子供達の素質
ルードスに戻る道中、時々全員で休憩を挟みながら各自の得意分野を確認したり魔石を食べて得たスキルポイントの使い方を、うちの家族四人が主体となって教える事となった。
多くの者は鍬や斧といった農機具関係が多く、剣を扱う者もいるが冒険者のように毎日強敵と戦い続けている訳ではない為確実に倒す術が持てていないのが現状だった。
なので、まずは好きなスキルを一つずつみんなが選びそれに合わせたアドバイスを知ってる者同士がお互いに教えあえば、カバーできるかも知れない。
そのはずなんだが、何故かレダが俺のそばを離れようとせず周りに集まって来ている異種族女子や男子達、合わせて6人くらいの前に立ちはだかったまま警戒していた。
うーん、これはどういう状況なのかさっぱり分からない。
確か、他の子達が俺にも教わりたいと言って来てくれてたんだが…
「ねぇ、レダちゃん……お兄さんをとられるんじゃないかって顔にすごく書いてあるわよ?」
「確かにあなたのお兄さん、ナルガス君は強くて優しい猫族だし私たちから見ても良い男子だなって思うよ?だから、必死に独り占めしたい気持ちも少しは分かるわ」
「でも、正直俺達はナルガスにも教えて欲しい事があるからここに来たんだよ?だから、一緒に聞かせてくれないか」
「…………」
うむむ、これは険悪な関係になりうるな。
しょうがない、この場をいさめるためにはレダにも協力してもらうよう俺からも言っておこうか。
「レダ、俺たちと同年代の子達とこうしてしゃべるのは初めてだったかな?」
「……うん」
「なら、関係が悪くならないで俺とレダが楽しく過ごせる方法があるんだけど、知りたくはないかい?」
レダは最初こそもじもじしていたが、やがて分かってくれたのか「…知りたい」と言って来てくれた。
「良い子だ!じゃあ、その方法はね…レダも自分で彼らと仲良くお話をすることだよ」
「でも、お兄ちゃんと離れるのはイヤ」
「その気持ちは素直に嬉しいよ…だからこそ、レダはレダで家族には決して言えない迷い事ができたときに必要な事がある……
周りにいる友達を信じる気持ちを持つことだ。いつまでもべったり俺だけにくっつき続けても、俺の全部なんて分からないけど大丈夫!怖がらないで今いるみんなと話してみよう?」
「…うん」
少しだけだが、俺以外の子供と話す勇気は持ってくれるようになったようだ。あとは本人次第かな?
「ありがとう……それでみんなが知りたいのは何かな?」
「う、うん…僕は回復魔法の文字がでたみたいなんだけど魔法なんて一度も使ったことなくて、どうすれば魔法を使うコツが分かるの?」
「はいはーい!私は攻撃魔法の撃ち方が分かんないのー!」
「俺は武器を扱ってみたいんだ!でも、何が一番しっくり来るか分からないくて」
「ウチはサクテキ?ってのができるみたいなんだけど、何を見分ければ良いか分からないのよね」
「私はスキルというものかは分からないけど、武闘家って言葉があったわ」
「おいらはテイマーって言葉が出てたんだけど、どうすれば良いの?」
「おどろいた!みんなすごいスキルや称号を持ってるんだね!じゃあ、魔法が使える二人はレダに教わってみてくれ。あとの四人には俺の分かる事だけは話すよ!レダ、2人のことお願いできる?」
「う、うん…」
「よしよし、良い子だ」
そう言って俺はレダの頭をなでなでする。
「はぅ……」
しかしみんなして、摩石をそんなに食べてる訳じゃない。
なのに、ここまで能力の差が大きく別れている。
やはり摩石を食うっていうのは、能力値の底上げというより本来持っている才能を覚醒させる為の物だったと言う訳か。
