表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強チートの持ち腐れ  作者: 三波 秋弘
国を巡る旅
39/43

チャンス

「気づいたか、面倒な奴らめ」

卓越した戦闘センス、呉島にはそんな物はなくただ撃つことしかできない

ならば可能性は1つしかない

「ヴェノムドラゴンが乗っ取っていたんだ、呉島を」

呉島もといヴェノムドラゴンは顔を抑え笑い出した、心の底からバラエティ番組を見ているように

「何がおかしい!」

「ふははは、いやなに仲間にそう易々と武器を向けるとはなぁ。奴も泣いておるぞぉ?」

地面から紫の火が吹き出し呉島の体を包むと怨竜の鎧をまとった、リックが長剣を投げ牽制しようとするとそれを掴むと刃を撫でた

綺麗な白い刃は黒くそして凶々しく変わり紫の火を放っている、先程使っていたリボルバーも黒く変化しバレルが大きくなっている

「アリサって女の所為か!」

今までと違い理性があり武器を使う、ヴェノムドラゴンの人格が呉島を支配しているのだ

ケインとリリックが絶妙なコンビネーションで攻撃を仕掛ける、大盾による衝撃と跳躍したリックによる斬撃、それを物ともせず長剣で薙ぎはらう

銃弾はケインの盾を撃ち抜いた、今までどんな攻撃をも防いだ魔鉄の大盾が

「怨剣技、怨竜千斬」

長剣が煌めき一瞬でリック達に斬撃を浴びせていく、とっさに避けたおかげで大事に至らなかった物のダメージは大きい

「出ててこいポイズンドラゴン」

大きな魔力倉庫の入り口のような場所から黒い竜が現れた、体中が溶け口からは毒が垂れている

「嘘だろ…?そんな」

強力なヴェノムドラゴンともう一体のドラゴン、味方の半数は負傷しろくに戦えない状態

「桐生、時間を稼いでくれあいつは俺がなんとかする」

橘は駆け出しポイズンドラゴンの下を潜り抜ける、斧で奴の銃弾を受け流し剣で一撃を与えるが変わった様子はない

解毒薬を飲ませようとするもそんな隙はない、剣撃の応酬が続く最中好機が訪れる

力が弱まっている、呉島じたい魔力は多くないためか自身の鎧を保つ魔力がつきかけているようだがこちらの魔力は尽きかけている上に桐生の援護すらもない

ステップを使い一度距離をおき斧と剣の鍔を合わせ腰を落とし深く息を吐く、武器が煌々と光をもらし周囲の魔力を吸い上げる、そこから放たれるリックのライトニングブレイドの劣化版シャイニングソード

剣を振り下ろし斧を切り上げ閃光を残し真っ直ぐに進むX字をヴェノムドラゴンはそれを受けると同じ予備動作を取り長剣をXに切り黒い光をリボルバーが火を吐いた、瞬間

「やめて!!」

レイナが声を上げると地面から鎖が現れ呉島を縛り付け鎧と黒い光が消えた

青い髪から溢れる神々しさすらも感じる光、ヴェノムドラゴン吐いたそれを見ると叫び声を上げ消え元の呉島に戻っている

「呉島!」

駆け寄った橘は肩を抑え解毒薬の瓶を差し出したそれを呉島は奪いフラフラと立ち上がった、飲み干した瓶を地面に投げ割れる、ただ癇癪を起こした子供のように叫んだ

しかしその場を支配しているのは呉島で橘たちはまるで操り人形のようにただ次の指示を待っているようにその言葉を聞いていた

「お前らは、俺の味方じやないのか?!なんで撃ったんだ!」

死にたくないから撃つなとそれだけを何度も言い方を変えて伝える呉島、最初に反応したのはケイン

治癒魔法で傷が塞がりなんとか歩けるまでは戻り呉島を1発殴った、激情したのは呉島はリボルバーをケインに向けたがそれを容易く叩き落とした

「死にたくないのは俺たちもだ、テメェの意志だろうがあいつの意志だろうが俺たちは生きるために戦うんだ」

桐生は睡眠魔法で呉島を眠らし一度撤退した





違うんだ、俺はあの時…

何が違う?俺を殺そうとしたんだぞ?

それはアリサが!

「はあっ?!!」

飛び起き顔を伝う汗、明かりは消えているがフカフカなベッドからして城だろう

横に置かれたテーブルにはランタンが置かれておりそれを付けると下に挟まれた紙を見つけた、そこにはチャンスをやる

その一言だけが残されていた

「うっ」

口元を抑えベッドから離れ吐瀉物を散らかす、チャンス?何を?そのチャンスを逃せば俺は捨てられのか?

城で1人あいつらと合わなくてはいけないのか?

