近づいて行くのと同時に、ギルド長がポッチャリボディを弾ませながら勢いよく入り口の門に向かって逃げていく。
「受付嬢さん!俺たちが持ってきたあの薬は持ってる?」
「い、いえ……報告受理の後ギルド長が預かるといって持っていました」
「追いかけないと‼︎」
「ただいま~……奪い返してきたわよ~?はいナルガス」
「……え?」
なんとサラティが、やや焦げて気絶しているギルド長を空間に閉じ込めた状態で転移して戻って来たのだ!
そしてきっちり毒スライム達からもらった万能解毒薬を俺に渡してきた。
「えっ?あ、ありがとう!でも……」
「今は早くライさんを助けましょ!話はそれから」
「うん、分かった‼︎」
聞こうと思ったが確かに急いで処置しないとライさんが死んでしまう。
俺はすぐライさんの元に戻り、解毒薬を強引に飲ませた。
「……ぶはぁ‼︎」
ライさんの毒が一瞬で消え去り、呼吸も安定し始める。
国宝級と言われるだけあって、とんでもない回復力だ。
「「ライさん!」」
「ライ様!」
「わ、我は生きている……のか?何やら神様の所に行きかけて[まだこっち来んじゃねぇ‼︎]、っと怒鳴られたような夢を見たのだが?」
いやライさんそれ夢じゃないし!洒落にもならないほど危なかったって事だからね?
「ライ様…」
ジルカさんが目もとに涙を溜めて抱きつく。
「ジルカ、心配をかけたな」
「良かった!あなたが無事で‼︎」
ジルカさんが目に涙を溜めながら、熱い抱擁をしてきたのでライさんも抱き締める。
うん……どうやら二人だけの世界に入ったみたいだから、今はそっとしておこうかな。
あっちはもう大丈夫だろうから、次に確認しなければいけないのは……
「聞きたいことは分かってるわよ、ナルガス……なんで先にこいつの行動が分かったかって言うんでしょ?」
「ああ」
「かんたんよ、だって私空飛べるもん」
そう言いながらサラティは背中の羽を広げて羽ばたき、目の前で浮いて見せた。
「おお!かっこいい‼︎」
「ウフフ!良いでしょ?だから、こいつの動く場所がすぐに分かったんだ
それに軽く炎魔法で焼いてたらさっきの入れ物を落としたから、ついでに取り返してきたの」
言いながらサラティは浮いたまま足を組んだので、スカートの中が見えそうになった俺はすぐに顔をそらせた。
「どうしたの?」
俺が顔を背けてるのを見たレダが間に入って代わりに言ってくれた。
「サラティ、パンツ見えてるよ?」
レダが呆れた顔でサラティがいる上を眺めながら言ってくれている。
「ご、ごめん‼︎」
サラティが両手でスカートを押さえながら、慌てて降りてきた。
「と、とにかく!ライさんを早く治したかったから、すぐに転移で戻って来たってわけ」
まだ照れた顔をしながら説明してくれたサラティ。
「そうだったんだ……本当にありがとうサラティ!」
「良いなぁ、私も空を飛んでみたいな」
「ナルガスさんにレダちゃんそれと、サラティちゃんだったかしら?ギルド長を捕まえてくれて、本当にありがとう!