早速レダが二人…エルフ族の男の子エリオルと竜族の女の子サラティを相手に教えてくれている間、俺はあとの四人を見ることにしよう。
一人目は武器の扱いを知りたいと言ってきた犬族の男の子ヴォルス。二人目は索敵スキルを持つ同じく犬族のシエッタ。
三人目は武闘家の称号を持つエルフ族の女の子リオン。四人目はテイマーの称号を持つ、竜族の男の子ルネーガだ。
「まずはヴォルスから聞くけど、君は敵と戦うときは相手に近づいて直接攻撃するのと、少し離れた所で攻撃するのではどっちがしたい?」
「もちろん直接近づいてガンガン倒して行きたいぜ!その方が俺はスカッとするからな」
「なるほど、なら短剣でザクザク相手を切り裂いて行くか、ロングソードっていう一般的な剣で戦うのがあるかな
俺は双剣という二丁持ちか、自分の爪で切り裂く戦闘が主だったけどね」
「すげぇ、自前の爪で攻撃もできるのか?じゃあさ!お前の親父さんが使っているバカでかい剣はどうだ?」
「あーいや、俺の体格では正直きついから動きやすい双剣が楽だったよ。ヴォルスは多分、ロングソードとかなら平気で振れるかも知れないね」
「ロングソードか……分かった、ちょっと大人に頼んで借りてみる。ありがとな!」
そう言ってヴォルスは先に大人たちの所に走っていった。
すごく元気だな…
「次はシエッタだね?索敵って言葉が出たっていうことは、俺の使っているサーチや鑑定って言葉もあるんじゃないか」
「うんあるよ!これってすごいの?」
「もちろん!サーチと心の中で言うと、半分透明っぽく見える丸い円が出るから試しに出してみて」
「わ、分かった!」
フォン!
「ほんとうに出た~‼︎えっ、なんなのコレどうやって浮かんでんの?」
「あはは、驚くのはしょうがないよ。詳しい仕組みは俺も分からないから言えないけど、その円の中にたくさん青い点が見えてるのが俺達。
そして赤いのと黄色いのが敵の居場所だよ」
「うわー、なんか楽しそう!鑑定はどうすんの?」
「鑑定はそうだな、試しにその辺の落ちてる石を拾って心でも口で言っても良いからやってみて?」
「よーし、鑑定!」
鑑定結果…[石]
「…って感じになる。この時スキルを使うとMP、つまり魔法と同じで使う度に精神力ってのが減っていくんだけど、残りが0になっちゃうと下手したら死ぬらしいから使いすぎないように!」
「は、はい!…えっと、ナルガス教えてくれてありがと!お父さん達の所に先に戻ってるね?」
「さて、今度はリオンだね……エルフ族の中にも武闘家と呼ばれている人たちっているのかな?」
「いいえ…私だけよ。前いたエルフの里では何故か生まれた時から私だけ魔法が使えなくて、両親は私が生まれたせいで親子揃って里を追放されたの…でも、そんな私でもできることがあるのならそれをしたい!」
エルフ族の中にも、そういった珍しい出来事があるのか。
せめてリオンには、過去のトラウマを跳ね返せるだけの楽しい生き方をして欲しいところだな。
「そっか、じゃあ試しに俺を素手か蹴りで攻撃してみてよ」
「えっ!私があなたをここで攻撃するの?」
「ちょっと実力を確認しておきたいからね。ただ、できたらその前にスカートの中が見えないように誰かからズボン下を借りてはいてくれると俺は助かるんだが…」
さりげなく視線を横にそらす俺に気づいたリオンは、徐々に顔が赤くなっていく。
「う、うん分かった…ちょっと待っててね!」
リオンは顔が真っ赤にしながら、大人達のところに一旦戻って行く。
おお…恥じらうエルフの女の子もなかなか良…(ブルッ‼︎)
な、なんかレダのいる方向から強烈な殺気を感じた気がする⁉︎平静を装いながら気持ちを落ち着かせる俺は、いったいどうしたっていうんだ?
