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最強チートの持ち腐れ  作者: 三波 秋弘
国を巡る旅
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騎士団長 アーサー・ランスロット

「最悪だ…」

エリックはそう呟いた、腰から剣を抜き構える

呉島は背中から巨大な翼が生えたかと思うと周囲の死体が集まって行き4足と2つの翼を持つモンスター、ヴェノムドラゴンに変わっていく

「もうあいつは、呉島じゃない」

大盾を取り出したケインに続きいつもと同様に橘とエリックがついていく、エルザはバレットを撃つが最悪だダメージは見られない

ヴェノムドラゴンの発する毒は金属すらも溶かす事ができる、それは銃弾にも言えることでいくら高い火力を持っていてもだ、それを察したエルザは所々に穴の空いた口に狙いをつけた

ドラゴンは自身の牙や骨を使い使い魔を召喚する、それを防ぐにはそれらを砕く必要があるのだが奇妙だ

「何、これ?リュー、なんか嫌な気配が」

「…ああ、何かに見られてるな」

何かに監視されている様な感覚、動きを完全に見られている。でも誰に?

尻尾を振りケインを飛ばすドラゴン、リックは剣で斬りかかるが全く歯が立たず翼の風圧に飛ばされる、橘はグランドインパクトでそれを回避し突き立てるが刃が折れた

一撃で前衛たちを満身創痍まで追い込んだその竜に桐生は絶望していた、こちらを向いた時には足が震えていることに気づいた

翼をはためかしこちらに飛びかかった瞬間

「ホーリーソード」

白い無数の剣が上空から降りかかりヴェノムドラゴンの体を突き刺し地面に追突させる、桐生たちの前に立ったのは清潔さを感じる鎧に身を包んだ騎士団長のランスロット、手に持つ剣を地に刺すとヴェノムドラゴンの周りに巨大な剣が現れた

剣からは鎖が繋がっており一切身動きの取れない怨竜、体が溶け出し呉島が吐き出されると急に機敏になり尻尾で剣を破壊した

すると飛び上がりどこかへと飛んでいった、桐生はその場にへたり込みはぁと深く溜息を吐いた





手に何かがついている、鉄の様に冷たくそれで鎖の様なじゃらじゃらと音がする

「ん?えぇ?!!なんじゃこりゃあ!」

目の前に広がるのは白い壁そして鉄格子、天井付近に作られた格子からの日の光そして手につけられた手錠

お、俺ちゃん確か昨日は死体食ったら意識がなくなって…何をした?

「起きたか、呉島」

鉄格子から投げられた声、そこを見るとリックが立っていた

「リック、俺は何を?」

「ヴェノムドラゴンに乗っ取られて、騎士団長に倒されたらヴェノムドラゴンはどっかに消えた」

アリサが消えた?頭の中でアリサに呼びかけるが反応は無くなんと無く直感した、本当にいないのだ

「俺はどうなるんだ、ここから出られるのか?」

「いや…あいつはきっと帝国側にいった、倒すまではここに居てくれ」

「嫌だ!ここから出してくれ!」

こんな何もない所でずっといるだなんて気が狂ってしまう、鉄格子につかもうとするが鎖に止められる

「くそっ、なんだこれ!」

「お話中のところ失礼、気分はどうかな?呉島」

扉から入ってきたのは獅子を感じさせる金髪の男、騎士団長のアーサー・ランスロットだ

「君には少しの間私の元で剣の稽古をしてもらう」

「剣の?銃があるから、別に」

「悪いが君の腕ははっきり言って悪い、ヴェノムドラゴンは消えてスキルのドラゴニックハートも消えたがまだ体に奴の魔力を感じる、近接武器のスキルでかき消すしかありません」

鉄格子が開けられ手錠が外された、手首をさすりながら外に出ると中庭に連れて行かれ木刀を渡されたランスロットも同じく木刀を構えかかってこいと挑発する

剣を振りかぶり地を蹴る、切り下げた寸前で躱され背中を柄で殴られる地面に転がり体制を立て直しまた突撃

刃がぶつかり合い互いに押し合う、相手が一歩引きガクンと地面にぶつかる

「勝てねぇよこれは…」

元々騎士団長に勝てるとか思ってなかったがこうも簡単にやられるとは、剣を支えに立ち上がり降参を示す

「君達には剣術を学んでもらいます、次のヴェノムドラゴン討伐の時までに鍛え上げますので覚悟してください」

「君たち?リックもですか?」

「本当の団長流を学べるのはきっと今回だけだ、俺も参加する」

そんなわけで剣の修行が始まった


騎士団寮の一角に部屋を借りたのだがそこがまぁ汚い、埃が舞いなんかよくわからん虫がいたりと地獄すぎた

掃除自体は軽く2時間程で終わり次は図書室でスキルと魔法について知識を詰め込み一枚の論文を書く

「結合魔素?スキルの予備動作?意味がわからん…」

本を前に倒れリックの方を見ると向こうも悩んでいる様でペンを握ったまま本と睨めっこしている

今回のテーマはスキル及び魔法の基礎知識から得られる応用法、本は大量にあるしわかりやすく纏められているのだが難しすぎてよくわからない

「スキルとは名を宣言し一定の行動を起こす事で成功する、転移スキルや変異スキルはそれを行わずに発動できる事が1番の違いである?」

一閃切りだと宣言するだけで腕が勝手に切り次元切りは剣を鞘に収め腰を落とし抜くことで発動するらしくこの様に動作が重要視されている、いくら歴戦の猛者でもスキルの動作中は無防備か隙ができる

「ってことはスキルの動作中に攻撃すればいいのか!」

ペンを走らせ羊皮紙に文を連ねていく

『スキルは動作を行い魔法は詠唱がある、その隙に攻撃するのが1番得策』


「ダメですね、まず最初に詠唱は短縮や無詠唱もありますしスキルは次元切りなどに近づけば隙よりも先に自分の首が跳ねます」

正解はですねと椅子から立ち上がったランスロットは剣を抜き一閃切りで花瓶を切り下げるとその刃の先には鞘が、それに綺麗に治るとすぐに次元切りを発動した

もみあげをかすった剣に慄きながらもなんと無く何が言いたいのかはわかった気がする

「えっと予備動作に別のスキルを入れて時間を稼ぐですか?」

「まぁ、そうですね」

及第点ぐらいかと呟いたランスロット、執務室から出て部屋に戻りその日を終えた

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