これだけの事をしてしまったのなら、彼の役職はこの都市ゲラルドを統治する王様から取り上げられて、財産も全てギルドが没収することができますね」
「そうなの?じゃあなんで今までそうしなかったの?」
レダがふと疑問を持ちかける。
「あの人は自分の手で悪さをしてきた訳じゃなかったの
少しランクが高くて強い冒険者の方々を使って、悪い事をさせていたから」
そうか、ここにも前世と同じことを考えるやつがいたんだな。
よりによって同じ猫族ときたか……
俺がうつむいて暗い顔になっていたのに気づき、受付嬢さんは違う話題で気持ちを変える事にした。
「そう言えば、皆は揃って冒険者になりたくて来たのかな?」
「もちろん!俺たちも冒険者ってのになってみたいからな
でも、他にもあるんだよ?」
ヴォルスはニカッと歯を見せながら、受付嬢に俺たちが来たもうひとつの理由を言う。
「それは、俺たちの町にガッコーって所を作りたいんだ‼︎」
「ガッコー?聞いたことないけど何をするところなのかな?」
受付嬢さんが説明を求めて来ると、ヴォルスは途端にオロオロしてしまう。
「えっ!えーとどんなだったっけ……
ナルガスたのんだ!」
「説明振るの早っ‼︎」
俺も思わずヴォルスにツッコミを入れた。
「えっとね、学校は子供達が必要だと思うことを勉強したり一緒に遊べるところなんだ
ジグルさんが町の代表ってことで、ギルドを通して王様にお願いして欲しくて来たんだよ」
俺が今の所説明できる事を詳しく説明した後、受付嬢さんは目を輝かせてその話に乗っかってきた。
「なんとも興味深いお話ですね!是非詳しく聞かせて欲しいです‼︎」
「それは良いけどこいつはどうする?」
そう言いながら俺は、サラティが持っている空間に閉じ込められたギルド長を指差した。
「そうですね……本当なら子供に運ばせるのは気がひけるんですが、皆さん一度ギルドまでついてきてもらえませんか」
「私はかまわないわよ?」
サラティは平気な顔をして受け入れた。
空間を持つ場合は、重力があまり働かないからである。
「よし、じゃあ俺らも一度ギルドまで戻るとするか!
その時にゃ俺が説明と申請をするからよ。ただその前に……おーいライ達!」
「「⁉︎」」
ジグルさんの一声でライさんとジルカさんは二人の世界から戻り、慌てて離れてから立ち上がった。
「熱くなってるとこ悪いが、俺たちはギルドまで足を運んで話をしてきたい
お前らはどうする?」
若干苦笑いをしながら聞くジグルさん。
「う、うむ!我らもついて行くぞ?」
「え、ええ!」
二人はいそいそと俺たちの後ろについてきた。
俺たちが全員ギルドに戻ってきて早々に、受付嬢を含めた全てのスタッフ達がこのギルド長に対する処罰と、俺たちの目的である学校設立の推薦状作製。
並びに6人の子供達を冒険者として登録するための手続きを滞りなく進めてくれた。
「……はい、ヴォルス君シエッタちゃんサラティちゃんにルネーガ君、エリオル君にリオンちゃん
これがあなた達の冒険者証ですので、無くさないようにね?
無くしちゃうと、また作り直すときに高いお金を払うことになるから気を付けてください」
これで彼らも、晴れて冒険者の仲間入りか。
問題は強いやつを倒すことに先走ったりしないように見てくれる存在がいると助かるんだが。
「どうしたナルガス、何か悩みか?」
どうしようかと考えていたら、ギウルさんが声をかけてきた。
「あっギウルさん!実は今さっき冒険者登録をしたあの子達が、無茶をして強いモンスターに向かっていかないか心配で」
「それくらい朝飯前だ!俺がついていこう
新人が無茶して死なないように目を光らせておいてやるよ」
「じゃあ、俺も付き合うぞギウル」
近くで手続きを終わらせたジグルさんが、会話に入ってくる。
「ありがとう!ギウルさんとジグルさんがいてくれると安心だよ」
「ハッハッハ、おうよ!大船に乗ったつもりで任せとけ」
二人は振り返りながら大きく片腕を上げて意気込みを見せると、子供達の所まで足を運んで行った。
「さて、俺はちょっと教会に行って神様とお話してくるけどレダとライさんはどうする?」
「私も行く~!」
「もちろん我も参りますぞ」
「わ、私はちょっと遠慮しとく……」
「あれ、ジルカさんどうしたの?」
てっきりライさんにくっついて来るかと思ったけど、やはり盗賊だったからか?