「お待たせ、こんなかんじで良いかしら?」
リオンはスカートの下からどこかの男の子が持っていたズボンをはいて戻ってきた。
「うん、大丈夫だよ……じゃあ早速俺がガードするから思いきって攻撃してみて?」
「分かった!怖いけど、一度蹴ってみるね」
そう言ってリオンは初めてとは思えない身軽なステップをしてから、思いっきり俺の右側に蹴りを入れてきた。
俺はスキル・オーバーセンスで、彼女が繰り出す蹴りの軌道をはっきり確認してガードしてみる。
子供の蹴りなら大したダメージは無いだろうとたかをくくっていた俺は、見事にその予想を裏切られる結果となった。
ドォォン‼︎
まるで木などに強い一撃を放ったかのような衝撃音が、森の中にこだました。
ガード越しに感じた彼女の強烈な蹴りは、防御力が多少高いはずの俺が膝をつくほどの威力だったのである。
膝をついて震えながらガードした腕をさすっていたら、俺の家族を含め周りのみんなも何事かと駆けつけてきた。
「あわあわあわあわ⁉︎」
リオンは思ってもいなかった出来事に困惑していたが、この中で一番驚いたのは他でもない俺だった。
「お兄ちゃん⁉︎何今の音!」
レダも心配になってよってきた。
「だ、大丈夫…リオンの力を確かめるために彼女の蹴りをガードしただけだから」
「⁉︎」
「すまないけど、回復お願いできるかな?」
「う、うん‼︎」
レダの手から癒しの光魔法が放たれ、俺の受けた痛みは次第に抜けていく。
「…ふう!ありがとうレダ。ビックリした、すごいやリオン!大した攻撃力だよ‼︎」
「えっ?えっとその、あの…平気なの?あんなすごい音だったのに」
「いや、かなり痛かった!間違いなく今からモンスターと戦っても十分すぎる程だよ」
「そ、そうなんだ…私でも役にたてるのね?ありがとうナルガス…おかげで自信がついたわ!」
リオンは早々と、両親の元へと嬉しそうに走って行った。
「お兄ちゃん、私以外の女の子ってあんなに強いのかな?」
「ごめん、さすがに俺もあれにはすごく驚かされた。まあ戦力がうんと増えたって思うと、とても心強いよ!」
「…そうだね、じゃあ私もあの二人にもう少し教えてくる!
やることが終わったらさわりっこの時はたくさん!私にお兄ちゃんのイロンナトコ触らせてね?フフッ!」
「えっ⁉︎あ、うん…良いけど手加減はしてね?」
何故だろう、妙に身の危険を感じたぞ?
レダはエリオルとサラティ達の元に戻って行き、周りのみんなもひと安心したのか再び散っていく。
さて、いよいよ最期のルネーガを見ないと……ってありゃ?ルネーガはどこに行ったんだ。
一方レダ達の方では…
「二人とも、急に離れてごめんなさい…」
「良いのよレダ。あれは誰もがビックリしたんだし、何よりナルガス君がまさかあのリオンの一撃を受けてダメージを受けたなんて……私でもあれは危ないって感じたわ。」
「う、うん…僕も動けなかった」
「あ、ありがとう」
「ふふ!どういたしまして。じゃあ、早速続きを聞いても良いかしら?確か、身体中に流れる魔力を掌に集めるイメージで力を込める…だったかな?」
「うん、そのときは体の力は抜いてゆっくり息を吸ってはいてをしながらが一番早くできるよ」
「よ、よしやってみよう」
そう言ってエリオルとサラティはレダの言うとおりに集中してみると、二人にはそれぞれの色が現れた。
エリオルには白い光、つまり光属性が強く光り、サラティには珍しい色が現れる……赤・黄色・黒の三色が混ざることなく均等に現れていたのだ。
「何コレ⁉︎」
コレには、冒険者ギルドで6色の適合を全て現していたレダもさすがに声を上げて驚いてしまう。
本来この力の収束をトレーニングするときは、その術者の持つ属性のうち一番強いものが主に出るようになっている。
それが同時に3つもでるという事は、ナルガス達家族の魔法攻撃よりもかなり高い分野になっている証拠。
「二人のようすを見てはっきり分かった……もう魔法だけでこの先のモンスター達を簡単に倒せるよ!でも、魔法を使いすぎたらパタンって倒れて死んじゃうから気を付けてね?」
「う、うん!分かったよ」
「どうしよう、なんだか楽しみになって来ちゃった!」
サラティはヤル気満々である。
「あとは、その感じを忘れないでイメージで形を作ってみて?危ないって感じたら始めとおなじでゆっくり息を吸ってはいてしながら、あせらないで体に力を戻すイメージしてたら戻るからね。」
シュウゥゥ……
「本当に戻ったわ‼︎」
「良かったぁ…」
「二人ともすごい‼︎一度で全部覚えちゃった!」
「ありがと!レダの教えかたが良かったのかもしれないわね」
「そうだよ!」
「えへへ…あれ?なんか向こうからお兄ちゃんが走ってきたよ?」
ルネーガをサーチでも探してみたけど、見当たらないなんてどうなってんだ⁉︎敵の居場所だってこんだけ離れていても探知できてるのに!
