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最強チートの持ち腐れ  作者: 三波 秋弘
国を巡る旅
35/43

奴らのダブルアクション

基地を取り戻し王国兵は一気にけしかけた、その甲斐あってか相手の前線基地を占拠し大きく戦況を動かしたのだった

俺たちは一度王国に戻り新たな武器を受け取ったのだった

「見とけよ、レッツ変身!」

変身ポーズを決めスキルを使う、紫の鎧をまとうのと同時に桐生が光魔法と火魔法を使い演出する

「追跡!隠密」

大きく一回転し変身後のポーズを決める

「いずれもー、ステルス!なんつって」

兜も頼もうと思ったのだが視界の確保を優先し諦め鎧だけ全員が新たな装備を身につけ少し広い空き地に来ていた、武具屋のおじさんが大きな箱を置きそれを開ける

中にはしっかりと分けられた銃弾の数々、45口径弾を手に取りマガジンに込めて行く

「これはまだ試作段階だ、火薬の量は呉島から渡された弾を参考にした」

マガジンを差し込みコッキングし的として置いた木の板に撃つがバキッと何かが割れる音が響く

咄嗟にコッキングを引き薬室に込められていた弾丸が廃莢されそれを掴む、下の火属性石を使用した雷管がバキバキに砕けていた

「火属性石が割れてる…あ、銃本体の方に細工してなかったわ」

属性石はガラスぐらいの硬さで衝撃が来れば割れる、魔力を帯びた物が触れれば発動する逆に魔力の含まれない鉄だと割れる

「トリガーとハンマーを魔鉄にすればコスト抑えれるか?」

武器屋のおっさんは魔力倉庫から銀の物体を取り出した、それは回転式の弾倉を持つリボルバーだった

「倉庫からこんなのが出てきてな、軽くメンテナンスしてみた使ってみろ」

それを貰い軽く確認する

「6発式のリボルバー、シングルアクションじゃない…ダブルアクションかでもなんでこんなところに?」

薬室は綺麗に洗われていて新品同然の扱いやすさ

弾丸は45口径弾、6発取り出し込めて行く弾倉は手で少し押すと回転する油をさした直後のよう

リボルバーは正直、趣味に合わない確かにジャムらない点は素晴らしいが見た目とグリップが苦手なのだ、これから使う事はないだろう

両手で掴みアイアンサイトを覗く、呼吸を整えてトリガーを絞り込む。発砲音と同時に反動が来る

「痛ってぇ!アホか、火薬の量は間違えてない?」

腕の関節が軋み激痛が走る木の板は木っ端微塵で壁に少し傷が付いている

「貸してみろ」

ケインが手を出し銃を求める、渡すと片手で持ち撃つ。連続で狙いはズレているが火力とストッピングパワーは充分ある

結局、トリガー部分のレプリカを渡し作ってもらう事にして城に戻る事にした



「次は山の国だ、この季節だとかなり冷える防寒着と松明用の油を買いに行くとして…金がない!どっかのアホが武器に使いすぎたせいだ」

「まぁそう言うな、ギルドハウスで適当なクエストを持ってきた」

クータから少し離れた川辺に住み着いたワイバーンの駆除、城下町にある屋敷の調査そしてここ最近被害を増しているスリの犯人を捕まえる

「これだと桐生と橘と俺がワイバーンの駆除。エルザとリックはスリ、呉島とレイナが屋敷の調査なら効率いいな」

「明日にでも出発するか?」

「いやスリの時間帯とワイバーンが巣に集まる時間は今だから用意したらすぐに行くぞ」

全員が装備を整えている時に少しグレネードを作る、ケインから巣を破壊するのに使うからと頼まれた

あの時、童貞特有の謎正義感と感情を抑えきれずに突っかかった。なぜがあいつに謝ろうとすると記憶が消える何度謝ろうとしてもヴェノムドラゴンが邪魔してくる

ケインも何か態度を変えているわけでもなく何もしてこないし謝らなくていいかと思い始めてきた

「エルザ、行くぞ」

「待って呉島、これ」

彼女が渡してきたのは小さいメダル、首にかけれるほどの紐がついている

「悪霊の影響を受けないメダルだって、ケインからもらった」

メダルをかけ城から出て行く、目指すはオンボロ屋敷

「え?ホラー系?」



リックとエルザは服装を普段着にしているシャツだけにしてリックは予備のしょぼい片手剣にしている

ガチガチの武器だと動きにくい上に相手も寄ってこない、リスクを考え銀貨4枚と銅貨が10枚ばかし入った麻袋をズボンのポケットから少し出るようにし露店の並ぶ町並みを歩いていた

ポケットから出た財布、人通りの多い場所、子供、スリに遭いやすい条件を満たし犯人の住処を特定しそこを叩く

エルザはスリを追跡するのに必要なスキルを持っているため有利、リックはもしも相手が抵抗した時に太刀打ち出来るほどの強さの為スリの方に回された

チャリン、ポケットから財布が取られる、エルザを見ると頷き尾行を開始した。露店の通りを抜け裏路地に入っていく相手は麻のフードをかぶり背は高い

少し距離を開けリックは脳内で広げられた城下町の地図を確認し付いていく、エルザは隠密を使い相手の背後に回っていた

相手は人通りを離れると走り出した、バレているかと思ったら見回りの兵が通っているそれに見つからないために走り出したのだ。

エリックは付いていけず離れている、エルザはそれでもついていき息をひそめいているとスリは家屋の屋根に上りかけていく、エルザもそれを追い屋根を走る

空を見上げるのは芸術家か年老いた人間だけ、フードだと犯人にしか見えないためこの通路を選んだのだろう

一度の跳躍で隣の屋根に渡った時にフードから白い耳が見えた、うさぎの耳が

獣人は数十年前までは奴隷として扱われていた、どこか遠くの大陸に居たのをとらえここまで運んだ

前の魔王が出た時に獣人たちの解放を要求し王国たちはそれをのんだ、しかし獣人達を待っていたのは自由な生活ではなかった

社会的地位の低い獣人は無料の娼婦もどきとして扱われ奴隷として生きてきたため人に抵抗できないように心に刻まれていた、そのせいで犯罪に巻き込まれ一時期は肉屋に動物と騙り獣人の肉が並んだ

今でもそれは変わらず職に就けている獣人は少ない、身体能力の高さを活かせる冒険者も同様だったためゴミを拾い使えそうなものは売り食べ物は食うという生活でたまにくるストレス発散の道具に使うもの達の暴行から人と関わる事を避けようとする、それでもスリを行うという事は何かが起きているのだ

「アレ…?もしかして〜」

エルザは目の前に広がる光景に絶句した

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