「ナルガスの坊やも何となく分かるんじゃないかしら……私は盗賊として過ごしていたんだよ?正直言って場違いよ」
「まあ、言ってる事は分かるよ?でもね、教会は元々悪いことをした者たちが自分のしたことを悔い改めたり、お祈りしたり、神様を信じると告白する為に必要な場所なんだ
だから、ジルカさんがもしライさんと共に暮らしたいと思うなら、今までしてきたことをジルカさんの口で言って心を入れ換える為に行ってみない?」
「私が……許されても良いの?生きる為とは言え、たくさんのやつらを殺してきた私を本当に神様は許してくれるの?」
ジルカさんは両手で左右の腕をつかんで少し震えている。
「心配するな、我もお前が本当の悪党ではないことは今日まで過ごしてきた中で分かっている!だから恐れるでない…」
ライさんがジルカさんの肩にそっと手を回して優しく抱き締めた。
「失礼ながら、お話は聞かせて頂きました……我らギルドも規則として本来犯罪者を見過ごす訳には参りません
ですが、私たちはナルガスさんやライさん達が正しく生きる方であることを、短い間ですが知りました
そんな方々が見込まれた貴女を、私としてもこのまま処罰するのは正直不憫でなりませんので、これは私の提案ですがジルカさん
この都市にある教会の修道女となり罪を償って生きてみませんか?
そうすれば、ギルドに冒険者登録することはもちろん隣におられますライさんと夫婦になれますよ」
ボン‼︎
「ひゃ⁉︎」
ジルカさんの顔が一瞬で真っ赤になり、そして慌て始めた。
「わ!わわ私は、べべつにそんなことまでいきなりかか、考えてないし⁉︎
ただライ様の迷惑にはなりたくないだけと言うか……」
嘘が下手だな。まあ、それほど本気で惚れ込んでしまったと言うことか。
「フフフッ!感情がだだ漏れですよ?どうです、悪い話では無いでしょう?」
受付嬢がいたずらっぽい顔をして、ジルカさんを少しからかいつつも説得する。
「えっと、そのあの……ぜ、是非お願いしますぅ!」
可愛すぎか⁉︎
思わず俺は、顔を少し赤く染めてジルカさんとそれを見ているレダの緩んだ顔を見ててなんか和んだ。
「ん⁉︎な、何お兄ちゃん!」
レダも動揺すると、ジルカさんと同じように顔をうんと赤くした。
「いやぁ、誰かさんに似てるなって思いながら思わず見てたんだよ」
「んもう!お兄ちゃ~ん‼︎」
ポコポコポコと俺を叩いて来る。
「ハッハッハ!ナルガス殿もその辺でよいではありませぬか」
ライさんも後ろでジルカさんにポコポコ叩かれていた。
「(似た者同士ですねー)」
俺たちの光景を呆れながらみている受付嬢である。
「アハハ、とにかく早く教会に行こう」
「そうでございますな……二人とも良ろしいか?」
「「はぁーい」」
二人揃ってむくれ顔で返事をしてきた。
こうして俺達四人は両親やギウルさん達と一旦別れて、教会に向かう。
少し歩いた先に高くそびえ立つ鐘の塔が見えると、その奥に一つだけ空いた土地のような空間が見えてきたのでそのまま近づいて見る。
そこは外見だけはお化け屋敷かと思えるほどに、みすぼらしい教会と思われる建物がそこにあったのだ。
「えっ、ここが都市ゲラルドの教会なの?ずいぶんと荒れ果ててるな」
俺の言葉に、皆も同意してしまうほどの荒れ具合だ。
「と、とりあえず入ってみよう?お兄ちゃん」
「そうだなレダ」
俺たちは意を決して教会の扉を開けて中に入っていく。
中に入ってみると、外見とは違い綺麗にされていてとても広く、大勢が座れるように長いテーブルに等間隔で椅子が置かれてあった。
「へぇ、中はとてもきれいだな?」
俺がそう呟いていると、いつからいたのか一人の女がそばに現れた。
「皆様……我が教会にようこそおいでくださいました」
見ると、スタイル抜群の猫族修道女が俺達を迎え入れてくれる。
「「うわあ、きれいな体……」」
ジルカさんとレダが思わず呟いてしまうほどの容姿に優しい言葉づかいをされたので、思わず俺も見とれていたら案の定レダに尻尾を強く握られた!