「レダ!サラティ、エリオル!三人ともルネーガを見てないか?」
「えっ?ル、ルネーガ君は僕たちも見てないよ?」
「そうか…サーチから消えるなんてとても信じられないのに」
「……ダメ、お兄ちゃんのサーチでも私のサーチでもそれっぽいのが見当たらないよ」
「なんだナルガス何があったんだ?」
どうしようかと悩んでいると、お父さんたちがみんなと一緒にこちらに近づいて来た。
「あっ、お父さんルネーガが見当たらないんだ!」
「なんだと⁉︎サーチに反応は無かったのか?」
「そうみたいなの、お父さん…」
町のみんなも顔を合わせては、不思議がっていた。
サラティを除いては……
「えっとナルガス…私多分あいつの行きそうな場所に心あたりあるわよ?」
「本当?サラティ」
「ええ、でも大ぜいで行ける場所じゃないわ。入り口も子供じゃないと入れない大きさだし…多分あいつの行きそうなのはそこだから、ここからならかなり近いわ!」
「そうか…サラティ、案内を頼める?」
「レダも行く!」
「ぼ、僕も!」
「待って‼︎」
「リオン!」
なんと、すでにスカートではなく長ズボンをはいたリオンが近づいていた。
「お願い私も連れてって。私も誰かのためにできることがしたいの!」
本当なら2~3人で行けば良いと思っていたんだが、せっかく新しい仲間が強く決心しているのを無理矢理ダメだと押さえつけたら、この子は一生後悔するんだろうな。
「分かった…正直危険かも知れないけど一緒に行こう。レダはみんなと一緒に行けそう?」
「うん‼︎」
「よし!サラティ、案内を頼む」
「分かったわ、ただ始めに言っとくけど驚いても大声を絶対に出したらダメ!敵と勘違いして襲ってくるのがいるから」
「「「「うん!」」」」
「お父さん、必ず戻るから他の人達をお願い」
「……分かった、気を付けていけよお前たち」
こうしてルネーガを探すために、俺達はチームを組んだ。
サラティが言うには、そこには小さい洞窟があり子供じゃないと入れない狭さとのこと。
草木を分けてしばらく進んでいくと、本当に小さい穴の奥に洞窟が広がっていた。
こんな地面の下では、サーチは利かないのだろうかと思っていたが中に入った途端彼らしき反応がポツンとあり、その周りには青いけど数えきれない反応がじっとしているようだった。
つまり、あの狭い穴の周りに何らかの作用が働いて無効になっていたということか。
俺達は更に下へと狭い道を進み、たどり着いたのは青白い光が広がる多くの虫のサナギであった。
「「「「‼︎⁉︎」」」」
サラティを除いた俺達全員は、思わず息をのんで目の前の光景に驚愕した!
なんと、ルネーガ君は体の色が真っ黒な蜂に触れて笑っていたのだ!