吐き出せる物はなくなりただ胃液だけをこぼす「帰りてぇよ」ただその一言を繰り返しつぶやいていた

やがて夜は開け、ケインたちが先日のダンジョンへと向かった

俺は部屋にこもりただ本を読んでいた、余剰魔力や結合魔素など分からない言葉だらけで頭はパンク寸前ながらも必死に覚える






「今回は帝国の支配する鉱山を強奪する、我々の兵が別の場所で敵をおびき寄せているため敵は手薄だと思われる」

俺は馬車でその言葉を反芻していた、今は前線基地から少し離れた鉱山に向かっている目的は鉱山の強奪

魔鉄や属性石などで装備の強化を行い戦力の確保を意図している

作戦はまずアサシンや隠密系のスキルを持った勇者と騎士団が潜入し魔法使いと弓使いが門番を殲滅し撹乱を行う、おびき出された兵士たちを近接戦で仕留めその後は敵の増援を警戒し数日ほどここに留まり安全を確保し撤退

「エルザ、狙えるか?」

「ちょっと待って」

敵はゴーレムと数十人ほどの兵士だけ、全員がバリケードの中におりこちらに気づいている様子はない

うつぶせに倒れバレットに取り付けられた望遠鏡を覗くエルザ、騎士団の使用する高性能なものをゼロインさせたものでかなり精度は上がっている、最初こそは戸惑っていたが慣れたようでしっかりと呼吸を整えている

エルザの狙撃能力が高いのは仮説だが空間把握能力を魔力により高めている、実際ここの弓使いも魔力により腕や眼球を制御し狙撃率を上げているようだ、これ自体は本人自身も気づいていない

「撃て」

副団長の声により一斉に矢と土魔法そして弾丸が敵を襲う、ゴーレムはエルザの狙ったもの以外は破壊には至らずこちらを索敵している、兵士も続々と現れこちらを攻撃している

「行くぞ!」

崖を滑り降り駈け出す、敵の魔法を避け近づき45口径弾を浴びせ倒していく中気づいた敵の量が少なすぎる

いくら鉱山の1つとはいえこんな手薄さはありえない

敵もアサシンたちには気づいてなく兵の減った様子もない、まぁそっちの方が楽だからいいか

弾の切れたUMPを魔力倉庫にしまいナイフを構え留め具を外し魔力を流す、幾何学模様を描き刃が伸び隙間ができるそこから魔力を流し片手剣ほどの大きさにするナイフと鞭、そしてこのソードモード他のウィップソードには無い能力だ

力任せに振り回すと光を放ちながら敵を切り裂く、まるでどこぞのSF映画の剣に思える

「おらぁっ!」

横に一閃しそのまま背後の敵の腹部に突き刺し魔力を大量に放つ、光の刃が太くなりまるで大剣の様な分厚さと刃渡の長さで敵を切断したこれは光魔法を属性石で使い少しだけ刃を太くすることができ刀から大剣のようにできる

重さはナイフと同じなので軽々と振り回すことができる、それを活かし敵に投げつけ串刺しにしグロッグを抜いた

ヴェノムドラゴンのせいかこう言った戦闘に関する事が得意になってきた、先ほど投げた剣を取りナイフの状態に戻し左手にグロッグ右手にナイフの状態で敵に突っ込む

1人の首元に突き刺し頭に発砲、後ろに回った者を蹴り銃を乱射する弾が切れた時点でナイフを鞭にし敵の腕を取り引き寄せる、近づいたときに首をおり魔力倉庫からUMPを取り出し敵の剣撃を防ぐ

頭上に構え一太刀を防ぎ敵の腹を蹴る倒れた瞬間にトリガーを引き次に転がった木箱の上に飛び乗り敵に飛び蹴りをかまし落ちた石で頭蓋骨を砕く、UMPと空マガジンで敵をけん制しリロードをすませ別の敵を狙う

敵の槍を避けリロードし終えたグロッグを発泡、槍を使い串刺しにするとそれに飛び乗り敵の剣撃をかわし頭に蹴りを入れる

トリガーを引くと紅い花が散った、辺りを見回すともう敵はいないようでグロッグをホルスターにしまう

「これで終わりか」



その晩、鉱山の付近に置かれた死体置き場にて

「はっ、うぅ、うぇ」

えづきながら死体を貪る、皆の食べている飯はもう食べたくない味もせず腹にたまる異物感が嫌で仕方ない

唯一わかるのは死体が美味いのとこれが異常なこと

これを見られたら俺は捨てられるとわかっているが口は手が止まらない

「う、おぇぇ」

吐瀉物を吐き散らし俺は山から流れる湧き水溜まりが目に入った、月明かりに照らされ写っているのは口元が血に塗れた俺の姿

「呉島、チャンスはやったぞ」

その声の主はスーパーショーティーを構えたケイン、俺はただうわ言のように謝罪の言葉を呟くことしかできなかった

「あ、ああ、ごめんなさい、ごめんなさい…ぐっ、あれ…?なんだコレ…?やめろ、…め…れ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