ギュッ!
「ぎにゃあ⁉︎」
悲痛の叫び声を上げてしまった俺。
「ふふふ!仲がよろしくて良いですね
初めまして、私はこの教会の管理を仰せつかっているシスター長のメルマと申しますので、以後お見知りおきを」
「これはこれは丁寧な挨拶痛み入る、我らは……」
「はい、存じ上げております……ライ様ジルカ様、レダ様
そして異界の地によりここに来られたナルガス様でいらっしゃいますね?」
「「「「⁉︎」」」」
なぜか俺たちの事を知ってる!
「あら、驚かせてしまいましたね
実は、竜族である神官のロウガ様が先日ここに来られ、事前に聞かせされておりました」
そうだったのか。でも、その人は今どこにいるんだ?
「神官の人は忙しい方なのですかな?我らも一度顔合わせをしておきたい所存であるのだが」
「申し訳ございませんライ様、あの方は今はなき北と東の国にあった教会の兄弟姉妹を引き連れ、難民と共に南の国にある都市グラゼンドに移り住んでおられます」
「グラゼンド……あんなとこに行って本当に大丈夫なのかしら?」
ジルカさんはそこの王様に殺人の依頼を受けていたぶん、不安げな顔をしていた。
「ジルカ様が不安に思われるのはごもっともですが、そうしなければならない理由がございます
それは、あなた方が多種族と分かり会えたように私達猫族が自分の行いを悔い改める為神様が彼らを遣わされたのです
恐らく、無事では済まないかも知れませんが神が共にあると言われたので、彼らはその言葉を信じて神官様についていかれました」
猫族達に悔い改めさせる為か……その言葉、前世の腐れ切った日本にも聞かせてやりたいよ。
「失礼いたしました……少し熱くなってしゃべってしまいましたね?」
「ううん、ありがとうメルマさん!私たちに教えてくれて」
レダがお礼を言うと、メルマさんは目元に涙を溜めながら笑いかけてくる。
「それとメルマさん、俺たちは祈りの間で神様と話をしに来たんだけど良いですか?」
「はいもちろん!」
「ありがたい、あとこのジルカの件で相談がしたいのだが」
「はい、ギルドの女性職員の方から知らせは届いておりますよ?私としても、願ってもない助けですので大歓迎です!」
メルマさんは、本当に嬉しそうにしている。
「よ、よろしくお願い…します」
ジルカさんは見よう見まねで丁寧なお辞儀をしてくる。
「はい、よろしくお願いしますねジルカ・ルナーさん」
「私の真名まで知ってるの⁉︎」
「はい!」
「ほう、ジルカ・ルナーと言うのがジルカの本当の名前だったか」
「ら、ライ様!あの、いきなり真名で呼ばれるととても恥ずかしいのでその……」
ゴニョゴニョと言いよどむジルカさん。
「ハハハ!そうか、そいつは済まぬな?
ではナルガス殿参りましょう」
「分かったライさん!レダはお祈りを一緒にする?」
「うん、するよ~!」
「決まりだね、行こう二人とも」
こうして俺達三人は神様との会話をするため一緒に祈りに向かい、ジルカさんはメルマさんの元で修道女として仕えることになった。
レダは猫だった時から俺と同じ時代から共に転生してきた。
ライさんも、江戸時代から来ているので三人共別々になって神様と話すことになるのだろうかと考えながら、俺達は祈りの間に着いた。
これから神様からそれぞれ言い渡される事を聞いて、俺たちは今後様々な理由で悩んでいくことになる。
盗賊だったジルカは自然とライに恋心を抱いていた……故にギルドの受付嬢の助言を受け、教会で改心しライと結ばれる道を選ぶ事になったのである。
今後ナルガス達を中心に取り巻く出来事が、結果的にこのゲラルドを活気に満たしていく要因へとなる。