「…ルネーガ、またみんなに心配かけてんじゃないわよ」
サラティがあきれた感じの口調でそう彼に語りかける。
「サラティ!それにナルガス君達まで‼︎まさか…この子達を殺しに来たの⁉︎」
その声に反応してか、目の前にいる黒い蜂がこちらに敵意を向けてきた。
「違うわよバカ!あんたがいきなりいなくなったのをナルガス達が心配して探しに来たんでしょーが!」
「そ、そうだったんだ…良かった、殺されなくてすむんだね?えっと、おいらのせいで心配をかけてごめんなさい」
「コイツラ、テキチガウ?」
「魔物がしゃべった!」
レダや俺達は同時に驚いた。
「ああ、この子はおいらの友達ブラックビーだよ?驚かせちゃったね」
「…なるほど、テイマーって言葉が出るのも納得だな」
「るねーが、ていまーナニ?」
「実はおいらも分かんないんだ。でも彼…ナルガスなら教えてくれると思うよ?だからまず周りにいるビーの子供達を安心させてあげて。」
「ワカッタ」
ブラックビーこと[ビー]は子供達に羽音をうまく使いながら、その音で安心させていく。
少しすると、最初の静けさに戻っていった。
「オマタセ」
「ありがとうなビー」
そう言ってルネーガはビーの頭を撫でながら礼を言うと、頭を擦り付けてなついている。
「まさかここで教えることになるとは思わなかったけど、君たちを見てたら本当にテイマーらしいなって感じがしたよ。
改めて話すけど、テイマーってのは今ルネーガがモンスターであるブラックビーと仲良くなったあと、お互いが[共にありたい]と願いながら名前を呼ぶと契約を結ぶ事ができるんだ。」
「それは、どんな時も一緒に行動できるって事で良いのかい?」
「うん、その考えでまちがいないよ。一度その子としてみたらどうかな?」
「うん!……ビー、良いかな?」
「ズットるねーがトイッショ?ウレシイ」
突然二人の体が光だし、ブラックビーの額とルネーガの右手に同じ模様が浮かび上がった!
(汝らの契約のしるしに、互いの名前を告げよ)
年配男性の声が、この空間に響く。
その後、「るねーが」「ビー」とお互いに名前を呼んだ。
(汝らの契約は果たされた……いついかなるときも共にあれ!)
俺達は戸惑いながら最期の瞬間までその光景を見届けた後に、ビーの代わりにここを守る蜂はどうするのかを考えていなかった事に気づいた。
その疑問を感じたのかビーは答えてくれた。
「ダイジョウブ、カワリノくいーんウマレル」
「なるほど、代わりの女王蜂が産まれてくるんだな…って、ビーはメスだったのか!」
「アタリマエ…くいーんガミル、シラナイノ?」
「あはは、ごめん…性別までは分からなかったよ」
俺の発言に女の子達から呆れた目を向けて来られたのはちょっと悲しい…
「…とりあえず、ルネーガは見つけたしテイマーの契約って言うのも済んだことだしそろそろ上に戻りましょ!
みんな心配してると思うから」
「ごめんよぉ」
「気にするな、ひとまず地上に戻ろう!」
「「「「「おおー!」」」」」
もと来た道を通って俺達は地上に出ようと顔を覗かせた瞬間、周囲を見たらあのヘル・ホーネットがたくさんうろついていた!
「……少しマズイ事になったかも」
俺は頭を引っ込めてみんなに状況説明をしたらみんなも顔が真っ青になっていく。
本来俺とレダだけなら余裕で倒せる数だけど、いくら戦力になる実力とはいえ、まだ力を知って間もないこの子達を守りながら戦うのは正直苦しいし。
俺達は一旦この入り口近くで隠れながら、切り抜けるチャンスを作るために話し合う事にした。
これがまさに、将来俺達が仲間としての絆を深めるきっかけとなり、何年経っても良きパートナーになる第一歩となった瞬間であった。
一人一人子供達の能力を見分けていき、適切な内容を伝えていったナルガス。
最後の一人となった竜族の男子、[ルネーガ]は一人で地面下に掘られていた穴の奥にいた……ナルガス、レダ、サラティ、リオン、エリオルがたどり着いたその先で見たものは蜂型モンスターの中では上位種に当たるブラックビーと、その子供達。
幸い大事に至らなかったのでブラックビーと契約を交わしたルネーガを連れて外に出ようとしたその時、複数のヘル・ホーネットが徘徊していた……




